「メジャーの打法」~ブログ編

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日本の打撃論(2)

2011年03月21日 | 打法

 トップハンドの押し。

 今の打者はみなBHで引いているのか? いや、この動画を見ても、THを利かしている打者の方が多いように思う。

 THを使ってもこねない打法はある。MLBで現在主流のⅡ型がその典型で、過去に遡れば水平打法もあった。しかし、そのどちらもがTHで『引いて』打っている。

 しかし、THで『押す』、つまりトルクをかける打法にも、こねないものはあるのだ。まずダウンスイング

小池論文の選手Oはこれを採用していると考えられる。この図で、選手Sも選手Oもトルクをかけているが、タイミングが違う。選手Sがスイングの後半なのに対して、選手Oは初めからかけている。
まえに選手Oを何型に入れるかで悩み、そのときはⅣ型としたのだった。しかし、この図を改めて見てみると、変則Ⅲ型とすべきなのだろう。


 まだある。上のダウンスイングは青木宣親のこの動画から採ったものだが、青木のスイングを見ると、BHの引きに続いて、THを活用してトルクをかけているように見える。バットへの力の加え方は選手Sに近いだろう。しかし、のような、インサイドアウトでバットをこねるスイングとはまったく違う。
 このトルクのかけ方は城島、マグワイアと同じものだ。彼らは、HPで述べたように、青木からBHの引きを省略したⅢ型なのだが、普通のⅢ型の「球に向かってバットを突き出す」ものとは違う(マグワイアのフォロースルーに惑わされてはいけない)。特徴は、記事でも述べたように、軸足(TH側の脚)の動作で、足が返らない(足裏がバックネットに向かない)。そして、BHで引く青木もこの特徴を共有している。それを手がかりに、この動画を見ると、多くの打者が青木と同じ打法を採用しているのが窺える。

 こねる打法同様、青木が指摘するように、ダウンスイングも欠点があり、共通して言えることは確度が落ちる。それを解決するには、

  • BHの引きを主体とした昔のスイングに戻る
  • マグワイアのようなTHの動作を採用する

という2つの方法があるのだ。
 しかし、恐らく後者が多数を占めるだろう。清原あたり(?)から中田 翔まで、日本は、「確度の高いスイングを求める」という動機は同じものの、アメリカのⅡB型とは違うものを求めてきたのだ。どちらが日本人にふさわしいのか? 答えは出ていない。




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