サッカー見聞録

サッカーに関する記憶を留めるために

オシム監督の憤り

2007年06月09日 21時20分36秒 | サッカー日記
本日文京区にある日本サッカー協会にて、協会側とオシム監督とでアジア杯に関して話し合いがもたれたとネットのニュースに書いてあった。
そこでオシム監督は大変憤ったようだ。その理由は、オシム監督はアジアカップに備え、代表を今すぐ招集しチームを完璧に仕上げたいのにそれが叶わないからだ。協会はあくまでJりーグを優先する方針は変えないようだ。するとチームプレーどころか、選手は疲労困憊し、完璧な体調でアジアカップに臨めないとオシム監督は主張する。

私は全面的にオシム監督の意見に賛成だ(当然)。しかし反論として「Jもプロだ。スポンサー契約等様々な制約が存在する。そこの所を知って言っているのか」と叱られそうだ。

確かに、そこの所は詳しくは知らない。
しかし年間計画を決めるとき、何故日本代表のタイトル奪取を念頭に置いて計画を立てなかったのか?と逆に問いたい。

今、サッカー界は日本も含め世界的にスーパースターの交代期に入っている。境は去年のドイツW杯だ。

そんな端境期の今、世界には新しいスターがどんどん登場している。メッシなどは世界一のスーパースターのポジションを今すぐ取りそうなほどだ。その他にも素晴らしいタレントがうようよいる。

一方日本に眼を向けると、最近のオリンピック予選などはスタジアムに閑古鳥が鳴いている。A代表の試合も空席が目立つ。確かにドイツW杯までは、今よりも一般のファンが気になり、そしてその方々が名前を知っている選手が多くいた。
しかし、今日本にはそれらの選手を超えそうなタレントが沢山見られるのに、ファンはスタジアムに足を運ばない。

流行に流されるだけのファンがいなくなり良いではないかという意見もあろうが、日本サッカーが昔のように一部のマニアだけのものになったらそれは退歩である。

では何故観戦者が減るほど、今、日本サッカーは盛り下がっているのか?明らかにそれと分かるスターが一般の観戦者に見えないからだろう。

マスコミもサッカーを知らないから、記事として取り上げるのはオシム監督のことだけ。例えばだが、森本の近況など絶対伝えようとしないし、今どこにいるのかさえ知らないであろう。しかしこんな日本のサッカー無知のマスコミにもどんどん日本サッカーを取り上げて欲しい・・・というのが本音だ。つまりお祭り騒ぎが必要なのだ(少々内容がサッカーの本質からずれていても仕方がない)。

こんな状況を打破し、日本サッカーの世間からの支持拡大を図るには、地道な進歩もそうだが、絶対目前にあるタイトルを奪取しなければならない。日本サッカーの人気回復が最終目的では絶対にない。最終的な目標は日本サッカーの世界制覇である。そのために日本サッカーは日本にて人気がなくてはならない。選手には多くのサポーターの応援が必要なのだ。

古くは「ヨン様」今では「ハンカチ」「ハニカミ」に、今ではすっかり無くした乙女心をときめかしているオバサン達が、日本サッカーも話題にするようにしなければいけない。

Jの一時休止が難しいことは何となく分かるが、アジアカップ一つとっても他国は既に代表だけの強化合宿に入っている。日本サッカー協会も努力すべしと考える。

オシム監督が憤っている事を繰り返していたら、今までのように調整の不備が元で日本代表はW杯どころではなくなる。真の実力を出せないで多くの時間が過ぎていくであろう。

以前このBLOGで、暁星高校の例をとってサッカーにおける「チームプレー」の改めての大切さを書いた。

代表であっても付け焼き刃では勝てない。ましてや高原や中村俊輔選手達の調整はどうするのか?

