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(丸山展望台から山桜と武甲山)
2月の山歩きの後、母親が体調を崩してしまった。年齢も影響してか、なかなか良くならず、看病のため、山に行くことが出来なくなってしまった。5月に入り、母親の体調も落ち着いてきたので、久しぶりに山歩きに出かけることにした。しばらく歩いていないので、比較的軽いルートにしたい。でも新緑は見たいし、まだ歩いたことの無い所を歩きたいという思いもある。そこで未踏である正丸駅からツツジ山のルートに新緑美しい丸山をつなげて歩くことにした。
朝7時過ぎに正丸駅に到着する。連休最終日ということもあってか、それほど登山者は多くない。駅に設置された登山ポストに届けを出して、国道299号を正丸トンネルへ向かって歩き始める。正丸駅からツツジ山へは正丸トンネル近くの三田久保峠への峠道を上がるのが一般的だ。今回はバリエーションルートを通りたくないので、車道になっている峠道を使う。20分くらい歩くと本邦帝王切開術発祥の地があり、その向かいに峠道が延びている。10分弱車道を上がれば、沢沿いに付けられた山道がある。道標が立つので、迷うことは無いだろう。
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(国道から峠道を上がる)
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(道標 ここから山道へ)
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(スミレかな?)
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(白い花 名前はわからず)
沢沿いの峠道は比較的傾斜が緩く、踏み跡も明瞭で歩きやすい。2010年度版のエアリアだと破線路になっているが、それほど悪い道ではない。…と思ったのだが、沢沿いを離れて九十九折となると道形の崩れた所が出てきて、少々面倒だ。九十九折が終わると三田久保峠の頂上に出る。道標があり、北川集落への道も下っている。尾根の南には杉林の中に薄い踏み跡が延びている。これから向かう北側は雑木林の尾根だ。
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(沢沿いを上がる)
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(三田久保峠)
尾根上は割合と明瞭な踏み跡が延びていて、新しい感じの道標も立っている。マイナールートだとは思うのだが、定期的に歩く人がいるのだろう。杉・檜が優勢になってくると西側に林道が現れる。特に案内等は無いが、とりあえず高いほうへ向かえばよいのだろう。伐採が進んだ林道を進むと広い尾根に出る。おそらく628のピーク付近か。林道は西へ曲がるが、尾根上には細い踏み跡が延びている。踏み跡を下っていくと今度は古びた道標がある。相当以前から歩かれていたということか。
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(雑木林が美しい)
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(檜の大木)
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(林道を上がっていく)
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(628のピーク付近)
林道や廃道と化した峠道を見送ると急傾斜の登りが始まる。一旦傾斜が緩くなる所はあるものの、770mの小ピークまでは標高差が100m以上ある。これは難儀させられそうだ。ただ杉・檜の林が続くので、初夏の厳しい日差しは遮ってくれる。傾斜の緩んだ所で息を整え、最後の比高50mの登りに取り掛かる。傾斜がきつく踏み跡が安定しないのか、道がわかりにくい。適当に上がってしまうと地面が脆くなっていて、足を踏ん張ることができない。何度が進退窮まり、地面に生えた根っ子にしがみつく羽目になってしまった。
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(まだ傾斜は緩い)
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(ここは急傾斜 ここで道をロスト)
踏み跡に復帰し、周囲に背の低い笹が茂ってくると770mの小ピークの頂上が近い。道がフラットになった辺りが770mの小ピークの頂上だ。尾根の一部といった感じだが、立木に標識を付けた跡がある。ネットなどによるとここが本来の小都津路山で、この先の831のピークは大都津路山だという。そして現在ツツジ山の名が付けられている879.1の三角点ピークは本来ツツジ山とは呼ばれていなかったようだ。
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(770mの小ピーク 小都津路山)
770mの小ピークからわかりにくい細道を下る。フラットな尾根を進むと再び急斜面が待ち受ける。旧正丸峠から牛立久保までと比べると三田久保峠からツツジ山までのほうが距離は短いのだが、道が歩きにくい分、消耗が激しい。岩が露出した杉・檜の林を登ると大都津路山(831)だ。道標には小都津路山と書かれているが、その下には大都津路山である旨の張り紙がしてある。割と広い山頂だが、ベンチ等は無く、休憩にはあまり適さない。
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(大都津路山へ急な登り)
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(大都津路山)
大都津路山からツツジ山へは広いフラットな道が延びる。杉・檜が植えられ、典型的な奥武蔵の尾根といった風情だ。ツツジ山の山頂が近づくと伐採された尾根が山頂まで続く。登山道脇には網が張られ、ツツジの幼木が保護されている。このツツジは吾野中学校と吾野まちづくり推進委員会が協力して植えたものだ。やや時期が早いせいか、まだ蕾のものが多い。やや急な坂を登り切れば南北に延びた山頂部に出る。所々檜が残るため、それほど広い展望は得られない。ベンチの置かれた頂上へ向かう。
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(広くてフラットな道)
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(ツツジ山へ向かって)
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(二子山が見える)
ツツジ山(879.1)の頂上には埼玉県の山頂標識に道標と三角点が置かれ、吾野中学校の記念柱も立てられていた。2009年に訪れたときは檜に覆われた暗い山頂であったが、伐採によって明るい雰囲気となった。西側は武甲山が辛うじて見える程度だが、東側は飯盛峠の辺りから天覚山・大高山までの眺めが得られる。空気が澄んだ時期であれば、飯盛峠の背後に東松山市辺りの平野部も見えるようだ。北側には伐採されずに残った広葉樹の雑木林が美しい。ツツジが成長してくれば、新たな名所になりそうだ。
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(ツツジ山頂上の様子)
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(飯盛山辺りだろうか?)
