今度はプレイの女優部門。
まずは主演女優賞から。
Laurie Metcalf 「The Other Place」
Amy Morton 「Who's Afraid of Virginia Woolf?」
Kristine Nielsen 「Vanya and Sonia and Masha and Spike」
Holland Taylor 「Ann」
Cicely Tyson 「The Trip to Boutiful」
これはまた選ぶのが難しい!
「Vanya~」からはシガニー・ウィーバーは選出されなかったのですね。意味深。
参考までにこちらの賞も。
[Drama Desk Award Outstanding Actress in a Play]
Maria Dizzia 「Belleville」
Amy Morton 「Who's Afraid of Virginia Woolf?」
Julia Murney 「Falling」
Vanessa Redgrave 「The Revisionist」
Miriam Silverman 「Finks」
Cicely Tyson 「The Trip to Bountiful」
こちらはオフ作品ばかりです。
Maria Dizzia はテレビでの活躍が目立ちますが
「In the Next Room」でトニーにノミネートされてます。
今回は心に病気を抱えた病的な若妻を演じてました。迫真だったなあ。
Julia Murney は「Lennon」でブロードウェイデビューしてますが
アンダーやナショナルツアーで沢山の作品に参加する経験抱負な女優です。
今回は自閉症の息子を抱える健気な母親を好演してました。この作品は泣きました。
Vanessa Redgrave は世界的な大女優です。
オスカー、カンヌ、エミー、ゴールデングローブ賞などを獲得していて
さらに舞台でもトニー賞、ローレンスオリヴィエ賞を獲得してます。
今回はオフでSoldOutした3人芝居に出演してました。
何度もキャンセル待ちに行ったのに観れなかった・・・
どうやら来期オンブロードウェイで再演されるそうです。期待ですね。
Miriam Silverman はまだあまり目立ったキャリアのない女優さんです。
この作品も見逃してるから何とも言えない。う~ん・・・悔しい。
お次は結果が出ている賞です。
[Outer Critics Circle Award Outstanding Actress in a Play]
Tracee Chimo 「Bad Jews」
Amy Morton 「Who's Afraid of Virginia Woolf?」
Vanessa Redgrave 「The Revisionist」
Joely Richardson 「Ivanov」
Cicely Tyson 「The Trip to Bountiful」
こっちもオフ作品が健闘してます。
Tracee Chimo はオフブロードウェイで活躍する女優。
オビー賞やDrama Desk Award を獲得してますがこの作品も見逃してる・・・
Joely Richardson はテレビや映画で活躍する女優。
舞台経験はあまりないようです。これも見逃した。
ノミネート作品を見逃してると悲しくなりますね。
選んでみてるはずなのにああ審美眼が欲しい。
さて結果は・・・
Cicely Tyson 「The Trip to Bountiful」
まあ。わかる。確かに凄かった。
こうして眺めると Amy Morton と Cicely Tyson がどの賞にもノミネートされてました。
今年の評価の高さが伺えますね。
さて紹介に移ります。
Laurie Metcalf 「The Other Place」
この方もシカゴの Steppenwolf Theatre Company 出身。
映画にテレビに舞台にとかなり活躍しています。
エミー賞を3回獲得、トニー賞に二度のノミネートされています。
舞台では「Brighton Beach Memories」「November」などが代表作。
今回は記憶を喪失した科学者を演じていました。
この作品は本当に面白かった。
2年前にオフであいて翌年に期間限定でオンで上演された作品。
自殺で失くした娘が生きていると思い込む心と記憶が壊れた女性を
ほぼ1人芝居に近いかたちで演じていました。
90分あっと言う間。ほぼ喋りっぱなし。
人間の危うさがとても上手く描けていた。
あの密度のある空気感は本当に感心した。
なんとも深い作品で仕上がりも良かった。
