釧路市民に、3月20日付『釧路新聞』第5面の「巷論」を是非読んでもらいたい。「カジノより自然を」だいじにしてもらいたい。「賭け事で浮いたお金が、福祉や教育に充てられるとしたら、子どもたちに働く喜びを教えられる」のか。博打で得たあぶく銭を手にして、子どもたちに労働の価値を説明できるのか。
私は「釧路にカジノを」構想(昨年3月4日にキャッスルホテルで行われた模擬カジノイベントの写真は、11年3月6日付『釧路新聞』第15面から転写)に反対するつむじ曲がりで、三月十七日に阿寒湖温泉街で行われた、釧路商工会議所主宰の「第7回日本カジノ創設サミットINくしろ阿寒湖温泉」には虫ずが走る。
世界では現在、カジノによる収入は、米国のラスベガスを抜いて中国のマカオが世界一である。十年前にポルトガルから中国に返還されたマカオの繁栄は、カジノと中国の後押しに依存しているが、その繁栄の一方で、「学業を途中で放棄しカジノに高給を求める若者の増加が社会問題化。返還時に課題とされたカジノ以外の新産業育成も手つかずのまま」(09年12月18日付『北海道新聞』第5面)に残されている。
阿寒湖のマリモを「世界自然遺産登録」申請をしようという運動があるが、申請の際、湖を中心とした自然環境と賭場(カジノ)を中心とした観光環境とはどのように折り合いがつくのか。「巷論」の最後の「私たちがどこから来て、どこに行くべきかを確認する」という言葉を、釧路市民は十分かみしめる必要があるだろう。
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