サッカー見聞録

サッカーに関する記憶を留めるために

アジアカップ決勝 オーストラリア戦

2011年01月30日 17時21分32秒 | サッカー日記
日本サッカーとオーストラリアサッカー両者が持つスキルを全部出し切った、ぎりぎり感のある試合だった。

こんなサッカーを日本はやるようになったんだなと、決勝も含め今回のアジアカップでは日本サッカーに対し新たな感慨を持った。

その萌芽は去年のW杯で見られたが、岡田ジャパンから新生ザッケローニジャパンに変わり一体どうなるのかと実は心配であった。

前々回のブログで岡田氏に謝ったが、W杯以前の岡田ジャパンのパフォーマンスは今でも全く認めていない。ひどいものだった。一体南アフリカに入ってから何があったか知らないが、金子氏が言っているとおり、急造による急変したチームがたまたま良い循環を繰り返し、良い結果を出したに過ぎないのかも知れない。

それでも結果が全てであるから、岡田氏に対する酷評は自然消滅する。

しかし、言ってみれば偶然のようなチームがその後どうなるのか?良い状態は続くのか?

また、ザッケローニという監督は一体何者か?

日本サッカー協会は岡田氏の後任選択ではかなり呻吟したようだった。
サッカー無知の日本大マスコミは「ザッケローニは本命ではない。本命の人物からは皆断られた。日本サッカー協会の無力と日本サッカーの危機」を声高に叫んでいた。その批判には全く裏取りが成されていない。無責任極まりない。

そんな全く期待されていない環境のなか、W杯の余韻もそこそこにザッケローニジャパンは歩みを始める。

メッシ擁するアルゼンチンが来日した。
そして親善試合とはいえ、アルゼンチンに勝利。ここからザッケローニのサッカーというものが徐々に顔をだす。

いや、先にも書いたが、選手選抜からザッケローニの個性はでていた。

また、香川、長友、内田などは本当に短時間のうちにヨーロッパという水の中で、急激に成長した。

様々な物事が良い化学反応を起こし、今回のアジアカップ優勝へと向かったように感じる。

さて、オーストラリ戦の内容だが、テレビで見た限りをいうと、本田は全く彼本来の能力を発揮出来なかった。パスミスなど愚鈍なミスを連発し、人が変わったようだった。試合後のインタビューで彼が語った言葉から類推すると、相当激しいマーク(単純に言うと)にあっていたようだ。
ただ、体調も悪かったか、痛めた左足首の悪化が原因しているのかも知れない。また本田も人間、疲労の極致だったのかも知れない。プロはそのことを語れないものである。

選手個々で言うと、岡崎は素晴らしかった。長友は今回15km走ったそうだが、岡崎もそれに匹敵するだろう。それにただよく走っていただけではない。まさに攻守に効果的な動きをしていた。ブンデスリーガ、ドイツのチームからオファーが来ているようだが、そのようなオファーが来ても当然な選手だと思う。

心配していた守備だが、高さのオーストラリアには岩政が効果的であった。
テレビでも言っていたが、高さのオーストラリアに対するために、守備陣が中に集まりがちになり、左右からオーストラリア選手がフリーで中に蹴り込ませていた点は今後の課題であろう。オーストラリアという技術的に稚拙なチームだったから良かったものの、サッカー列強国が相手であったら相当ゴールを喰らっていただろう(単純には言えないが)。

そして、川島は実に良い。結果を出したから言うが、今大会は彼の貢献が大変大きいだろう。しかし、キーパーが目立ってはいけない(PK戦は仕方ないが)。キーパーが目立つと言うことは守備陣に問題があることを意味するからだ。

最後に、今の日本代表を象徴する言葉は「献身と真摯」だと思う。
それが証拠に、決勝終了後誰一人として個々のプレーに納得していない。まだまだやることがいっぱいあるとの発言をしている。まだアジアでトップになっただけ、目指すは世界だとも言っている。実に頼もしい。

献身と真摯さを持って今後に進む日本サッカー。とても楽しみである。

そして何よりも、今回は選ばれていないが、10代、20代前半の選手に良いタレントを持った選手が多くいる日本サッカー。大いに進歩、進化して欲しい。また、どんどん世界に出て欲しい。

アジアカップ 韓国戦

2011年01月29日 19時46分47秒 | サッカー日記
前のブログにも書いたが、韓国戦といえば、諦念に溢れるゲームというイメージが私たちの世代にはある。

諦念。やっぱり今回も負けたか・・・。という感情である。

J以前の日本代表と韓国代表の試合は、全くといって拮抗した試合という形容が似合わないものであった。

韓国の方が圧倒的に地力があったのだ。
一部、1968年メキシコオリンピック予選での韓国戦、壮絶な国立競技場での試合であったらしいが、あの韓国に拮抗した日本代表の力は持続しなかった。
あったらしいというのは、私はその時中学生で雨中の決戦を観戦出来ていないからだ。

