野生動物(北海道では主としてキタキツネ、エゾタヌキ、野ネズミなど)を媒介して人間に感染し、肝機能障害を引き起こす可能性のある寄生虫・エキノコックスが、飼い犬にも感染していることは意外と知られていない。
道では、「昭和四十一年以降に調査した約1万匹の犬のうち、約1%で感染を確認している」(平成20年9月2日付『讀賣新聞』第28面)ことが分かった。犬の糞に触れることで人間にも感染し、「国立感染症研究所〈東京〉のまとめでは、99~2006年に全国で毎年7~26人の感染者が出ている」(同新聞)という。
人間への感染は、キタキツネの糞、あるいは感染したヤチネズミ(写真下段<中>は、HP<河川水辺の国勢調査〈H11〉網走川の両生類・爬虫類・哺乳類調査>から転載)。実際の大きさは10㌢前後)などを捕食した犬の糞に接触することにより生じる。
財団法人「実験動物中央研究所」(川崎市)では、「平成14年に道内の室内飼育犬からこの寄生虫が検出され、また、翌14年に道内から本州に移住した飼育犬からもこの寄生虫感染を疑う症例がみられたことから」(愛知県衛生研究所HP)、犬や人間への感染の拡大を防ぐため、犬の感染を調べられる簡易検査キットを開発している。一般の犬の飼い主は、この「エキット」という商品名のキットを使用している動物病院で受診できるので、定期的に検査をしてもらうべきだろう。
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