もっと評価されて欲しかったんですが前年の
オビー賞やDrama Desk賞などでかなり受賞したため
今年は対象外になっていた賞も多かったようです。
個人的にはかなり好きな作品だったので三度目の正直でぜひとって欲しいなあ。
Amy Morton 「Who's Afraid of Virginia Woolf?」
彼女もシカゴの Steppenwolf Theatre Company 出身。
もう素晴らしい俳優は本当にここ出身の方が多い。
テレビでも活躍している女優ですが自ら演出をするなど多彩です。
舞台では「August: Osage County」でトニー賞にノミネートされています。
今回はさえない大学教授と結婚した学長を父親に持つ姉さん女房を演じてます。
とにかく口が悪くて酒癖も悪い、若い教授を誘惑して一線を越えてしまうし
もうわけのわからないキャラクターですが
最後には彼女の脆さと二人の絆が見えて来ます。
今期かなり評価されているのもうなずけます。
とにかく台詞が軽妙で突き刺さる。
一つ一つのしぐさで相手をいらいらさせて揚げ足をとっていく。
本当に面白かった。これだけ喋るのは本当に大変だろうなあ。
今年の流れから考えると彼女の受賞はかなり現実的かもしれません。
Kristine Nielsen 「Vanya and Sonia and Masha and Spike」
キャリアの長い舞台女優とイメージ。最近ではウディ・アレン映画などにも出演してます。
オビー賞などを獲得してますがトニーのノミネートは今回が初めて。
共演者のシガニー・ウィーバーを押さえてのノミネート。
本人もかなりびっくりしたと記事に答えてました。
「Bloody Bloody Andrew Jackson」「To Be Or Not To Be」
「A Streetcar Named Desire」などが代表作。
今回は鬱病で引き蘢ってるおばちゃん役。
絵に書いたようなおばちゃんなんだけど傷つきやすくて繊細で
なんだかとても魅力的なキャラクターでした。
大女優の姉にいつもないがしろにされて可哀相な境遇なんですが
あることをきっかけに立場が逆になったりしてまた滑稽なんです。
そして最後には長ーい電話のシーンがあるんですが
そこがかなりの見せ場。
電話の向うの生まれて初めて自分に興味を持ってくれた男性に
面白可笑しく気恥ずかしくはなしかけます。
このシーンは本当に上手かった。
最後になんだかほろっとしちゃうほど。
彼女が評価されてなんだか嬉しいです。
あのパフォーマンスだったら受賞の可能性もあると思います。
Holland Taylor 「Ann」
テレビや映画で長きに渡り活躍する女優です。
エミー賞の受賞もあり舞台でも
「Breakfast with Les and Bess」「Vagina Monologues」など
かなり精力的に活躍してます。
今回はテキサス州の元女性知事アン・リチャーズを演じています。
2幕ものの作品をたった一人で最初から最後まで演じきります。
いやあ凄い。現在70歳。
人間ってこんなことができるんですね。
もうとにかく最初っから最後まで笑いっぱなし。
政治的な風刺の沢山こもった台詞から下世話なはなしまで
とにかくひたすら喋って客席を沸かせます。
しかもこの作品彼女自身が書き上げたそうです。
初めて書いた脚本がブロードウェイで上演されるなんて凄い。
当然年を感じさせないパワフルさ。
いやあ本当に感服しました。
ただ作品自体の評価がそこまで高くないんです。
いや本当に面白かったんですけどね。
なんというか演劇的な作品ではないというか漫談みたいなもんなんで
ちょっと評価が低かったのかな。
でもこんなに素晴らしいパフォーマンスが観れるとは思わなかった。
受賞は難しいのかなあ。でもあげたくなっちゃう。
Cicely Tyson 「The Trip to Boutiful」
3つのエミー賞を獲得してアカデミー賞にもノミネートされている大女優です。
しかもあのマイルス・デイビスの奥さんです。
元は舞台からキャリアを始めてテレビや映画で大活躍しています。
今回は30年ぶりのブロードウェイ復帰作のようです。
この方もご高齢。79歳。
信じられないです。1幕2幕全編ほぼ出っぱなし。
しかも途中で歌って踊ります。
もうなんですかね。
人生の終盤を迎えた一つの命がキラキラと輝くさまは
本当に感動しました。
円熟味というよりそこにあるという感じ。
もうそのものな感じがして心を打たれました。
息子夫婦と住んでいてどこにも居場所がない年金生活者が
最後に一目故郷をみたいとこっそり家出をするんですが