日本の力が持続しなかった原因は、単に日本ではサッカーの人気がなかったからだと思う。

よく物事の本質を深耕するとき、「一歩踏み込んだ・・・」という言い方をする。
韓国は日本よりも一歩も二歩も踏み込んだ、基礎技術が力強く発揮されるサッカーをする。

今回の試合も相変わらず韓国サッカーは地に根ざしたような、根太いサッカーを展開していた。そこには伝統も感じられた。

それに対峙した日本サッカー。
W杯からわずか半年だが、あのときの日本代表より数段進化したチームというイメージを持つことが出来た。

サッカーには様々な要素があり、その多様な要素がベストマッチしたとき、サッカーという競技の本質が顔を見せる。

だから単純にサッカーを論じることが出来ないと思い知らされたのが、岡田ジャパンであった。

ましてや、テレビ観戦だと、サッカー全体を俯瞰してみることが出来ないのでかなり限られた論になる。

そういった事を前提に今回の韓国戦を語ると、一つ大きく感じたことは、韓国サッカーは昔からボールを持った選手は単純にボールを奪われない。先ほど言った地力があるのだ。

しか今回のゲーム、日本サッカーにおいてもそのような選手が現れた。

本田、長谷部と香川、長友は韓国選手と同様、ボールを簡単に奪われることのない選手になっていた。彼らを短時間にそうさせたのは、彼ら個々の能力もあろうが、ヨーロッパサッカーが彼らを育んだのだろう。

ただ、その、ボールを単純に奪われない地力を持った選手の数は韓国の方がやや多い。

また、ザックジャパンはまだ完璧ではなく、守備には大いに不安を感じた。
吉田の不安定さなどは単純に彼の能力だけではない、総合的な何かが原因しているかも知れないので、軽々とは判断は出来ないが、私の目には盤石という言葉がとても遠い守備だと写った。今野もしかりだ。
前回のブログでも書いたように、今後熟成が進行すればそれも解消されると思われるが・・・(吉田は韓国戦に出場していない)。

今日は決勝、オーストラリア戦だ。
オーストラリアは韓国とともに日本にとって因縁のチームになりつつある。

香川が骨折したことは残念だし、とても今後が心配だが、完治を望むとともに、本日、日本代表は素晴らしいサッカー、オシム的に言えばエレガントなサッカーをし、優勝して欲しい。

巨漢選手の集合体であるオランダに挑んだ、スペインのようなサッカーが観たい。

頑張れニッポン。

何が起こるか分からない・・・・・・?

2011年01月23日 23時28分42秒 | サッカー日記
Wカップが終了してから半年以上の月日が経った。

昨年のWカップでは良いことが二つあった。
スペインが優勝したことが一つである。
スペインが優勝することによって、少々世界サッカーの潮流が良い意味で変化するのではないかと、私に感じさせた。

そういった意味では大変良い大会であったと思う。

それともう一つは日本の活躍である。

私は今大会の日本サッカーを観て、久しく感じたことのない感動を覚えた。
当然、一日本サッカー応援者としてだけではなく、純粋にサッカーというスポーツに感動したのだ。

しかし、私は大会前徹底的に岡田氏に対して批判的な感情を持っていた。

「ベスト4を目指す」「世界を驚かせてやろうじゃないか」等々の発言が虚しかった。

であるから、大会後にはこの日記が非常に書きづらくなった。
だけど、岡田さんに落とし前を付けなければならないとずーっと思っていた。

大会直前に何があったか未だ分からない。

本音では、全ての日本の試合は惨敗だと思っていた。

しかし・・・だ。

一言で言えば、「サッカーの試合では何が起こるか分からない」と言うことが実際に起こった感がぬぐえない。それもとても大きな事が起こった。

あと、コロンブスの卵的なことを言えば、日本サッカーの潜在能力は大きかったのだろう。
「だろう」なんて書いているから、これを岡田さんが読んだら、「自分の発言に責任を持て」と怒られそうだ。

ぐだぐだ書いても仕方が無い。結果が全てだ。

ここは平身低頭するしかない。

岡田さん、貴兄への批判に対して深謝します。

岡田氏が引き続き監督の職を続けて欲しかったか否かに対しての意見はない。

ただ、岡田氏にしてみれば、ほとほと疲れたであろう。何となく続けたくない彼の気持ちが分かる。

今、アジアカップの最中だ。

ザッケローニの良い点は選手選択だ。

とても良い。

まだ、ザックジャパンのパフォーマンスは40~50%位だと思う。
これから熟成が成される。

ただ、熟成するであろう素材は大変良い。

25日の韓国戦、果たして、昨年のW杯時のように、何かに憑かれたようなパワーが出せるか分からないが、各の素材の良さを出来るだけ多くだし、完勝して欲しい。

単純に考えても、韓国は、香川の復調により、徹底マークする選手が多くなった。

とにかく全員ゴールへ向いて欲しい。
そして、オシム氏がよく言っていたように「リスクをとった」プレーを90分間続けて欲しい。