亀田再戦

　アンチ亀田派にとっては残念な結果だったが、再戦で返り討ちに遭うのは何度も見たような気がする。

　まず、初戦を終えた時点での両者の共通認識から出発する。つまり「あの試合の勝敗が逆でもおかしくなかった」という思いだ。
　この共通認識が、一方を悲観的に、他方を楽観的にする。勝者は「今度は負けるかもしれない」と思い、敗者は「今度はきっと勝つだろう」と思うわけだ。
　その意識の違いが２戦目も同じ結果をもたらす。ウィラポンに挑戦した西岡始め多くの挑戦者がそれで苦汁を飲まされてきたのだと思う。

　今度の試合もその範疇に入ると思うが、どうも試合内容が物足りないものになってしまった。その理由なのだが・・・。
　決定的に違うのは、再戦を申し入れたのが勝った（はずの）亀田側だったということだ。普通は負けたほうが再試合を挑み、勢い込んでの挑戦をチャンピオンが凌ぐことで「さすが・・・」となるわけだが、今回のランダエタにそのような高いモティベーションを求めることは無理だったのだろう。

　しかしまあこれで彼が「あの場所にいても決して恥ずかしくないボクサーだ」ということが認知されたはずだ。


　ところで、和田アキコなんだが・・・。

　「君が代」が彼女の今までなかった面を引き出してくれるかもしれないという密かな期待があったのだが、結局今まで通り、『女のおじさん』って感じ。国歌を甘く切なく歌われても困るんだろうけどねえ。
　越路吹雪のピアニシモに宿った歌の神様は今頃どこでどうしているのだろうか?なんて思ったりもした。