最後の望みだった故郷さえもうなくなってしまう。
どこにも居場所がなくなって結局息子夫婦の元に戻って行く。
廃墟と化した生家に後ろ髪を引かれる姿はなんとも涙を誘います。
作品全体でみればちょっともったいないところもありましたが
彼女のパフォーマンスでもう全て帳消しという感じ。
素晴らしかった。確か高評価もうなずける。
有力候補ですねえ。
こうしてみるとなんとも選ぶのが難しい。
どの女優も素晴らしかった。本当に甲乙付けがたい。
でも選ぶんことになるわけです。
希望は色々ありますが・・・
今年の流れで行けば
Amy Morton 「Who's Afraid of Virginia Woolf?」
なのかな。う~んでも絞れないなあ。本当に。
さてお次は助演女湯賞。
まずは今年のノミネート。
Carrie Coon 「Who's Afraid of Virginia Woolf?」
Shalita Grant 「Vanya and Sonia and Masha and Spike」
Judith Ivey 「The Heiress」
Judith Light 「The Assembled Parties」
Condola Rashad 「The Trip to Bountiful」
個人的にはなんだかバランスの悪いノミネーション。
番狂わせがあるのかな。
別の賞もちらみしてみます。
[Drama Desk Award Outstanding Featured Actress in a Play]
Tasha Lawrence 「The Whale」
Judith Light 「The Assembled Parties」
Kellie Overbey 「Sleeping Rough」
Maryann Plunkett 「Sorry」
Condola Rashad 「The Trip to Bountiful」
Laila Robins 「Sorry」
オフから4人もノミネートされてます。
しかも「Sorry」は二人。健闘してます。
Tasha Lawrence テレビやオフブロードウェイを中心に活躍してます。
作品を観れてないと何とも言えませんね。
Kellie Overbey テレビや舞台で活躍してます。
こちらも観てない!悔しい。
Maryann Plunkett は「Me and My Girl」でトニーの主演女優賞を獲得してます。
今回は痴呆の父親を持つ姉妹の姉を演じています。
この作品、評価されてるんだけどあまり記憶に残ってない。
まだ英語力が乏しい時期でしたからね。
Laila Robins テレビや舞台と幅広活躍しています。
先ほどの姉と同居すしている友人だったかな?を演じていました。
最近違う芝居で観たんですがその時は魅力的な人妻を演じていてよかった。
Judith Light と Condola Rashad はノミネートされてますね。
結果がでているこちらはどうでしょうか。
[Outer Critics Circle Award Outstanding Featured Actress in a Play]
Cady Huffman 「The Nance」
Judith Ivey 「The Heiress」
Judith Light 「The Assembled Parties」
Kristine Nielsen 「Vanya and Sonia and Masha and Spike」
Vanessa Williams 「The Trip to Bountiful」
トニーでは主演にノミネートされていた Kristine Nielsen がノミネートされてます。
本当にカテゴリーわけが難しいんですね。
Cady Huffman 「Producers」でトニーの助演女優賞を獲得してます。
「The Will Rogers Follies」なども代表作です。最近は映画やテレビで活躍してます。
今回はバーレスクの名物ダンサーとして出演してます。
Vanessa Williams グラミー、エミー賞を獲得していてトニーにもノミネートされてます。
今回は主人公のおばあちゃんをいびりまくるお嫁さん役。これは本当にはまってた。
なんだかこっちのノミネートの方がしっくりきます。
さて結果は・・・
Kristine Nielsen 「Vanya and Sonia and Masha and Spike」
この並びなら納得です。選ばれるカテゴリーって大事です。本当に。
では紹介に移ります。