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(奥は天覚山)
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(武甲山)
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(北側は雑木林)
ツツジ山から西へやや急な斜面を下っていく。刈場坂峠が近づくと人の声が聞こえてくる。車道が通る峠なので、訪れる人が多いのだ。峠の手前で中高年グループとすれ違う。ツツジが綺麗だったか聞かれたので、「まだ早い」と答えておいた。そもそも見事な花を咲かせる株になるにはあと数年はかかるだろう。広い駐車スペースとトイレのある刈場坂(かばさか)峠は相変わらず北側の眺めが良い。正面に大きく見えるのは堂平山から剣ヶ峰、川木沢の頭などでそれぞれ電波塔や天文台などが設置されている様までよく見える。それより東側には金岳・都幾山・雷電山・弓立山などが呼称の内にあるようだ。
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(刈場坂峠)
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(堂平山)
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(金岳など)
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(堂平天文台)
刈場坂峠から別荘地の裏手を通って牛立久保へ向かう。ツツジ咲く穏やかな雑木林の道だ。小ピークを越えた鞍部に牛立久保と書かれた道標がある。ただどちらかというと鞍部から南西に広がる緩斜面が牛立久保と呼ばれている。今日は一旦牛立久保へ下り、縦走路に出たら867のピークを越える尾根道を歩いてみたい。尾根から下ると雑木林に覆われた緩斜面となっている。やや湿気った所で、新緑を過ぎると次第に藪っぽくなっていく。今頃はまだ踏み跡も明瞭で不快な感じはしない。
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(牛立久保)
そのまま踏み跡を下り、867のピークから南東に派生する尾根を越える辺りから867のピークを目指す。踏み跡の類は全く無いが、杉檜の林なので、下草の煩い所は無い。やや急な斜面を登りきると南北に延びた867のピークに出るが、山頂を示すものは何もない。薄い踏み跡が西へと下っていくが、これは西に派生する尾根を下る道だ。縦走路へは北東に延びる尾根を進む必要があるのだが、踏み跡が無く、木で尾根が隠されているので、わかりにくい。867のピークから先は疎らに樹の生えた尾根を進む。時折尾根一杯に蔓性の植物が生えており、尾根から下って迂回しなければならない所もある。ただそれ以外は静かな雑木林の尾根が続き、喧騒を避けたい人にはお勧めかもしれない。
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(867のピークの尾根)
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(一部蔓性の植物が煩い)
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(ヤマツツジが盛り)
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(雑木林の美しい静かな尾根)
低い笹薮を抜けると道標の立つ縦走路に復帰する。ここから先はグリーンライン横にある尾根を進んでいく。七曲り峠の道標が立つ辺りで一旦グリーンラインに下り立つ。車道からは雷電山辺りが眺められるようだ。すぐ先で尾根に復帰し、杉檜の林をアップダウンを繰り返しながら進む。やがて大きな岩が尾根を塞ぐように聳え立つ。この先しばらく岩尾根が続く。迂回ルートもあるが、いずれにせよ転落のおそれはある。岩尾根を終え、次の急斜面を登りきるとカバ岳(896)の頂上に着く。山頂標識と関東ふれあいの道を示す石板があるだけで、ベンチも無く、尾根の一部といった雰囲気だ。
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(ここで縦走路に復帰)
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(七曲り峠からの眺め)
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(岩尾根が始まる)
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(岩尾根 この上を進んだ)
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(カバ岳)
カバ岳から大きく下って再びグリーンラインに下りる。するとちょうどクルマがやって来て、一組の老夫婦が降りてきた。ボクが様子を窺っていると奥さんが「二輪草が咲いていますよ」と声を掛けてくれた。西側の斜面を見ると確かに小さな白い花を付けた群落がある。ここは何度か通ったことはあったのだが、花が咲く時期に歩いたのは初めてだ。ご夫婦にお礼を言い、少し先の道標脇から大野峠を目指す。緩やかにアップダウンを繰り返す尾根を進み、看板の裏手から車道が乗り越す大野峠に着く。
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(ニリンソウの群落)
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(大野峠への尾根道)
丸山の入口にある東屋で一息入れ、本日の最高点を目指す。グライダー場のある小ピークへはハードルのような土留めの木段が続く。ツツジ山までの行程でかなり消耗したせいか、どうも足が上がらない。無理をすると今度は頭が酷く痛む。体力不足と寝不足と、ダブルで効いているのだろう。何とか木段を登りきるとちょうど練習生が飛び立とうとしているところであった。上昇気流が吹いて飛び出した瞬間、風は東へ向きを変えて、パラグライダーがボクのほうへ向かってきた。幸いぶつかりはしなかった。ただグライダーが飛び立とうとしているときは離れて眺めたほうが良さそうだ。グライダー場のピークは東側180°の眺めが得られる。とはいえ、初夏の今ではすっきりとした眺めは得られない。右から見て二番目に見える山がツツジ山のようだ。
