「メジャーの打法」~ブログ編

野球、ゴルフを中心とするスポーツ動作論
『究極の打法』オースチンからボンズまで
 Amazonにて発売中

ナックル(22)

2008年06月14日 | ナックル
 大胸筋。

 上腕三頭筋を使う方向で考えを進めているが、今回は肩水平内転に注目してみた。

 ニークロの言うように「下半身は使わない」ということであれば、エネルギー発生を上半身の筋群、前鋸筋、小胸筋、大胸筋などに頼るのは当然だろう。とりわけ大胸筋は重要だ。上部(鎖骨部)、下部(胸肋部)を目いっぱい使う。

大胸筋については、かつて下部を腹部と書いていたが間違いだった。
こちらにあるとおり、大胸筋は鎖骨部、胸肋部、腹部の三つに分かれる。機能を分けて論じる場合は鎖骨部と胸肋部を念頭に置けばよく、上部・下部も鎖骨部・胸肋部と考えていいようだ(例えばこちら)。


 ニークロの連続写真(『大リーガーのテクニック』ベースボールマガジン社)に添えられた高橋直樹の解説に以下の記述がある。
    (リリース写真8について)

ニークロは、捕手のミットを見ている目と同じ高さから投げており、ボールが体から離れないように脇を締めていると思われる。例えば物を押すときを考えてみれば脇が甘くては力は出せないものだ。逆に両脇を締めて押せば体が小さな人でも大きな物を動かすことができる。これと同じ。従って、投球後の右腕はホーム目がけて真っ直ぐに振り出される。


 物を押すことと比べるのは不適切だが、さすがによく見ている。脇を締めるように見えるのは、大胸筋下部をしっかり使って、エネルギーを発生させているからだ。(アメリカ人の)普通の投法では、体幹の回旋を伝えるのが主たる役目で、筋長があまり縮まない(水平内転角が小さい)。両者を比較すると見た目に違うのだ。

物を押すばあいの大胸筋下部収縮の目的は、前鋸筋などの収縮に適切な、あるいは弱い筋肉に余計な負荷を掛けない肢位を提供する、といったことだろう。
ナックルのばあいは、エネルギー発生というもっと積極的な役割を演じているはずだ。


 


コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。