「メジャーの打法」~ブログ編

野球、ゴルフを中心とするスポーツ動作論
『究極の打法』オースチンからボンズまで
 Amazonにて発売中

ナックル(21)

2008年06月11日 | ナックル

 上腕三頭筋を使っているかどうか? 

 これを動画などを見て判断するのは不可能だ。そもそもFeltner論文の価値は、「使っているように見えて実は使っていない」ということを示した点にある。

普通の投法では使わない(肘伸展への寄与が小さい)のがもはや常識となっているが、自明なことではない。
風井論文でも、終期における顕著な放電から伸展にあずかっているとしている。アメリカ人のコンパクトな投法では使っていると思うのがむしろ自然だろう。


 だから、「ナックル投法については使っている」と主張するのは、

使っているように見えて使っていないように見えて実は使っている

と述べるに等しく、投げるのを見て答えを出すのは無理なのだ。実際に投げてみて感触を頼りに可能性を探るしかない。

 打ち型(throwlike m.)の動作に上腕三頭筋の収縮を組み込むことはできる。空手の手刀打ちやバッティングのA型は打ち型でありながら三頭筋を使っている。ナックルのばあいも、肩関節(上腕の動き)が内転ではなく水平内転だが、可能だ。しかも回転を抑えた球を安定して投げることができそうだ。球速など不確定な部分もあるが、もしこの投げ方で正解なら、三頭筋の使い方の違いをもって、

ナックル投法は普通の投法とは違う

と言って構わないだろう。

 できればそうであって欲しい。普通の投法に指の動作を付け足してナックルが投げられるのでは面白くも何ともないからだ。



コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。