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(グライダー場からの眺め)
グライダー場のピークから次の896のピークまでは新緑の進む美しい小道になっている。896のピークはフラットな地形で東側からは高篠峠からの道が登ってきている。次の小ピークの北側は杉檜の林だったのだが、一部が大きく伐採されていた。明るく見晴らしが良くなったのは喜ばしいが、荒涼とした伐採跡が痛々しい感じもする。
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(新緑が美しい)
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(伐採地)
丸山への最後の登りに差し掛かり、電波塔の辺りを見上げるとここも大きく伐採されていた。確かこの辺りも杉檜の林だったはずなので、伐採されてすっきりしたともいえる。伐採地の向こうには川木沢の頭とその背後に堂平山と笠山が見えていた。電波塔の脇まで来れば山頂は近い。雑木林を抜ければ展望台のある丸山(960.4)の頂上だ。昨年に比べると人出は大分少ない。ここのところの暑さもあってか、展望台脇のツツジは既に花を付けていた。一先ず消耗が激しいので、展望台下のベンチで一休みする。
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(よく見ると電柱が立っていたりする)
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(電波塔直下の伐採地)
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(堂平山と笠山が見える)
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(丸山展望台)
帰り際、展望台に上がる。水蒸気が多いせいですっきりとした眺めは得られない。南側は伊豆ヶ岳から武川岳、二子山、大持山、小持山そして武甲山が見渡せる。南側は大霧山と堂平山の眺めが得られる程度だ。山頂から北へ尾根を下り、鞍部に差し掛かった所で迂回路の看板を見つける。鞍部の下を通るトンネルが通行止めになっているための措置なのだが、この迂回路を下って車道へ下りることにする。尾根伝いのルートは小ピークを越えるのが結構大変なのだ。
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(南側の眺め)
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(大霧山)
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(堂平山)
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(ヤマザクラ)
迂回路を下っていくと丸山の駐車場に着く。昨年苦しんだ芦ヶ久保からの巻き道があった辺りだ。周囲を簡単に調べてみると昨年使った出入口以外に駐車場から巻き道を行き来する所は無いようだ。車道を西に行き、芦ヶ久保駅への山道を下る。道の両脇は杉檜が並木のようである。それほど傾斜が急な道では無いのだが、疲れた体にはこの程度の傾斜でも結構しんどい。766のピーク下に日向山への分岐がある。ここはしょっちゅう歩いているので、今日は更に下る。
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(迂回路を示す看板)
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(丸山の駐車場)
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(駐車場に咲いていた八重咲きの桜)
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(杉檜の並木を下る)
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(雑木林も多い)
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(路傍の石仏)
尾根の末端にある小ピークを北から巻くと雑木林の低木帯を下っていく。日が当たりにくいのか、成長が遅いようだ。檜の植林に入るとジグザグ気味に下っていく。傾斜が少し緩むと再び日向山(木の子茶屋)への分岐がある。地形図に描かれている日向山への破線路はこれのことだろう。ここは歩いたことが無かったので入ってみる。緩やかに登っていき、沢地形を越えた所で道標が立つ分岐に着く。新しい道標は丸山と木の子茶屋を示しており、どうやらこの道は普段使っている日向山分岐の道に繋がっているようだ。そして傍らには古い石柱の道標もあり、「正面 本村内道 左 横瀬村ヲ経テ秩父ニ至ル」と書かれている。ああ、そうか。昨年歩いたときに見つけた道標はこれだったのか。
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(低木帯を行く)
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(植林帯に入るとヤマツツジも自生する)
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(木の子茶屋分岐)
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(緩やかな道)
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(古い道標のある分岐)
更に下っていけば車道に下り立つ。ここを左に下れば日向山集落で、木の子茶屋も近い。あとは山の花道を抜けて日向山に登ればもう顕著な登りは無い。山の花道内は藤、ツツジなどの初夏の花が盛りだ。ツツジの回廊を抜けると木段の付けられた急斜面が待ち受ける。しかし、木段を整備し直したのか、ステップが低く、歩きやすくなっていた。ここを登りきるとあとは山頂へ向かって比較的緩やかな登りだ。雑木林を進むと南側が開けた日向山(633)の頂上に着く。今年に入って設置された展望デッキは高さが1メートルあり、日向山の標高と併せて東京スカイツリーと同じ高さになっているという。