Carrie Coon 「Who's Afraid of Virginia Woolf?」
ブロードウェイデビューでトニーにノミネートです。
なかなか凄いですね。
まだまだこれからどんどん活躍して行くんだと思います。
将来有望な生物学者のお酒に弱い若妻を演じてました。
本当に酔っぱらってぐでぐでになっていく様は面白かった。
これだけのキャストに囲まれてしっかり存在感を発揮していたのが
ノミネートに繋がったんでしょうか。
彼女が助演にノミネートするほど作品の評価が高かったということがわかります。
ただまだ受賞とまではいかないんじゃないですかね。
Shalita Grant 「Vanya and Sonia and Masha and Spike」
彼女も今回がブロードウェイデビュー。
オフでは何本か出演してますがまだまだキャリアが浅い方です。
今回は黒魔術?的な何かを信仰して未来が見えるぶっとんだ家政婦を演じてます。
彼女の演技もさることながらこのキャラクター自体が本当に
よく書かれていて面白かった。
祈祷するシーンは本当に爆笑ものでした。
彼女も本当に錚々たる俳優に囲まれながらかなりの存在感を見せつけてました。
本当に面白かった。
でもやっぱりまだ早いんじゃないかなあ。
そんな気がします。
Judith Ivey 「The Heiress」
「Steaming」と「 Hurlyburly」で既に助演女優賞を2つ獲得してます。
テレビや映画でも活躍していて脇役には欠かせない女優です。
今回は引き蘢りの主人公のおせっかいな伯母を演じています。
主人公のことを思ってはいるんだけどとんちんかんな世話の焼き方で
余計状況を悪化させてしまう役どころです。
結局姪の不幸を見守ることしかできず傷つけてしまいます。
上品なちょっと抜けてるキャラクターがとても似合ってました。
作品もまあ不可なくまとまった感じで悪くはなかったんですが
これといって魅力的な要素が少なかったイメージですね。
主演のジェシカ・チャスティンが思いの外好演だったことが印象的です。
まあそんなこんなで今回は受賞まではいかないんじゃないかと思ってます。
Judith Light 「The Assembled Parties」
テレビドラマの「アグリー・ベティー」で有名な女優です。
それよりも前にシットコムでエミー賞を獲得してます。
最近は舞台に活動の場を移し
なんとここ3年毎年トニー賞にノミネートされています。
しかも去年は助演女優賞を獲得。
2年連続の獲得なるかというところです。
今回は豪華なアパートメントを相続した弟の姉で
弟が他界したあとも義理の妹と親しくしているおばちゃんを演じてます。
さばさばとしたキャラクターがとても合っていて面白かった。
普段ははっきり物を言うしじめじめしないんだけど
妹のことを考えたり家を出てしまった娘の話になると
ふっと寂しそうな空気が出て来る。
人生の終わりが見えて来て明るく振る舞っていても
どこかちょっと哀愁が帯びて来る。
いい風合いでした。なんか。塩梅がちょうどよかった。
笑わせてくれてしんみりさせてくれる。
さすがだなあという感じです。
役のウェイトや作品への貢献度などを考えると彼女が有力な気がします。
Condola Rashad 「The Trip to Bountiful」
彼女も去年の助演女優賞にノミネートされてました。
今年はリベンジという感じですね。
テレビでもちょくちょく活躍しているようです。
ブロードウェイでは今回が2作目。
2本ともとトニーにノミネートされているわけです。
夏にはデヴィッド・ルヴォーのロミジュリが控えてます。
こらからかなり活躍が期待される方です。
さて今回は主人公のおばあちゃんとバスの旅で一緒になる
夫が出征中の若い妻を演じています。
この二人のシーンはなかなかよくて
おばあちゃんが亡くした夫について語るんです。
彼を愛した事がなかったから今の自分は不幸せなんだって。
悪い事をしたって話します。
それを黙ってきく若妻。
色々と親身になって世話をするんですが結局バスの乗り継ぎで
おばあちゃんを残して旅立って行きます。
なんとも親しみやすくて優しいキャラクターなんですが
助演にノミネートされる程の役かちょっと疑問でした。
逆に Vanessa Williamsの方がしっくりきますが・・・
というわけで個人的には違うかなとおもってます。
助演は案外個人的には選びやすかったのかな。
でもかなりの主観が入ってますが予想としては
Judith Light 「The Assembled Parties」
さあどうなるでしょうか。
やっとこさスタッフ部門に戻れます!
