どのような制度であれ、既存の制度改革には反対抵抗がつきものだが、今回の支庁制度改革は、横道・堀両知事以来の懸案であり、高橋はるみ知事にとっては、後には引けない崖っ縁での提案だった。異例の徹夜審議で、十四支庁制の廃止と九総合振興局・五振興局制の導入が決まったのは、知事の決意の表れである。
振興局に格下げになった五支庁の内、札幌市を除いた四市(根室市・留萌市・浦河市・江差市)は、ネットワークを組み反対運動を展開してきたが、思い切った行政改革を行わなければ立ちゆかなくなった財政危機を前にして、「行革つぶし」とみなされる行動に徹することはできなかっただろう。
道の現在の財政状態では、九総合振興局・五振興局制でも手緩いといわざるを得ない。遠くない将来、もっと厳しく大鉈を振るわなければならない時が来ることを、道民は覚悟しておくべきである。
根室市には酷だが、道が潰れて「北方領土返還要求運動」が成り立つかどうか。振興局に格下げになった地域だけでなく、総合振興局地域も、新しい制度をいかに有効に機能させるか、道庁と足並みを揃えて努力しなければなるまい。
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