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(木の子茶屋 向かいが山の花道)
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(藤棚)
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(ツツジと武甲山)
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(ツツジの回廊)
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(大きな株のツツジの脇を通る 木段が整備されたように感じるのだが)
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(日向山頂上)
デッキに上がると二子山から武川岳、大持山、小持山そして武甲山までの眺めが良い。昨年訪れたときも良い景色だと思ったのだが、デッキが出来て、より展望が得やすくなったと感じる。そしてこの山に登るだけでも十分に楽しめるようになったといえる。山頂からは西の琴平神社へと下る。新緑美しい雑木林が続く中、朱色のヤマツツジの花がよく映える。道標が立つ所で土留めの木段が付いた急斜面を下る。う~ん、ここもきつい。木段を下りきると鹿除け網があり、ロープを解いて中に入れば、琴平神社はすぐ側だ。
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(日向山からの眺め)
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(雑木林の道を下る)
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(ヤマツツジ)
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(急な木段を下る)
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(琴平神社)
車道に下り立ち、目の前に分岐する車道を下っていく。するとカーブする所に道標が立ち、風の道ルートに入れる。昨年登りに採ったルートだが、下りだと今一つわかりにくい。民家の裏庭のような所を抜けると雑木林の中の急な下りが続く。農村公園への分岐を見送り、耕作放棄地のような荒地を過ぎると右手に沢が流れるのが見える。橋を渡り、緩く登り返せば源寿院別院の境内に着く。芦ヶ久保大観音に今日一日の旅の無事についてお礼をし、後は車道を下っていくだけだ。国道299号を渡り、道の駅あしがくぼへと寄って行く。うむ、ここも思ったより観光客が少ない。でもソフトクリームは売り切れになっていたからお昼頃はかなり混んだのだろう。一休みしてから電車に乗り込むとこちらも連休にしてはかなり空いていた。近年の芝桜の丘における混雑を考えればかなりラッキーだったといえるだろう。席に着いた途端眠りに就き、起きたときにはもう小手指駅近くであった。
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(風の道入口)
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(木漏れ日の道が美しい)
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(道標にはカワセミが乗せられている)
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(源寿院別院)
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(芦ヶ久保駅を見下ろす)
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(道の駅あしがくぼ)
DATA:
正丸駅7:16~8:01三田久保峠~9:04大都津路山~9:18ツツジ山9:27~9:36刈場坂峠~10:17七曲り峠~10:37カバ岳~10:55大野峠~11:31丸山11:51~12:48木の子茶屋~13:01日向山~13:19琴平神社~14:03道の駅あしがくぼ~芦ヶ久保駅
地形図 正丸峠
トイレ 刈場坂峠 丸山駐車場 山の花道
正丸駅からツツジ山へのルートは一般ルートレベル。牛立久保近くの867のピーク周辺は地形図・コンパスをお持ちください。
2月の山歩きの後、母親が体調を崩してしまった。年齢も影響してか、なかなか良くならず、看病のため、山に行くことが出来なくなってしまった。5月に入り、母親の体調も落ち着いてきたので、久しぶりに山歩きに出かけることにした。しばらく歩いていないので、比較的軽いルートにしたい。でも新緑は見たいし、まだ歩いたことの無い所を歩きたいという思いもある。そこで未踏である正丸駅からツツジ山のルートに新緑美しい丸山をつなげて歩くことにした。
朝7時過ぎに正丸駅に到着する。連休最終日ということもあってか、それほど登山者は多くない。駅に設置された登山ポストに届けを出して、国道299号を正丸トンネルへ向かって歩き始める。正丸駅からツツジ山へは正丸トンネル近くの三田久保峠への峠道を上がるのが一般的だ。今回はバリエーションルートを通りたくないので、車道になっている峠道を使う。20分くらい歩くと本邦帝王切開術発祥の地があり、その向かいに峠道が延びている。10分弱車道を上がれば、沢沿いに付けられた山道がある。道標が立つので、迷うことは無いだろう。
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(国道から峠道を上がる)
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(道標 ここから山道へ)
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(スミレかな?)