終わりが見えて来た。
まずは主演女優賞から。
Laurie Metcalf 「The Other Place」
Amy Morton 「Who's Afraid of Virginia Woolf?」
Kristine Nielsen 「Vanya and Sonia and Masha and Spike」
Holland Taylor 「Ann」
Cicely Tyson 「The Trip to Boutiful」
これはまた選ぶのが難しい!
「Vanya~」からはシガニー・ウィーバーは選出されなかったのですね。意味深。
参考までにこちらの賞も。
[Drama Desk Award Outstanding Actress in a Play]
Maria Dizzia 「Belleville」
Amy Morton 「Who's Afraid of Virginia Woolf?」
Julia Murney 「Falling」
Vanessa Redgrave 「The Revisionist」
Miriam Silverman 「Finks」
Cicely Tyson 「The Trip to Bountiful」
こちらはオフ作品ばかりです。
Maria Dizzia はテレビでの活躍が目立ちますが
「In the Next Room」でトニーにノミネートされてます。
今回は心に病気を抱えた病的な若妻を演じてました。迫真だったなあ。
Julia Murney は「Lennon」でブロードウェイデビューしてますが
アンダーやナショナルツアーで沢山の作品に参加する経験抱負な女優です。
今回は自閉症の息子を抱える健気な母親を好演してました。この作品は泣きました。
Vanessa Redgrave は世界的な大女優です。
オスカー、カンヌ、エミー、ゴールデングローブ賞などを獲得していて
さらに舞台でもトニー賞、ローレンスオリヴィエ賞を獲得してます。
今回はオフでSoldOutした3人芝居に出演してました。
何度もキャンセル待ちに行ったのに観れなかった・・・
どうやら来期オンブロードウェイで再演されるそうです。期待ですね。
Miriam Silverman はまだあまり目立ったキャリアのない女優さんです。
この作品も見逃してるから何とも言えない。う~ん・・・悔しい。
お次は結果が出ている賞です。
[Outer Critics Circle Award Outstanding Actress in a Play]
Tracee Chimo 「Bad Jews」
Amy Morton 「Who's Afraid of Virginia Woolf?」
Vanessa Redgrave 「The Revisionist」
Joely Richardson 「Ivanov」
Cicely Tyson 「The Trip to Bountiful」
こっちもオフ作品が健闘してます。
Tracee Chimo はオフブロードウェイで活躍する女優。
オビー賞やDrama Desk Award を獲得してますがこの作品も見逃してる・・・
Joely Richardson はテレビや映画で活躍する女優。
舞台経験はあまりないようです。これも見逃した。
ノミネート作品を見逃してると悲しくなりますね。
選んでみてるはずなのにああ審美眼が欲しい。
さて結果は・・・
Cicely Tyson 「The Trip to Bountiful」
まあ。わかる。確かに凄かった。
こうして眺めると Amy Morton と Cicely Tyson がどの賞にもノミネートされてました。
今年の評価の高さが伺えますね。
さて紹介に移ります。
Laurie Metcalf 「The Other Place」
この方もシカゴの Steppenwolf Theatre Company 出身。
映画にテレビに舞台にとかなり活躍しています。
エミー賞を3回獲得、トニー賞に二度のノミネートされています。
舞台では「Brighton Beach Memories」「November」などが代表作。
今回は記憶を喪失した科学者を演じていました。
この作品は本当に面白かった。
2年前にオフであいて翌年に期間限定でオンで上演された作品。
自殺で失くした娘が生きていると思い込む心と記憶が壊れた女性を
ほぼ1人芝居に近いかたちで演じていました。
90分あっと言う間。ほぼ喋りっぱなし。
人間の危うさがとても上手く描けていた。
あの密度のある空気感は本当に感心した。
なんとも深い作品で仕上がりも良かった。
