時事・社会問題などについてブログを書くとき、新聞報道に多くを依存している者がいうのは気が引けるが、私は各種新聞記事を鵜呑みにはしていない。
明治以来、日本の新聞でどれほど捏造・歪曲・偏向記事が世論をねじ曲げてきたか、私の記憶に残っているだけでも相当数に上る。
最近、各地でNIE(教育に新聞を)なるものが実践されているようだが、捏造・歪曲・偏向ではないにしても、写真(<左>は、2月8日付『釧路新聞』第7面、<右>は、3月8日付『讀賣新聞』第35面〈道総合〉から転写)のような新聞記事の文章は国語を破壊する元凶なので、学校教育に持ち込まないでもらいたい。
「ヤバイ」はもともと、盗人や香具師などの隠語であって、堅気の人間が使う言葉ではない。それが世に広まり、若者が「格好悪い」という意味で使い出し、今では「すごい」という意味でも使われている。星野佳路とはどれほどの大物経営者なのか、五十歳近くにもなって時流に迎合し、「日本の観光をヤバくする」などと平気で口にする者の高は知れている。それを持ち上げるとは、大読売の編集部長も落ちたものだ。
串崎英子女史に関しては、人物も年齢も寡聞にして知らないが、いわゆる<コギャル>なる者たちのメールのやりとりで流行ったKYを自慢げに使う国語破壊者に≪巷論≫を執筆させるとは、『釧路新聞』編集部も情けないものだ。まっとうな人間なら、自らを恥じて他人の品格など問いはしない。「一国のリーダーの品格」を問う前に自分の巷論の品格を問うべきではないのか。『祖国とは国語』を持ち出す資格はない。
私は『釧路新聞』を定期購読し、朝一番、六時に『北海道新聞』に先立って≪巷論≫に目を通すが、2月11日付、片山和幸氏の「武田信玄とリーダー論、人材への正当な評価こそ肝要」は、構成の整った説得力のある持論だと感心した。これならばNIE実践の教材として、中等学校生徒に推薦できる・・・か。だが、新聞の一面から最終面まで目を通し、複数の新聞を読み比べ、最後にディベートを行うのがNIEだそうだ。学校教育でそんなことができるわけがないし、する必要もないと思う。
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