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(白い花 名前はわからず)
沢沿いの峠道は比較的傾斜が緩く、踏み跡も明瞭で歩きやすい。2010年度版のエアリアだと破線路になっているが、それほど悪い道ではない。…と思ったのだが、沢沿いを離れて九十九折となると道形の崩れた所が出てきて、少々面倒だ。九十九折が終わると三田久保峠の頂上に出る。道標があり、北川集落への道も下っている。尾根の南には杉林の中に薄い踏み跡が延びている。これから向かう北側は雑木林の尾根だ。
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(沢沿いを上がる)
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(三田久保峠)
尾根上は割合と明瞭な踏み跡が延びていて、新しい感じの道標も立っている。マイナールートだとは思うのだが、定期的に歩く人がいるのだろう。杉・檜が優勢になってくると西側に林道が現れる。特に案内等は無いが、とりあえず高いほうへ向かえばよいのだろう。伐採が進んだ林道を進むと広い尾根に出る。おそらく628のピーク付近か。林道は西へ曲がるが、尾根上には細い踏み跡が延びている。踏み跡を下っていくと今度は古びた道標がある。相当以前から歩かれていたということか。
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(雑木林が美しい)
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(檜の大木)
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(林道を上がっていく)
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(628のピーク付近)
林道や廃道と化した峠道を見送ると急傾斜の登りが始まる。一旦傾斜が緩くなる所はあるものの、770mの小ピークまでは標高差が100m以上ある。これは難儀させられそうだ。ただ杉・檜の林が続くので、初夏の厳しい日差しは遮ってくれる。傾斜の緩んだ所で息を整え、最後の比高50mの登りに取り掛かる。傾斜がきつく踏み跡が安定しないのか、道がわかりにくい。適当に上がってしまうと地面が脆くなっていて、足を踏ん張ることができない。何度が進退窮まり、地面に生えた根っ子にしがみつく羽目になってしまった。
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(まだ傾斜は緩い)
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(ここは急傾斜 ここで道をロスト)
踏み跡に復帰し、周囲に背の低い笹が茂ってくると770mの小ピークの頂上が近い。道がフラットになった辺りが770mの小ピークの頂上だ。尾根の一部といった感じだが、立木に標識を付けた跡がある。ネットなどによるとここが本来の小都津路山で、この先の831のピークは大都津路山だという。そして現在ツツジ山の名が付けられている879.1の三角点ピークは本来ツツジ山とは呼ばれていなかったようだ。
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(770mの小ピーク 小都津路山)
770mの小ピークからわかりにくい細道を下る。フラットな尾根を進むと再び急斜面が待ち受ける。旧正丸峠から牛立久保までと比べると三田久保峠からツツジ山までのほうが距離は短いのだが、道が歩きにくい分、消耗が激しい。岩が露出した杉・檜の林を登ると大都津路山(831)だ。道標には小都津路山と書かれているが、その下には大都津路山である旨の張り紙がしてある。割と広い山頂だが、ベンチ等は無く、休憩にはあまり適さない。
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(大都津路山へ急な登り)
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(大都津路山)
大都津路山からツツジ山へは広いフラットな道が延びる。杉・檜が植えられ、典型的な奥武蔵の尾根といった風情だ。ツツジ山の山頂が近づくと伐採された尾根が山頂まで続く。登山道脇には網が張られ、ツツジの幼木が保護されている。このツツジは吾野中学校と吾野まちづくり推進委員会が協力して植えたものだ。やや時期が早いせいか、まだ蕾のものが多い。やや急な坂を登り切れば南北に延びた山頂部に出る。所々檜が残るため、それほど広い展望は得られない。ベンチの置かれた頂上へ向かう。
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(広くてフラットな道)
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(ツツジ山へ向かって)
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(二子山が見える)
ツツジ山(879.1)の頂上には埼玉県の山頂標識に道標と三角点が置かれ、吾野中学校の記念柱も立てられていた。2009年に訪れたときは檜に覆われた暗い山頂であったが、伐採によって明るい雰囲気となった。西側は武甲山が辛うじて見える程度だが、東側は飯盛峠の辺りから天覚山・大高山までの眺めが得られる。空気が澄んだ時期であれば、飯盛峠の背後に東松山市辺りの平野部も見えるようだ。北側には伐採されずに残った広葉樹の雑木林が美しい。ツツジが成長してくれば、新たな名所になりそうだ。
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(ツツジ山頂上の様子)
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(飯盛山辺りだろうか?)