もっと評価されて欲しかったんですが前年の
オビー賞やDrama Desk賞などでかなり受賞したため
今年は対象外になっていた賞も多かったようです。
個人的にはかなり好きな作品だったので三度目の正直でぜひとって欲しいなあ。
Amy Morton 「Who's Afraid of Virginia Woolf?」
彼女もシカゴの Steppenwolf Theatre Company 出身。
もう素晴らしい俳優は本当にここ出身の方が多い。
テレビでも活躍している女優ですが自ら演出をするなど多彩です。
舞台では「August: Osage County」でトニー賞にノミネートされています。
今回はさえない大学教授と結婚した学長を父親に持つ姉さん女房を演じてます。
とにかく口が悪くて酒癖も悪い、若い教授を誘惑して一線を越えてしまうし
もうわけのわからないキャラクターですが
最後には彼女の脆さと二人の絆が見えて来ます。
今期かなり評価されているのもうなずけます。
とにかく台詞が軽妙で突き刺さる。
一つ一つのしぐさで相手をいらいらさせて揚げ足をとっていく。
本当に面白かった。これだけ喋るのは本当に大変だろうなあ。
今年の流れから考えると彼女の受賞はかなり現実的かもしれません。
Kristine Nielsen 「Vanya and Sonia and Masha and Spike」
キャリアの長い舞台女優とイメージ。最近ではウディ・アレン映画などにも出演してます。
オビー賞などを獲得してますがトニーのノミネートは今回が初めて。
共演者のシガニー・ウィーバーを押さえてのノミネート。
本人もかなりびっくりしたと記事に答えてました。
「Bloody Bloody Andrew Jackson」「To Be Or Not To Be」
「A Streetcar Named Desire」などが代表作。
今回は鬱病で引き蘢ってるおばちゃん役。
絵に書いたようなおばちゃんなんだけど傷つきやすくて繊細で
なんだかとても魅力的なキャラクターでした。
大女優の姉にいつもないがしろにされて可哀相な境遇なんですが
あることをきっかけに立場が逆になったりしてまた滑稽なんです。
そして最後には長ーい電話のシーンがあるんですが
そこがかなりの見せ場。
電話の向うの生まれて初めて自分に興味を持ってくれた男性に
面白可笑しく気恥ずかしくはなしかけます。
このシーンは本当に上手かった。
最後になんだかほろっとしちゃうほど。
彼女が評価されてなんだか嬉しいです。
あのパフォーマンスだったら受賞の可能性もあると思います。
Holland Taylor 「Ann」
テレビや映画で長きに渡り活躍する女優です。
エミー賞の受賞もあり舞台でも
「Breakfast with Les and Bess」「Vagina Monologues」など
かなり精力的に活躍してます。
今回はテキサス州の元女性知事アン・リチャーズを演じています。
2幕ものの作品をたった一人で最初から最後まで演じきります。
いやあ凄い。現在70歳。
人間ってこんなことができるんですね。
もうとにかく最初っから最後まで笑いっぱなし。
政治的な風刺の沢山こもった台詞から下世話なはなしまで
とにかくひたすら喋って客席を沸かせます。
しかもこの作品彼女自身が書き上げたそうです。
初めて書いた脚本がブロードウェイで上演されるなんて凄い。
当然年を感じさせないパワフルさ。
いやあ本当に感服しました。
ただ作品自体の評価がそこまで高くないんです。
いや本当に面白かったんですけどね。
なんというか演劇的な作品ではないというか漫談みたいなもんなんで
ちょっと評価が低かったのかな。
でもこんなに素晴らしいパフォーマンスが観れるとは思わなかった。
受賞は難しいのかなあ。でもあげたくなっちゃう。
Cicely Tyson 「The Trip to Boutiful」
3つのエミー賞を獲得してアカデミー賞にもノミネートされている大女優です。
しかもあのマイルス・デイビスの奥さんです。
元は舞台からキャリアを始めてテレビや映画で大活躍しています。
今回は30年ぶりのブロードウェイ復帰作のようです。
この方もご高齢。79歳。
信じられないです。1幕2幕全編ほぼ出っぱなし。
しかも途中で歌って踊ります。
もうなんですかね。
人生の終盤を迎えた一つの命がキラキラと輝くさまは
本当に感動しました。
円熟味というよりそこにあるという感じ。
もうそのものな感じがして心を打たれました。
息子夫婦と住んでいてどこにも居場所がない年金生活者が
最後に一目故郷をみたいとこっそり家出をするんですが
