このイワウメは、祭りの露店で、大枚をはたいてポット植えを買い、多孔質の火山岩の窪みに付けたものである。ところが、職務の多忙に紛れて手入れを怠ったため、初めに、下部がスギゴケに覆われて全体のバランスが崩れた。次いで、イワウメより樹勢の強いコメバツガザクラがしだいに優勢となり、最後に、こぼれ種で発芽したコメツツジが、石の最上部で花をつけるほどに生長してしまった。
最初の作業は、スギゴケを除去し、石の立ち上がりをすっきりさせることである。石付けといっても、根は鉢にまで及んでいるので、もう少し大きめの薄鉢に植え替えると同時に、スギゴケをピンセットで丹念に取り除かねばなるまい。鉢選びも楽しみの一つである。十分に吟味せねばなるまい。
次の作業は、芽切りハサミとピンセットで、コメバツガザクラを丹念に取り除くことである。コメバツガザクラは、他の鉢で十分確保できるので、安心して駆除できる。しかし、イワウメは、なかなか気むずかく、こちらの思うとおりにはならない。黄白色の花は、地を這う小低木に似合わず、大きくて華やかである。早くこの花を中心に作り直したいと思っている。
最後の作業は、非情にも、コメツツジを退治すること。元のイワウメ単相を取り戻して、この石付け盆栽を維持したい。
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