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(奥は天覚山)
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(武甲山)
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(北側は雑木林)
ツツジ山から西へやや急な斜面を下っていく。刈場坂峠が近づくと人の声が聞こえてくる。車道が通る峠なので、訪れる人が多いのだ。峠の手前で中高年グループとすれ違う。ツツジが綺麗だったか聞かれたので、「まだ早い」と答えておいた。そもそも見事な花を咲かせる株になるにはあと数年はかかるだろう。広い駐車スペースとトイレのある刈場坂(かばさか)峠は相変わらず北側の眺めが良い。正面に大きく見えるのは堂平山から剣ヶ峰、川木沢の頭などでそれぞれ電波塔や天文台などが設置されている様までよく見える。それより東側には金岳・都幾山・雷電山・弓立山などが呼称の内にあるようだ。
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(刈場坂峠)
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(堂平山)
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(金岳など)
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(堂平天文台)
刈場坂峠から別荘地の裏手を通って牛立久保へ向かう。ツツジ咲く穏やかな雑木林の道だ。小ピークを越えた鞍部に牛立久保と書かれた道標がある。ただどちらかというと鞍部から南西に広がる緩斜面が牛立久保と呼ばれている。今日は一旦牛立久保へ下り、縦走路に出たら867のピークを越える尾根道を歩いてみたい。尾根から下ると雑木林に覆われた緩斜面となっている。やや湿気った所で、新緑を過ぎると次第に藪っぽくなっていく。今頃はまだ踏み跡も明瞭で不快な感じはしない。
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(牛立久保)
そのまま踏み跡を下り、867のピークから南東に派生する尾根を越える辺りから867のピークを目指す。踏み跡の類は全く無いが、杉檜の林なので、下草の煩い所は無い。やや急な斜面を登りきると南北に延びた867のピークに出るが、山頂を示すものは何もない。薄い踏み跡が西へと下っていくが、これは西に派生する尾根を下る道だ。縦走路へは北東に延びる尾根を進む必要があるのだが、踏み跡が無く、木で尾根が隠されているので、わかりにくい。867のピークから先は疎らに樹の生えた尾根を進む。時折尾根一杯に蔓性の植物が生えており、尾根から下って迂回しなければならない所もある。ただそれ以外は静かな雑木林の尾根が続き、喧騒を避けたい人にはお勧めかもしれない。
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(867のピークの尾根)
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(一部蔓性の植物が煩い)
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(ヤマツツジが盛り)
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(雑木林の美しい静かな尾根)
低い笹薮を抜けると道標の立つ縦走路に復帰する。ここから先はグリーンライン横にある尾根を進んでいく。七曲り峠の道標が立つ辺りで一旦グリーンラインに下り立つ。車道からは雷電山辺りが眺められるようだ。すぐ先で尾根に復帰し、杉檜の林をアップダウンを繰り返しながら進む。やがて大きな岩が尾根を塞ぐように聳え立つ。この先しばらく岩尾根が続く。迂回ルートもあるが、いずれにせよ転落のおそれはある。岩尾根を終え、次の急斜面を登りきるとカバ岳(896)の頂上に着く。山頂標識と関東ふれあいの道を示す石板があるだけで、ベンチも無く、尾根の一部といった雰囲気だ。
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(ここで縦走路に復帰)
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(七曲り峠からの眺め)
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(岩尾根が始まる)
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(岩尾根 この上を進んだ)
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(カバ岳)
カバ岳から大きく下って再びグリーンラインに下りる。するとちょうどクルマがやって来て、一組の老夫婦が降りてきた。ボクが様子を窺っていると奥さんが「二輪草が咲いていますよ」と声を掛けてくれた。西側の斜面を見ると確かに小さな白い花を付けた群落がある。ここは何度か通ったことはあったのだが、花が咲く時期に歩いたのは初めてだ。ご夫婦にお礼を言い、少し先の道標脇から大野峠を目指す。緩やかにアップダウンを繰り返す尾根を進み、看板の裏手から車道が乗り越す大野峠に着く。
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(ニリンソウの群落)
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(大野峠への尾根道)