最後の望みだった故郷さえもうなくなってしまう。
どこにも居場所がなくなって結局息子夫婦の元に戻って行く。
廃墟と化した生家に後ろ髪を引かれる姿はなんとも涙を誘います。
作品全体でみればちょっともったいないところもありましたが
彼女のパフォーマンスでもう全て帳消しという感じ。
素晴らしかった。確か高評価もうなずける。
有力候補ですねえ。
こうしてみるとなんとも選ぶのが難しい。
どの女優も素晴らしかった。本当に甲乙付けがたい。
でも選ぶんことになるわけです。
希望は色々ありますが・・・
今年の流れで行けば
Amy Morton 「Who's Afraid of Virginia Woolf?」
なのかな。う~んでも絞れないなあ。本当に。
さてお次は助演女湯賞。
まずは今年のノミネート。
Carrie Coon 「Who's Afraid of Virginia Woolf?」
Shalita Grant 「Vanya and Sonia and Masha and Spike」
Judith Ivey 「The Heiress」
Judith Light 「The Assembled Parties」
Condola Rashad 「The Trip to Bountiful」
個人的にはなんだかバランスの悪いノミネーション。
番狂わせがあるのかな。
別の賞もちらみしてみます。
[Drama Desk Award Outstanding Featured Actress in a Play]
Tasha Lawrence 「The Whale」
Judith Light 「The Assembled Parties」
Kellie Overbey 「Sleeping Rough」
Maryann Plunkett 「Sorry」
Condola Rashad 「The Trip to Bountiful」
Laila Robins 「Sorry」
オフから4人もノミネートされてます。
しかも「Sorry」は二人。健闘してます。
Tasha Lawrence テレビやオフブロードウェイを中心に活躍してます。
作品を観れてないと何とも言えませんね。
Kellie Overbey テレビや舞台で活躍してます。
こちらも観てない!悔しい。
Maryann Plunkett は「Me and My Girl」でトニーの主演女優賞を獲得してます。
今回は痴呆の父親を持つ姉妹の姉を演じています。
この作品、評価されてるんだけどあまり記憶に残ってない。
まだ英語力が乏しい時期でしたからね。
Laila Robins テレビや舞台と幅広活躍しています。
先ほどの姉と同居すしている友人だったかな?を演じていました。
最近違う芝居で観たんですがその時は魅力的な人妻を演じていてよかった。
Judith Light と Condola Rashad はノミネートされてますね。
結果がでているこちらはどうでしょうか。
[Outer Critics Circle Award Outstanding Featured Actress in a Play]
Cady Huffman 「The Nance」
Judith Ivey 「The Heiress」
Judith Light 「The Assembled Parties」
Kristine Nielsen 「Vanya and Sonia and Masha and Spike」
Vanessa Williams 「The Trip to Bountiful」
トニーでは主演にノミネートされていた Kristine Nielsen がノミネートされてます。
本当にカテゴリーわけが難しいんですね。
Cady Huffman 「Producers」でトニーの助演女優賞を獲得してます。
「The Will Rogers Follies」なども代表作です。最近は映画やテレビで活躍してます。
今回はバーレスクの名物ダンサーとして出演してます。
Vanessa Williams グラミー、エミー賞を獲得していてトニーにもノミネートされてます。
今回は主人公のおばあちゃんをいびりまくるお嫁さん役。これは本当にはまってた。
なんだかこっちのノミネートの方がしっくりきます。
さて結果は・・・
Kristine Nielsen 「Vanya and Sonia and Masha and Spike」
この並びなら納得です。選ばれるカテゴリーって大事です。本当に。
では紹介に移ります。
Carrie Coon 「Who's Afraid of Virginia Woolf?」
