<三畳間の書庫に設置した木製本棚>
昭 和 62 年に家を新 築する際、 設計図が完 成するまでに色々と紆 余 曲 折があったが、 2階にかなりのスペースの納戸と、 書庫を兼ねた書斎を作る案は動かなかった。書斎は私の思うとおりに造作しようと思い、建築大工による作り付けを嫌って、 自らの手で苦心しながら壁面2面に大型の木製本棚を作り設置した。入り口から見て左の壁面は、横幅 234 ㌢・高さ 238 ㌢・奥行き 16 ㌢・9段。正面の壁面は、横幅 155 ㌢・高さ 238 ㌢・奥行き 24 ㌢・8段。棚 板は地 元で生 産されているシナ合 板で、 長さ 73 ㌢・厚さ2 . 3 ㌢、 本の重みで垂れないように各段中間に薄い縦板を入れた。
枠全体は、やはり地元生産のトドマツ・ 4 . 5 ㌢ 角材で組み、 床及び天井との接合部に地震による倒壊防止のための金具を取り付けた。 ま、大きいだけで何の変哲もない棚だが、 工夫をしたのは正面上部4段である。下部4段は大型本専用で奥行きが 24 ㌢もある。
上段は、 この奥行きを2分割した。 後ろ 12 ㌢ は、新書版本専用とし棚板を固定。手前は、文庫本専用とし、横幅 40 ㌢・高さ 92 ㌢ の棚枠を2組作り、 戸車による左右スライド方式を採用した。 この方式は使い勝手がよく、今でも重宝している。