「メジャーの打法」~ブログ編

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センサー・バット(Ⅷ)

2006年01月28日 | センサー・バット
選手Oについて考えて行きたいと思います。

 選手Sとの違いは既にいくつか紹介しましたが、各作用力、作用モーメントに関しては以下の通りです(パリティの記事より)。
  1. Xsp方向の作用力については、選手Oが徐々に変化するのに対し、選手Sは急峻で絶対値も大きい。
  2. Ysp方向の作用力については、選手Oは両手でバットを引いているのに対し、選手Sの右手は逆向きの力を加えている。
  3. Zsp方向の作用力の違いは、バット傾斜角速度(<図2d>)の違い、つまり選手Oが緩やかに変化しているのに対し選手Sが大きく変化していることに対応している。
  4. Xsp軸まわりのモーメントは、選手Oが両手とも負、つまり両手でバットを起こしている。選手Sは左手が負で右手が正だが、左手が優っている。
  5. Ysp軸まわりのモーメントは、選手Oの方が大きく、バットを強く絞りながらスイングしている。
  6. Zsp軸まわりのモーメントは、選手Oが両手とも正で角加速に働いているのに対し、選手Sは両手とも角減速に働く時期がある。


 さらにパワーに関しては以下のような記述があります。

  1. 両選手とも総パワーの大部分をYsp軸方向の作用力パワーが占めるが、選手Oが両手で正のパワーを発揮しているのに対し、選手Sは左手で正、右手で負のパワーを発揮している。
  2. インパクト付近のYsp軸方向作用力パワーを見ると、選手Sの場合は顕著に減少しているので、バットがグリップを中心とする回転運動をしている。選手Oの場合は大きいままなので、グリップを長軸方向に若干移動させながらインパクトを迎えている。


  (続く)