ブロードウェイデビューでトニーにノミネートです。
なかなか凄いですね。
まだまだこれからどんどん活躍して行くんだと思います。
将来有望な生物学者のお酒に弱い若妻を演じてました。
本当に酔っぱらってぐでぐでになっていく様は面白かった。
これだけのキャストに囲まれてしっかり存在感を発揮していたのが
ノミネートに繋がったんでしょうか。
彼女が助演にノミネートするほど作品の評価が高かったということがわかります。
ただまだ受賞とまではいかないんじゃないですかね。
Shalita Grant 「Vanya and Sonia and Masha and Spike」
彼女も今回がブロードウェイデビュー。
オフでは何本か出演してますがまだまだキャリアが浅い方です。
今回は黒魔術?的な何かを信仰して未来が見えるぶっとんだ家政婦を演じてます。
彼女の演技もさることながらこのキャラクター自体が本当に
よく書かれていて面白かった。
祈祷するシーンは本当に爆笑ものでした。
彼女も本当に錚々たる俳優に囲まれながらかなりの存在感を見せつけてました。
本当に面白かった。
でもやっぱりまだ早いんじゃないかなあ。
そんな気がします。
Judith Ivey 「The Heiress」
「Steaming」と「 Hurlyburly」で既に助演女優賞を2つ獲得してます。
テレビや映画でも活躍していて脇役には欠かせない女優です。
今回は引き蘢りの主人公のおせっかいな伯母を演じています。
主人公のことを思ってはいるんだけどとんちんかんな世話の焼き方で
余計状況を悪化させてしまう役どころです。
結局姪の不幸を見守ることしかできず傷つけてしまいます。
上品なちょっと抜けてるキャラクターがとても似合ってました。
作品もまあ不可なくまとまった感じで悪くはなかったんですが
これといって魅力的な要素が少なかったイメージですね。
主演のジェシカ・チャスティンが思いの外好演だったことが印象的です。
まあそんなこんなで今回は受賞まではいかないんじゃないかと思ってます。
Judith Light 「The Assembled Parties」
テレビドラマの「アグリー・ベティー」で有名な女優です。
それよりも前にシットコムでエミー賞を獲得してます。
最近は舞台に活動の場を移し
なんとここ3年毎年トニー賞にノミネートされています。
しかも去年は助演女優賞を獲得。
2年連続の獲得なるかというところです。
今回は豪華なアパートメントを相続した弟の姉で
弟が他界したあとも義理の妹と親しくしているおばちゃんを演じてます。
さばさばとしたキャラクターがとても合っていて面白かった。
普段ははっきり物を言うしじめじめしないんだけど
妹のことを考えたり家を出てしまった娘の話になると
ふっと寂しそうな空気が出て来る。
人生の終わりが見えて来て明るく振る舞っていても
どこかちょっと哀愁が帯びて来る。
いい風合いでした。なんか。塩梅がちょうどよかった。
笑わせてくれてしんみりさせてくれる。
さすがだなあという感じです。
役のウェイトや作品への貢献度などを考えると彼女が有力な気がします。
Condola Rashad 「The Trip to Bountiful」
彼女も去年の助演女優賞にノミネートされてました。
今年はリベンジという感じですね。
テレビでもちょくちょく活躍しているようです。
ブロードウェイでは今回が2作目。
2本ともとトニーにノミネートされているわけです。
夏にはデヴィッド・ルヴォーのロミジュリが控えてます。
こらからかなり活躍が期待される方です。
さて今回は主人公のおばあちゃんとバスの旅で一緒になる
夫が出征中の若い妻を演じています。
この二人のシーンはなかなかよくて
おばあちゃんが亡くした夫について語るんです。
彼を愛した事がなかったから今の自分は不幸せなんだって。
悪い事をしたって話します。
それを黙ってきく若妻。
色々と親身になって世話をするんですが結局バスの乗り継ぎで
おばあちゃんを残して旅立って行きます。
なんとも親しみやすくて優しいキャラクターなんですが
助演にノミネートされる程の役かちょっと疑問でした。
逆に Vanessa Williamsの方がしっくりきますが・・・
というわけで個人的には違うかなとおもってます。
助演は案外個人的には選びやすかったのかな。
でもかなりの主観が入ってますが予想としては
Judith Light 「The Assembled Parties」
さあどうなるでしょうか。
やっとこさスタッフ部門に戻れます!
終わりが見えて来た。