日本サッカー協会の方々は殆ど昔日の日本代表経験者である。今オシムジャパンが進化していることは、ここ3戦を観て分かるはずである。せっかく積み上げた価値ある積み木をいとも簡単に崩して良いはずがない。

今日のJ、名古屋と川崎の試合。閑古鳥が鳴いている。こんな面白いカードなのに。

日本サッカー協会の皆様、是非再考を。アジアカップ惨敗の日本代表を見たくないから。そうなったらオシム監督の計算は絶対に狂う。それは2010年、アジア地区予選も突破は出来ないことを意味する。

コロンビア戦

2007年06月05日 22時26分39秒 | サッカー日記
今日も観戦状況を書く。
モンテネグロ戦は前半だけしか見ることが出来なかったが、今回は後半の15分から見ることが出来た。もちろんテレビである。
今回は後半を見たのでオシム監督の終了後のインタビューから、コロンビア戦の全貌が把握できた。

見ていない前半は、コロンビアペースだったようだ。いや後半よりもコロンビアにボールを触れさせたぐらいか?

今日は得点できなかったが、日本チームはオシム監督の言うとおり、大変良いサッカーをしたと思う。
何かこのように書くと、オシム監督の言っていることのオウム返しのようでいやだが、正直な私見だから堂々と書く。

全体的に良く走っていた。
良く走っていると、必ず出来る事として、前線での相手への早いプレス、それが抜けても中盤での早いつぶし、それが抜けても終盤では完璧に相手のチャンスをつぶす、これが出来る。

これが出来ると、相手はサッカーにならなくなる。逆に川口の活躍は少なくなる。今日の日本はコロンビアに南米3番目の強豪サッカーの本領を発揮させなかった。

中村俊輔選手が終了後のインタビューでオシム監督から「シンプルなサッカーをしなさいと言われた。」と言っていた。全体的に相手を上回るほど走ると、相手にサッカーをさせない。この状態の中で、オシム監督のその言葉は、今の段階では、中村俊輔選手のタレントについて行ける選手はまだまだ少ない。そのかわり愚直だがまじめにスペースに走る選手がいる。その選手に扱いやすいボールを出してあげなさいという意味にとった。

そして今後中村俊輔選手の芸術について行ける選手が必ず出てくる(育ってくるし、チームプレーの中で可能になってくる)。その時は「エレガントなサッカーをしなさい。」とオシム監督は考えているのでは無かろうか?

中村憲剛選手。いやー、前回のモンテネグロ戦ではオシム監督に名指しで叱られていた。「私のサッカーを中村憲剛は全然理解していない。何故あそこで横のフリーの味方にパスをしないで、ミドルシュートを打つのだ。目立ちたいからか?出直してこい。」的辛辣な言葉が刺激的だったが、憲剛君。オシム監督は君にもの凄く期待しているよ。だから今に安住しては絶対に駄目だ。まだまだ君のタレントは出きっていない。私は君を応援する。

今日は3年ぶりの日本のキリンカップ優勝だ。3年も優勝できなかったのかと思った。

確かに解説の松木氏等々の言うように、得点し、そして勝利して優勝が一番だと思うが、終了のホイッスルを聞いた後、しっくり来ない感はなく、日本は良いゲームをしたと思った。

しかしオシム監督は終了後、選手にインタビューとは全く違う、「おまえら、得点できなくて優勝?それでアジアカップ勝てると思っているのか?」とか「相変わらずおまえ達は駄目だ。」と言うのであろうか?

