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受動喫煙をなくす進言、提言、提案、要請作戦進行中…

🚭「がん対策推進基本計画(案)」への意見⇒ タバコ対策は、喫煙率ゼロ、受動喫煙ゼロを目標とすべきです

2023-01-30 00:17:41 | タバコフリー社会に向けての報道やネット情報
に以下の意見・提案を送りました。

1.「がん対策推進基本計画」(2018年)及び「健康日本21計画(第二次)」(2012年)では、喫煙に関わる数値目標として、以下が盛り込まれています。

(1)成人の喫煙率の低下(喫煙をやめたい人がやめる) 19.5%(2010年)→12% 目標(2023年)

(2)未成年者の喫煙をなくす
 中学1年生 男子 1.6% 女子 0.9% 高校3年生 男子 8.6% 女子 3.8%(2010年) →0% 目標(2023年)

(3)妊娠中の喫煙をなくす  5.0%(2010年)→0% 目標(2023年)

(4)受動喫煙(行政機関・医療機関・職場・家庭・飲食店)の割合の低下(受動喫煙の機会を有する者の減少)
 (行政機関2008年17%、医療機関2008年13%、職場2011年64%、家庭2010年11%、飲食店2010年50%)
 →行政機関 0% 医療機関 0% 目標(望まない受動喫煙がない 2023年)
  職場 受動喫煙の無い職場の実現 目標(望まない受動喫煙がない 2023年)
  家庭 3% 飲食店 15% 目標(望まない受動喫煙がない 2023年)

2.これらの数値目標は、これまでにそれなりに改善は見られてはいるものの、目標実現に至るには及んでおらず、2024年度から開始予定の「次期国民健康づくり運動プラン」の中で数値目標なりが決められる予定のようですが、
しかしこれまでのタバコに関する数値目標策定においては、その目標実現への方策・施策・具体策の明示の殆どないままに数値目標が定められことが数値目標達成に至らなかった要因の一つのように思われ、指摘もされているところです。

3.ですので、
(a)上記1項の(1)成人(20歳以上)の喫煙率(加熱式タバコを含む)の低下については、《喫煙をやめたい人がやめる》とするよりも、タバコに起因する疾病・死亡、介護費、医療費などのデータから、例えば5~10年でそれらをどこまで減らすかの目標を設定し、それを基に減らすべき喫煙率をシュミレーションにより試算することが出来るのではないでしょうか。
参考例:喫煙をなくせば、英国のがん格差は半減する可能性 https://notobacco.jp/pslaw/cancerit230127.html

(a-2)喫煙率を減らす施策として、禁煙場所の拡大(受動喫煙の規制強化)、禁煙治療の保険適用の要件緩和や歯周病など歯科領域にも広げる、タバコ税の税率上げ、パッケージの警告表示(警告画像入りやプレーンパッケージ化を含む)、メンソールやフレーバーなどの添加物禁止・規制、タバコの広告宣伝拡販規制、喫煙禁止年齢の引き上げ、コンビニなどでのタバコ販売はパッケージの店頭出しを禁止する法制化、など密接に関係するので、それらの施策実現性を国レベルで協議検討して、シュミレーションに加えて算出のトライをしてみてはどうでしょうか。

(b)(2)未成年者(20歳未満者)の喫煙をなくす、については、タバコの自販機規制、禁煙治療外来での受診可の他、ニュージーランで法制化された「2010年出生以降の世代の喫煙禁止」を日本でも制定するのは有効と思われます(デンマークやマレーシアなどでも法制化の動きがあり、今後各国に広まることかも)。

(c)(3)妊娠中の喫煙をなくす、については、実態は妊婦喫煙は減っていないとの報告も少なくないようです。国の調査でも約2%の妊婦が喫煙し、育児期間中の母の喫煙 5.3% 父の喫煙 31.4%とのことなので、先ずもって同居父や家族の喫煙規制への踏み込みが必要なような(兵庫県、北海道美唄市などでは、妊婦禁煙や同室での喫煙禁止の受動喫煙防止条例を定めており、国レベルでも望まれます。台湾では妊婦の喫煙が禁止されています)。参考:令和3年度母子保健事業の実施状況等について https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_30143.html

