時のしずく

COCCOのフォトダイアリー

今日の一花 イヌノフグリ+one

2015年02月20日 17時00分40秒 | 植物

幼いころ、野原で遊んでいて、小さな青い花をたくさん見つけると、春が来たと感じたものでした。その春を告げた野の花がオオイヌノフグリ (学名:V. persica)でした。

大人になってから、こんな可愛い花が犬のフグリ(陰嚢)なんていう名前だなんてひどいと思ってました。名付け親はどうもあの牧野富太郎博士らしい。種子がフグリの形に似ているらしいからだそうです。

ずっと、私は「オオイヌフグリ LOVE♡」でした。 

そして、最近になって、このオオイヌフグリは、明治時代に日本にやってきて、あっという間に大増殖した外来種と知りました。

そういえば、オオイヌフグリの花の色は確かに外来種の「鮮やかすぎる青」です。子供の時にこんなに小さな花なのに、目に入ったのは外来種独特の鮮やかな青だからでした。 

それでいろいろと調べてみたら、オオイヌフグリが増えて、在来種のイヌノフグリ(学名:V. polita ssp. lilacina)がたいへん少なくなっているそうなのです。(古い時代に帰化した外来種とも考えられている。)環境省のレッドデータブックでもイヌノフグリは絶滅危惧II類に指定されていました。

イヌノフグリって、どんな花と思って情報をさらに集めていたら、先日会うことができました!とーっても小さい花です。直径が3mm程度しかありません。百円玉と比べた写真を見て、野の花の友人は「百円玉が百万円玉に見える。」なんて言ってました。

実はイヌノフグリと会った日に、ミスミソウやセツブンソウ、フクジュソウなどスプリングエフェメラル(春の妖精)と呼ばれる貴重な花にも会えたのですが、それより、ずっと、ず~と嬉しかったです。

ミスミソウやセツブンソウは他の人たちも写真を撮っている人がたくさんいましたが、 イヌノフグリの周りにはだれもいませんでした。ごくごく小さい花がまだ1輪しか咲いていなかったのですから、仕方なかったのかもしれません。それにイヌノフグリの花の時期としても早すぎではあったのです。

それにしても、知る人ぞ、知る花・・・山野草好きのマニアな心を揺さぶります。

めちゃくちゃ、可愛い ♡ この米粒のようなイヌノフグリ ♡ ♡ ♡ ♡ ♡

大人になって知った小さな小さな春の花です。

●これが百万円玉だ!


 

【データ:イヌノフグリ】

 

イヌノフグリ(犬の陰嚢、学名Veronica polita var. lilacina)は、オオバコ科[3]クワガタソウ属越年草

 

和名の由来は、果実の形状が雄犬の「フグリ」、つまり陰嚢に似ていることから、牧野富太郎が命名した[4]。(果実が二個の球をつけたような形で,犬の睾丸(陰嚢)似ていることから,古人からイヌノフグリ-犬陰嚢-と名づけられていた。)

 

は立つか、少しねる[5]は卵円形[6][7]。3月から5月にかけて、淡いピンク色をした3~5mmのをつける。花弁には紅紫色のスジが入る。

 

東アジアに広く分布し、日本では本州以南に見られる在来種(古い時代に渡来した帰化植物である可能性あり)であり、かつては路傍畦道などで普通に見られた雑草であった。

 

しかし、近年は近縁種の帰化植物であるオオイヌノフグリにその生育地を奪われたほか、育成地自体も人間の開発行為によって減少しているために数を大幅に減らしている。

 

環境省レッドデータブックでは絶滅危惧II類 (VU) に指定されている。

 

●イヌノフグリの種子には、エライオソームというアリが好む物質(付属物)があり、アリ散布として知られている。

 

●高浜虚子はこんな歌を詠んでいる。

 

 「いぬふぐり 星のまたたく 如くなり」     

 



<おまけ>フラサバソウ

イヌノフグリの仲間にはオオイヌフグリ以外にも、フラサバソウ(Veronica hederifolia)やタチイヌノフグリ(V. arvensis)などがあるそうです。

イヌノフグリを撮った帰り道、野川の沿道でフラサバソウにも出会えました。これはイヌノフグリよりさらに小さな花です。この花は3年ぐらい前から見つけていましたが、名前が分かりませんでした。

フラサバソウもオオイヌフグリと同じく、明治時代に日本に来た帰化植物ですが、これもあまり出会えない花なので、見つけると嬉し~い花です。

ヨーロッパ原産で日本で最初に帰化したのを見つけた二人のフランス人植物学者の名前にちなんで、植物学者・奥山春季が和名をフラサバソウと命名したそうです。この二人のフランス人植物学者は アドリアン・ルネ・フランシェ( Adrien René Franchet、1834年4月21日 -1900年4月15日) と ポール・アメデ・ルドヴィク・サバティエ(Paul Amédée Ludovic Savatier, 1830年10月19日 – 1891年8月27日)。フランシェさんとサバティエさんから名前をもらったハイカラさん♪です。イヌノフグリさんとはえらい違いですね。


ふふふ・・・昨年、一昨年はスプリングエフェメラルにはまってましたが、今年は イヌノフグリの仲間達の『小さな花の世界』にはまりそうです。