これは選手しか分からないが、監督の練習中の言葉、試合開始前の言葉、ハーフタイム時ロッカー室での言葉、勝った後の試合後の言葉、負けた後の試合後の言葉。これら全ての言葉がチームを活かしもするし、殺しもする。

その点オシム監督の言葉は、まさに「オシムの言葉」だと思う。
つまり、私は素直に受け取れる。時として偉大な数学者(実際は大学で数学の研究者にオシム氏はなりたかっただけである)の言葉故、まるで哲学書のような難解なことを言うが、わざわざそのように言うのにも意味があるのだろう。

オシム監督は、改めて上述のことを考えると、選手に走ることを要求し、常に考えることを要求しているのだなとつくずく感じる。
脳も常に使っていないと退化する??ニンテンドーDSみたいだ。

オシム監督の試合終了後のインタビューの中で、彼の口から「プロパガンダ」という単語を2回聞いた。
この言葉からヒトラーの「マインカンプ」とソヴィエトのレーニン、スターリン、トロツキーを想起した。少しイデオロギーの臭いがした。それも昔の・・・。

モンテネグロ戦

2007年06月01日 22時35分44秒 | サッカー日記
相変わらず仕事が忙しい。暇であれば会社は無くなってしまうので、私はそれで良いのだが、今日のように日本戦のサッカーをリアルタイムで観戦しようとすると、辛い。オフィスには小さな液晶テレビを置いているので、今日のモンテネグロ戦、前半だけ見ることができた。

今ネットで結果を見たら、2-0で日本が勝った。後半は双方決め手が無く終了した、との記事を読んだ。すると日本は前半に取った2点どまりで、後半は無得点だったのだ・・・。

前半だけを見て日記を書くが、結論から先に言うと、日本チームはまだまだ完成の域には遠いが、オシムジャパンは確実に、それもかなり高度に進化していると感じた。

今回も欧州組のみならず、Jの選手も言ってみれば突然の招集である。チームプレーの完成度といった観点から見れば、相当ひどい。ひどいという言い方はきついか?その点では世界レベルではないということである。逆を言えば、オシムジャパンにあうんのチームプレーが加味されたら、世界レベルに近くなるような感じを受けた。

チームプレーがひどいと書きながら、今日の日本を誉める。

高原選手は多分、現在では日本で最高のストライカーである。さすがドイツの「あたり」にもまれてきただけある。こんなに誉めるのも得点を取ったからである。当然取らなかったらこんなに誉めないが、しかしテレビ観戦だとボールを持っていない時を含め全てを見ることができないので、彼を無得点の時に誉めることが難しい。
しかし、フィジカルの強さと、ゴールを狙う嗅覚が野生化してきた感が伺える。

中村憲剛選手。相変わらずいいですね。彼にボールが集まっていたが、ボールが集まるのは、彼が良く動いていた証拠である。彼の場合動きのみならず、日本人ばなれしたボールタッチから繰り出されるパス、シュート、これが絶品である。独特のタイミングと相手をはずす間がある。しかしまだまだこれから大きく伸びる選手。今に安住せず、精進して欲しい。

駒野選手は相変わらずダイナモタイプだった。期待通りである。何より今日の彼の良い点は、オーバーラップしてボールをすぐゴール前にあげたことである。

山岸、矢野両選手。少し前、彼らくらい大柄な日本の選手は、そう機敏ではなかった。しかし日本人の体格も変化したのだろう。両者ともとても良い動きだった。そう思わせるくらい彼らの中に将来性のあるタレントを見た。

中澤選手。彼には「戻ってきてくれて有難う」と言いたい。

しかしくどいようだが、この評価は前半だけである。後半は見ていない。前半だけ見て試合の全部を語るようなことをしているが、実はひやひやしている。
一体後半はどうだったのか?何故無得点だったのか。今だからこんなにミステリアスな雰囲気に浸れるのだろう。もうすぐ大体わかる。

それと先回のペルー戦にてセルジオ越後氏が、「セットプレーからしか得点できていないので良い評価は下せない」と言っていた。
私の友人は、セルジオ越後氏の辛口にいつも憤っている。その時もその発言に対して「じゃー、セットプレー以外で得点したらその得点は2点にも3点にもなるのか?1点は1点だ」と相変わらず怒っていた。

そのセルジオ氏、はてさてどんな評価を下すか。
最後に中村俊輔選手の右足ねんざ。早期の完治を祈る。


再び。オシムジャパンは確実に進化している。