伊勢志摩サミット（先進７か国（Ｇ７）首脳会議）の日程を終えて、アメリカのオバマ大統領が広島を訪問されました。
戦後７１年目にして初めて実現したアメリカ現職大統領の広島訪問。
この計画が発表された当初から、当然ながら日米両国（ひいては世界各国）で大きな話題になっていて、ニュースを見る限りいろんな立場の方々の思惑も垣間見えていて．．．
・・・訪問頂ける事だけでも大きな意義があると思っていた私は．．．
・・・日米両国の政略に利用されるリスクもある広島訪問の話題に時折りガッカリしたりとか、哀しくなったりしていたのですが。
今日、実際の訪問シーンの影像やニュースを見て．．．本当に「良かったなぁ」と感慨深かったです。
オバマ大統領には感謝の気持ちがいっぱいになりました。
アメリカ大統領という立場的に許される可能な範囲で、というかその範囲を少々超えてでもという心の籠ったメッセージが素晴らしいなと思いましたし。
そのメッセージ内容には、この悲劇を本当に哀しんでいる・辛いと思っているという、一人の人間として当然感じるだろう気持ちが素直に表現されていたと思います。
だからこそ、被爆をされた方々も・長年アメリカ大統領に広島へ来て欲しいと嘆願していらっしゃった方々も喜びを感じられていたように見えました。
この広島訪問が決まった時から、被爆関係者の方は勿論、多くの一般市民の方々が「来ていただくだけで、この場で考えて・感じていただくだけでもいい」「そこから未来への財産が生まれる筈だから」という意見を仰っているニュースを多く見ましたし、私もその気持ちに全く同感でした。
そしてオバマ大統領は。
そんな多くの日本人の気持ちにしっかり応えていただくスピーチ・行動だったと思います。
冒頭で書きましたメッセージ内容は勿論ですが、被爆者の方々との対話だったり・抱き寄せて真剣に言葉に耳を傾ける姿だったりの場面に、人間として当然感じていい筈の優しさを見る事が出来た思いがして。
だからこそ、市民の皆さんから感謝の言葉や、喜び・感動の笑顔が見られたんだろうと思います。
特に私が個人的に驚いて感動したのは。
広島平和記念資料館を訪問していただいた事です。
私も２度見に行った事がある広島平和記念資料館。本当に衝撃を受けて涙無しには見られない場所であると共に、現代の・そして未来の平和を考える上で大変貴重な経験を出来る場であると思っています。
（・・・３年前の九州帰省の際の帰り道で、「行ける時に行って我が子にも見せておかねば」と思って、当時中２の長男を連れて行ったのですが、長男は大きなショックを受けたのか、館内に居る時間ずっと辛そうで、言葉を失っていた事が思い出されます）
前日までのニュースで、オバマ大統領の広島滞在時間が限られているという事を聞いていましたし、特に資料館は原爆の悲惨さを一番に理解できる場所なので、逆に「アメリカの思惑」として訪問は無いだろうな、と勝手に諦めていたのですが．．．非常に短時間とは言え資料館へ足を向けられた事には正直なところ凄く驚きましたし、本当に嬉しかったです。
短時間だったとはいえ、きっとオバマ大統領は「一人の人間として」「子を持つ親として」きっと、初めて感じていただけた事があったと思いたいです。
最後になりますが。
今回のオバマ大統領の広島訪問での振舞い・深く考えた姿を感動して見ていられたのは。
迎える被爆者の方々、市民の方々の気持ちのメインの部分に、「来てくれるだけでいい。それがスタート」という共通した思いがあって、（特にアメリカの）マスコミが時に書く「日本からの謝罪や賠償要求」という観点が、（当たり前のように）全く見えなかったからだと思います。
そこには。
人間が人間として当然のように願うに違いない「平和・優しさ・より良い未来」という要素が、一致して共有されていたからに違いないと思っています。
オバマ大統領に感謝したいと思います。
被爆された方々を始め、広島訪問を願い続けて活動された皆さまに感謝したいと思います。
その両方の立場の方々のお蔭で、
「人間関係をより良く築いていく源は」
「お互いの立場を尊重しての共感性なんだ」
と理解できました。
言い換えれば、今回のオバマ大統領の広島訪問とそれを迎えた皆さんの姿は。
世界平和に向けてのみならず、社会平和・コミュニティ平和・家族平和のために必要な事を強く訴えていただいたものでもあったなぁという理解をしているワタクシです。
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お人柄がにじみ出る、素晴らしい記事をありがとうございます。
日本が謝罪を要求しない、何よりも広島の被爆者の方々が要求しない、
「来てくれることだけでもありがたい」と言っていた、
その姿勢に頭が下がります。
当日の広島の試合はホームではなく、ビジターでした。
試合日程を組むときに、考慮されていたんですね。
何ごともなくサミットが終わった、その陰でお仕事されていた警察関係、そして海保、私服の方々。
ご苦労様でした、そしてありがとうございました。
確かに日本人が旧来から持つ性格が表れて、一層いい式典になったと感じます。
そして仰る通り、見えないところで数多くの方が活躍・責任を果たそうと努力されていた事にも気付かねばなりませんよね。頭が下がります。
私もオバマ大統領のスピーチに感動しました。
何気なくニュース番組を見始めたら、その模様が流れ始め、最後まで見入ってしまいました。
歴史に残るスピーチであり、被爆者の方との交流、特に森さんとの抱き合う写真も永く記憶に残ると思います。
とことこ話さんのように、私もブログに書こうと思いました。
どれだけの人が読んでくれるかわかりませんが、それがオバマ大統領の気持ちにこたえることになると思いますから。
とことこ話さんは、広島の方々が謝罪を求めなかった点を喜ばしく思われておられるようですが、私は、長崎出身のとことこ話さんが長崎への訪問について一切触れてない点がすごい、と感動しました。
是非MAJIKさんもブログなどでご自身の意見をお書きいただきたいです。仰る通りで、オバマさんのスピーチは「大統領だから」という訳ではなく、人間として尊敬できるものでしたから、皆さんに知って欲しいですよね。楽しみにしていますよ。
長崎の事は、当時５０キロほど離れた佐世保市に居た私の両親から「雲が見えた」という話しを昔から聞いていたのでひとごとでは無い思いが子供の頃からありました。必要であれば書くべきかもでしたが、今回のオバマさんの日程や意義を考えると被爆地を訪問いただく事が最重要だった訳で、それは広島に行っていただいた事だけで有り難くて、長崎の事を書く必要性を感じませんでした。
変な曲解というか、極論すれば「謝罪行脚を要求」になるような事、誰も願っていないと思いますから。