丸山の入口にある東屋で一息入れ、本日の最高点を目指す。グライダー場のある小ピークへはハードルのような土留めの木段が続く。ツツジ山までの行程でかなり消耗したせいか、どうも足が上がらない。無理をすると今度は頭が酷く痛む。体力不足と寝不足と、ダブルで効いているのだろう。何とか木段を登りきるとちょうど練習生が飛び立とうとしているところであった。上昇気流が吹いて飛び出した瞬間、風は東へ向きを変えて、パラグライダーがボクのほうへ向かってきた。幸いぶつかりはしなかった。ただグライダーが飛び立とうとしているときは離れて眺めたほうが良さそうだ。グライダー場のピークは東側180°の眺めが得られる。とはいえ、初夏の今ではすっきりとした眺めは得られない。右から見て二番目に見える山がツツジ山のようだ。
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(グライダー場からの眺め)
グライダー場のピークから次の896のピークまでは新緑の進む美しい小道になっている。896のピークはフラットな地形で東側からは高篠峠からの道が登ってきている。次の小ピークの北側は杉檜の林だったのだが、一部が大きく伐採されていた。明るく見晴らしが良くなったのは喜ばしいが、荒涼とした伐採跡が痛々しい感じもする。
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(新緑が美しい)
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(伐採地)
丸山への最後の登りに差し掛かり、電波塔の辺りを見上げるとここも大きく伐採されていた。確かこの辺りも杉檜の林だったはずなので、伐採されてすっきりしたともいえる。伐採地の向こうには川木沢の頭とその背後に堂平山と笠山が見えていた。電波塔の脇まで来れば山頂は近い。雑木林を抜ければ展望台のある丸山(960.4)の頂上だ。昨年に比べると人出は大分少ない。ここのところの暑さもあってか、展望台脇のツツジは既に花を付けていた。一先ず消耗が激しいので、展望台下のベンチで一休みする。
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(よく見ると電柱が立っていたりする)
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(電波塔直下の伐採地)
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(堂平山と笠山が見える)
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(丸山展望台)
帰り際、展望台に上がる。水蒸気が多いせいですっきりとした眺めは得られない。南側は伊豆ヶ岳から武川岳、二子山、大持山、小持山そして武甲山が見渡せる。南側は大霧山と堂平山の眺めが得られる程度だ。山頂から北へ尾根を下り、鞍部に差し掛かった所で迂回路の看板を見つける。鞍部の下を通るトンネルが通行止めになっているための措置なのだが、この迂回路を下って車道へ下りることにする。尾根伝いのルートは小ピークを越えるのが結構大変なのだ。
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(南側の眺め)
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(大霧山)
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(堂平山)
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(ヤマザクラ)
迂回路を下っていくと丸山の駐車場に着く。昨年苦しんだ芦ヶ久保からの巻き道があった辺りだ。周囲を簡単に調べてみると昨年使った出入口以外に駐車場から巻き道を行き来する所は無いようだ。車道を西に行き、芦ヶ久保駅への山道を下る。道の両脇は杉檜が並木のようである。それほど傾斜が急な道では無いのだが、疲れた体にはこの程度の傾斜でも結構しんどい。766のピーク下に日向山への分岐がある。ここはしょっちゅう歩いているので、今日は更に下る。
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(迂回路を示す看板)
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(丸山の駐車場)
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(駐車場に咲いていた八重咲きの桜)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/3e/49/fd6623bfa6c0925b7df58d5209f0fb8b.jpg)
(杉檜の並木を下る)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/1c/0a/a5862a0a0d249378a6dc0dd90ee21695.jpg)
(雑木林も多い)
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(路傍の石仏)
尾根の末端にある小ピークを北から巻くと雑木林の低木帯を下っていく。日が当たりにくいのか、成長が遅いようだ。檜の植林に入るとジグザグ気味に下っていく。傾斜が少し緩むと再び日向山(木の子茶屋)への分岐がある。地形図に描かれている日向山への破線路はこれのことだろう。ここは歩いたことが無かったので入ってみる。緩やかに登っていき、沢地形を越えた所で道標が立つ分岐に着く。新しい道標は丸山と木の子茶屋を示しており、どうやらこの道は普段使っている日向山分岐の道に繋がっているようだ。そして傍らには古い石柱の道標もあり、「正面 本村内道 左 横瀬村ヲ経テ秩父ニ至ル」と書かれている。ああ、そうか。昨年歩いたときに見つけた道標はこれだったのか。
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(低木帯を行く)
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(植林帯に入るとヤマツツジも自生する)
