gooブログはじめました!

写真付きで日記や趣味を書くならgooブログ

フロリダ半島日記ーさまようアメリカ人

2012-08-31 09:34:07 | 日記
昨日は友人がテキサス州へ引っ越していきました。この家族の夫君に関しては以前一度書いたことがありました。夫君はMr.Nといって、ブラジル系アメリカ人で夫人は日系ブラジル人です。
三人の子供がいます。Mr.Nは大手航空会社で働いています。海外に行くことが多くて、フロリダの家には最近帰れないような忙しさでした。夫人や子供は実にさびしい思いをしていました。そこでついに会社の本社があるテキサスに移住していったのです。彼は柔道の黒帯を持っています。3段だと思っていたら、“5段になったのを知らなかったのですか”と言う。非常に日本びいきで、以前、日本から数人の柔道家たちをオーランドの道場に招待したことがありました。私もその親善試合のようなものに招かれました。試合後、Mr.Mが我が家へ3人の日本人柔道家たちを連れてきたのです。
すき焼をご馳走しました。またMr.Mの夫人の両親がブラジルからやってきたこともありました。その時も確かすき焼鍋をを囲んだことを覚えています。夫人の母親は日系2世のブラジル人で日本語も覚えていて、親達から作り方を学んだという巻き寿司を持参してくれました。
このMr.Mの家庭とは様々な懐かしい思い出があり別れはつらいものでした。大きなレンタルのトラックに家財を積み込んだ傍で、Mr.Mは、“I miss you!”と言いました。Missとは“別れを惜しむ、さびしく思う”という英語です。夫人も、“又、何度でも行き来しますから。。”という。といってもテキサスまで3日ほどドライブしなければなりません。おりしもハリケーン“アイザック”が途中のルイジアナ州を襲撃するというニュースです。そこでMr.Mがトラックを運転していき、夫人と子供たちは空路ということになりました。それにしても少なくないブラジル人やメキシコ人などの中南米の友達が、フロリダを離れてテキサス州に移住していきました。中南米などからフロリダに移民してくる若い人々は、フロリダはいわば“成功”への中継地のような感じです。
ニューヨークなどから退職後に移住してくる老境の人々とは違った目的があるようです。つまり彼らの望みはアメリカに渡って“アメリカン。ドリーム”を実現することのようです。その目的のためにはアメリカの如何なるところにも移住していくのです。これは実はアメリカ人たち自身が持つ伝統的体質なのです。多くのアメリカ人の数代先の先祖もまた移民たちだからです。彼らも“アメリカン。ドリーム”を実現するためにアイルランドやスコットランドや東欧から大西洋を長い船旅で移民してきたのです。そしてカリフォルニアに“金が出た”。“石油が出た”と聞けばなりふりかまわず移住していったのです。“アメリカン。ドリーム”を実現するためです。世界一の引越し屋たちです。このような伝統はすでに初期のアメリカにも見られたようです。1831年に2人のフランス人貴族がアメリカに視察に来ました。その一人が有名なトクヴィルです。トクヴィルの親族の多くはフランス革命のギロチンの犠牲になっていました。その後のナポレオンの時代などを経ていくのですが暗雲立ち込めるフランスでした。そこで民主主義のお手本のような快進撃を続けている若い国アメリカに学ぼうとやってきたのです。その時見たアメリカとは、“アメリカ人は老後を過ごす家を建て、屋根を葺く(ふく)前に売ってしまう。。。新しい仕事に就いたと思ったら辞め、一所に落ち着いたと思ったら又引越しと、すぐ気が変わる。。。もし忙しく働いた一年が終わり、休みが取れようものなら、好奇心にかられ広大な合衆国の旅行に出かける。そして休暇と称しながら、数日のうちに500マイル(約800キロ)も制覇する”と驚きながら感想を書いているのです。この180年も前にトクヴィルが見たアメリカ人は現在も同じなのです。