WBCフライ級タイトルマッチが十二月二十三日、東京・両国国技館で行われ、チャンピオンの内藤大助が、同級十三位の山口真吾を下して四度目の防衛を果たした。
前回(七月三十日)の清水智信戦の薄氷を踏む一発逆転勝利とは異なり、序盤から左右フックを中心にアッパー(2ラウンドのアッパーは、12月24日付『讀賣新聞』第19面〈スポーツ〉から転写)やストレート(4ラウンドのストレートは、同日付『北海道新聞』第13面〈スポーツ〉から転写)を駆使し、試合の主導権を握り、11ラウンドにダウンを奪い連打でTKO勝ちした。
これまで三度の防衛戦は、お世辞にも世界王者にふさわしい内容ではなかったので、今回は、本来のパンチ力や強靱なスタミナを見せようと、期するところがあったのだろう。積極的に打ち合いに出る挑戦者に対して果敢に応じ、内藤らしい力強さを示したのは見事だった。 写真下段<右>は、前回のタイトルマッチ10ラウンドに、挑戦者の清水智信の顔面を捕らえた起死回生の左フック(7月31日付『北海道新聞』第20面〈スポーツ〉から転写)で、内藤は、すかさず右フックでダウンを奪い連打を浴びせ、辛くも逆転勝利を収めた。
三十四歳三か月の内藤は、自己の国内最年長防衛記録を更新したが、歴代二位の西岡利晃(スーパーバンタム級)が三十二歳五か月ということを考えると、自慢のスタミナも既にピークを過ぎている。8ー9ラウンドの山口の反撃が功を奏さなかったのは僥倖だったといえなくもない。
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