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(木の子茶屋分岐)
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(緩やかな道)
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(古い道標のある分岐)
更に下っていけば車道に下り立つ。ここを左に下れば日向山集落で、木の子茶屋も近い。あとは山の花道を抜けて日向山に登ればもう顕著な登りは無い。山の花道内は藤、ツツジなどの初夏の花が盛りだ。ツツジの回廊を抜けると木段の付けられた急斜面が待ち受ける。しかし、木段を整備し直したのか、ステップが低く、歩きやすくなっていた。ここを登りきるとあとは山頂へ向かって比較的緩やかな登りだ。雑木林を進むと南側が開けた日向山(633)の頂上に着く。今年に入って設置された展望デッキは高さが1メートルあり、日向山の標高と併せて東京スカイツリーと同じ高さになっているという。
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(木の子茶屋 向かいが山の花道)
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(藤棚)
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(ツツジと武甲山)
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(ツツジの回廊)
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(大きな株のツツジの脇を通る 木段が整備されたように感じるのだが)
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(日向山頂上)
デッキに上がると二子山から武川岳、大持山、小持山そして武甲山までの眺めが良い。昨年訪れたときも良い景色だと思ったのだが、デッキが出来て、より展望が得やすくなったと感じる。そしてこの山に登るだけでも十分に楽しめるようになったといえる。山頂からは西の琴平神社へと下る。新緑美しい雑木林が続く中、朱色のヤマツツジの花がよく映える。道標が立つ所で土留めの木段が付いた急斜面を下る。う~ん、ここもきつい。木段を下りきると鹿除け網があり、ロープを解いて中に入れば、琴平神社はすぐ側だ。
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(日向山からの眺め)
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(雑木林の道を下る)
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(ヤマツツジ)
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(急な木段を下る)
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(琴平神社)
車道に下り立ち、目の前に分岐する車道を下っていく。するとカーブする所に道標が立ち、風の道ルートに入れる。昨年登りに採ったルートだが、下りだと今一つわかりにくい。民家の裏庭のような所を抜けると雑木林の中の急な下りが続く。農村公園への分岐を見送り、耕作放棄地のような荒地を過ぎると右手に沢が流れるのが見える。橋を渡り、緩く登り返せば源寿院別院の境内に着く。芦ヶ久保大観音に今日一日の旅の無事についてお礼をし、後は車道を下っていくだけだ。国道299号を渡り、道の駅あしがくぼへと寄って行く。うむ、ここも思ったより観光客が少ない。でもソフトクリームは売り切れになっていたからお昼頃はかなり混んだのだろう。一休みしてから電車に乗り込むとこちらも連休にしてはかなり空いていた。近年の芝桜の丘における混雑を考えればかなりラッキーだったといえるだろう。席に着いた途端眠りに就き、起きたときにはもう小手指駅近くであった。
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(風の道入口)
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(木漏れ日の道が美しい)
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(道標にはカワセミが乗せられている)
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(源寿院別院)
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(芦ヶ久保駅を見下ろす)
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(道の駅あしがくぼ)
DATA:
正丸駅7:16~8:01三田久保峠~9:04大都津路山~9:18ツツジ山9:27~9:36刈場坂峠~10:17七曲り峠~10:37カバ岳~10:55大野峠~11:31丸山11:51~12:48木の子茶屋~13:01日向山~13:19琴平神社~14:03道の駅あしがくぼ~芦ヶ久保駅
地形図 正丸峠
トイレ 刈場坂峠 丸山駐車場 山の花道
正丸駅からツツジ山へのルートは一般ルートレベル。牛立久保近くの867のピーク周辺は地形図・コンパスをお持ちください。
リンクはフリーですので、参照してくださる記事があれば特にご報告なく自由に張っていただければ、と思います。
ブログ拝見いたしました。私も以前は自転車(ランドナー)乗りでしたが、事故を起こして以降は怖くて乗れなくなってしまいました。時々遠乗りしてみたいと思うこともあるのですが、恐怖心を克服するにはまだ時間がかかりそうです。