(d)(4)受動喫煙(行政機関・医療機関・職場・家庭・飲食店)の割合の低下(受動喫煙の機会を有する者の減少)については、2020年の健康増進法の施行後、受動喫煙は減ってきてはいるものの、2021年度調査で、第二種施設の屋内全面禁煙は71.6%、喫煙専用室設置は9.2%とのことで、屋外や公園・路上、また家庭内などでも受動喫煙ゼロはまだまだ程遠い現実があります。
※「受動喫煙ゼロ」を前面に出しての施策、数値目標が望まれるし、健康増進法の規定強化が望まれます。
参考:厚労省:2021年度「喫煙環境に関する実態調査」の調査結果(概要)を公表します https://www.mhlw.go.jp/content/10900000/001043203.pdf

4.都道府県では、平均寿命、健康寿命と喫煙率の間にはかなりの関連があると指摘され、報道もされています。本基本計画は都道府県でも策定されるとのことで、これらのデータも提供いただき、各都道府県でタバコ対策に取り組んでいただきたいし、各地で受動喫煙防止条例の制定も期待しています。(特に健康増進法には義務化されていない、禁煙飲食店に「禁煙」掲示の義務付けや禁煙でない飲食店などで従業員を受動喫煙から守る規定を盛り込む。また禁煙治療の保険での受診者数の数値目標の設定など。)

参考資料:年齢調整喫煙率の平均年低下率が相対的に大きい都道府県では、男女ともに全死亡、悪性新生物、脳血管疾患の年齢調整死亡率の平均年低下率が相対的に大きい有意な正の相関関係が確認され、喫煙の減少とそれらの死亡の減少に関連の可能性があることが明らかになった。(都道府県別喫煙率の経年変化と死因別死亡率の経年変化との関係、逸見治、保健医療科学2022、Vol.71 p.175-183 https://www.niph.go.jp/journal/data/71-2/202271020008.pdf

5.以下の資料活用などもよろしくお願いします。
「禁煙、節酒、運動… 国立施設、健康寿命延ばす提言公表」
https://digital.asahi.com/articles/ASP2L4GHXP2KULZU02V.html
https://www.ncc.go.jp/jp/information/pr_release/2021/0219/index.html
でも、高度専門医療を担う六つの国立の施設が、第一優先として「●たばこは吸わない。●他人のたばこの煙を避ける。」を提言しているところです。


以下補足します。
6.タバコの消費を減らすことにより、がんをはじめとした喫煙関連疾患による超過死亡と超過医療費、経済的損失等を将来的に確実に減少させることができます。
 喫煙率は数十年来減少の一途をたどってきています。「喫煙をやめたい者がやめる」を基に数値目標を設定するのではなく、国民の健康志向を高めタバコの危害を十分に周知することにより、禁煙したい喫煙者を増やしていくことが可能なことから、両者を合わせて、「全ての喫煙者がやめる喫煙率ゼロ」を目標とし、タバコの危害のない日本をめざす、べきと考えます。
 
(a-2)に記載した諸施策を総動員し、禁煙治療の要件を緩和する、2025年頃に見直しが予定されている健康増進法で受動喫煙防止をより徹底させるなど、タバコ対策に注力すれば、喫煙率の0%目標は決して夢物語ではないかと思います

7.「望まない受動喫煙の機会を有する者の減少」目標については、そもそも「望まない」という表現は、基本的に、正しくない、間違った表現です。受動喫煙の危害は、受けている人全てが被っています。「望む」人は誰もいないし、たとえご本人が構わない・意識しないとしても、乳幼児・胎児・子どもなど意思表示が出来ない人も含めて皆が害を受けているので、「受動喫煙ゼロ」を目標とすべきで、目標値として、「受動喫煙のない社会の実現、受動喫煙0%」とされるべきと考えます。(20歳未満の喫煙をなくす、妊娠中の喫煙をなくす、と同様に)

FCTC 第8条の実施のためのガイドライン「たばこ煙にさらされることからの保護」 https://www.mhlw.go.jp/topics/tobacco/dl/fctc8_guideline.pdf には以下などが明記されており、
受動喫煙に起因するがんを無くするためにも、このガイドラインに沿った実効的な受動喫煙ゼロ目標の施策が必須です。
「たばこ煙にさらされることから全ての人が保護されるべきである。屋内の職場および屋内の公共の場はすべて禁煙とすべきである。」 
「屋外または半屋外の公共の場においても保護対策を講じることを義務付けている。」 
「たばこ煙にさらされることから保護するための効果的な対策としては、100%の無煙環境を作り出すため、特定の空間または環境から喫煙とたばこ煙を完全に排除しなければならない。たばこ煙にさらされることについては安全なレベルというものはなく、…100%の無煙環境以外のアプローチには効果がないことが繰り返し示されている。技術工学的アプローチではたばこ煙にさらされることから保護できない」 
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パブコメの結果が公表され、基本計画が確定されました(2023/3/29)