戸田智弘のブログ

ライター&キャリアカウンセラー

49「コスタリカの漁師とアメリカ人旅行者」(第10章)の補遺

2018年01月18日 | 『ものの見方が変わる 座右の寓話』

●類話として「椰子の木とアメリカ人旅行者」という話が有名である。たぶん、「椰子の木とアメリカ人旅行者」をもとに「コスタリカの漁師とアメリカ人旅行者」が作られたのではないか。

「椰子の木とアメリカ人旅行者」

 南の国を旅行で訪れたアメリカ人が、椰子の木の下で昼寝をしている男をつかまえて説教を始めた。
「怠けていないで、もっと働いてもっと金を稼いだらどうだ」
男はジロリと見あげて言う。
「金を稼いでどうするんだ」
「もっと広くて立派な家に住める」
「俺はこの家で十分だ」
「じゃあ、稼いだお金で株にでも投資して増やせば、大金が手に入る」
「大金が入ったらどうする?」
「別荘でも買ったらどうだ」
「別荘を持ってどうするんだ?」
「庭の椰子の下で昼寝でもするよ」
「俺はもう椰子の下で昼寝をしているよ」

●アッパー系の食品とダウナー系の食品

 食品にはアッパー系の食品とダウナー系の食品の二種類がある。アッパー系とは脂や糖や塩なんかが多い高カロリーの食品である。ハンバーガーやフライドポテト、フライドチキン、豚骨ラーメン、ケーキ、クッキー、ポテトチップスなどがこれに該当する。アッパー系の食品は、脂、糖、塩の三要素から成り立っており、舌に乗せたときに一瞬で味がわかるような濃い味つけになっている。じっくりと味わう必要もなく、すぐ飲みこめてしまう。人間は噛むことで脳に「食べた」記憶を植え付けるため、胃は満足できても脳は満足しない。また、アッパー系の味は脳が興奮して、食べれば食べるほど、もっと欲しくなるという特徴があり、お腹がいっぱいになっても食べることを抑えられない。
 一方のダウナー系とは、素材そのものの旨味が引き出された薄味の料理である。昆布やかつお節、煮干し、干しシイタケ、野菜、貝類などを素材に作られた筑前煮やあさりの酒蒸し、お吸い物、みそ汁などがその典型である。こういう食品を口にすると、脳の興奮が抑えられ、深い充実感が得られ、自然に食べ過ぎを抑えることができる利点がある。
 脂や糖、塩にまみれたアッパー系を美味しいと感じる味覚から、うまみを効かせたダウナー系をおいしいと感じる味覚へ変えるのがコツ。充足感を得ながら食べ過ぎを防げるはずなのです。

コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 48「倒れるまで」(第10章)... | トップ | 53「半分の煎餅」(第11章)... »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

『ものの見方が変わる 座右の寓話』」カテゴリの最新記事