空気が、ぬるんできた。
とくに、夜の気温が上がってきた。
数日前までは、冬の気団が、強かったのだが。
少し部屋の整理をして、ブックオフまで持っていった。
カミュの異邦人、薄いがすごい作品だ。
などなどもう読まない、思い出の品々を片付ける。
もうすぐ4月、再び仕事だ。おそらく。
だんだん、仕事の準備をしたくなくなる。
部屋の片付けをせねば。
などなど。
この1年間、ぼちぼち過ごした。
やはり、仕事をしないといけないが、歳をとると、神経の集中力が続かないようになる。
また、人と会うと、神経が消耗する。
ので、片付けを愉しむことにしよう。
この1年間は、しかし、激動の時代だった。
コロナ、円安、戦争。
現在、多くの職場では、週5日制であろう。
私も、週5日制を途中から経験してきたが、
はじめの頃は、1日はなにもすることがなくて、楽しんでいた。
しかし、段々忙しくなって、結構休日出勤するようになった。
その結果、休日は、引きこもって気分転換することもできずになった。
しかし、やはり気分転換は、必要だ。
今年度、仕事を休んで、きままに過ごした。
お金は減ったが、少し人間性を取り戻した。
最初の2ヶ月間は、ひたすら寝ていたが。
コロナというのは、ある意味、時代を先取りしている。
アベノミクス末期、世は外出最盛期で、旅行、温泉、スポーツ観戦、ゴルフ、エステ、フィットネス、外食など、引きこもりには辛い時代、
まるでバブルのような時代であった。
しかし、バブル以降の低成長、あるいは実質ゼロ成長のなかで、よく考えると、そんな段ではなかったのではないか。
さて、そんな事を思い出しながら、フランツカフカの、小説を少し読んでいた。
温泉行きたいななどと思いながら。
人はなぜ温泉に行くのか。
昔は、職場でよく行ったが、これは、半分疲労するため、除外。
気分転換、と、明日への気力。
ということで、調べてみたが、旅館は結構満室。
考える事はみな同じらしい。
しかたないから、家で、風呂に入ろう。
白濁の入浴剤入れて。
ところで、カフカの審判だが、正体不明の裁判所と罪をしらないKのはてしない問答。
人は生きていると、いつの間にか逮捕されていて、どうしようもなくなる、と言うときがある。
つまり、周囲と権力から追い詰められ、どうしようもなくなる。
まわりはあてにならないどころか、自分を追い詰めてくる。
そんなことが、あった。
まるで、ユダヤ人のゲシュタポ状態だ。
アンネフランクは、そういう隣人にやられた。
匿名のスパイ、よごれた住人。
よく考えると、今でも、その構造はかわらない。
アンネ・フランクの小さな幸せを壊したのは、
普通の大人だ。
わずかなお金が欲しかったのか。
彼もまた不安だった。
しかし、普通の市民が、ある日、人を売る。
密告者は、ゲシュタポから、お金を受け取っている。
小市民は、決して許されないことをしてしまった。
ひと昔前、ニューファミリーという言葉が流行した。
共稼ぎ夫婦と子供ふたり、ミニバンで、旅行とかに行く。
マイホーム、子供は、大学あるいは大学院まで。
現在、標準世帯、という幻想は、このニューファミリーの幻想を背負っている。
久保田早紀の異邦人ではないが、子供たちが、空に向かい両手を広げ、鳥や雲や夢までもつかもうとしている、というのを、大人たちがしているようだ。
大学入試、あるいは高校入試の季節だ。
なぜ、大学まで行くのだろう、
けれども、大学進学率は、上がり続けている。
しかし、私立文系に行く意味はあるのか。
外国語が得意な人には、意味があるのかもしれない。
しかし、確かに、公務員とかも、大卒のほうが、枠が大きいようだ。
日本の場合、若い時にしか、広く深く学ぶことができないから、そういう意味では、やはり、
大学は必要かもしれない。
しかし、授業料や、教科書代、生活費など、やはりお金が必要だ。
とくに、コロナや円安不況の現在、アルバイトも難しい今、相当財政力のある家庭しか、無理ではないか。
結局、奨学金制度にたよるしかないが、コロナ下では、オンライン授業のために、パソコン、
及びWiFi、スマホ代がかかってしまう。
サークル代もかかる。
思うに、日本の授業料は、高すぎではないか。
そういう自分は、大学院中退、しかも修士課程中退だ。
じつは、お金があったら、大学院に行きたいなどと考えている。
ある種、夢だ。
この夢があったから、ここまでこれたのかもしれない。
ニューファミリーには無縁であったが。
ここからは、後日談。
いろいろ人と話してみて、やはり教養は、必要だと感じた。
たしかに、東京の私大は、お金はかかるが、ともかく大学は、必要だと思った。
というのも、何にしても、教養のある人と話すほうが、話がわかりやすい。
首相は、理系、農学部への優先的奨学金を検討していると、前に言っていたが、地方の国立大学は、理系人口のほうが、圧倒的に多いのだし、東京をしか、見ていないと思う。
ただ、地方の大学は、文系については、科目があまりに貧弱で、学べないと感じる。