タックの庭仕事 -黄昏人生残日録-

≪シウリザクラの樹と花(07年)≫

P1010064 6月19日(火)早朝、NHKテレビの天気予報にだまされて、旧宅の敷地の草刈りに出発したが、途中から霧雨となって、がっかりしていたところ、国道391号線の野上峠を少し下った山際に、シウリザクラが花をいっぱいに咲かせているのを見つけた。ここは、各種キノコの<採り場>の入り口で、馴染みの場所なのに、迂闊なことに、これまでシウリザクラの存在に気がつかなかった。P1010062P1010063
 私が小学生低学年の頃、具体的には、朝鮮動乱(中学生の頃まで〈戦争〉ではなくて〈動乱〉と言っていたように思う)が始まった頃は、日本の経済力は弱く、国民の生活は貧しかった。田舎だったから、釧路のような都市に比べて、食糧には恵まれていたが、それでも、子供たちはいつも空腹で、秋になると、野山の木の実を採って食べるのが楽しみだった。
 エゾヤマザクラ・シウリザクラ・ヤマブドウ・マタタビ・コクワ・オニグルミなどの実を採るのは、冒険と食べる楽しみの両方を兼ねていた。木登りの技術の巧拙がはっきり成果に表れるので、子供たちは切磋琢磨して技術の向上に努めたのである。
 エゾヤマザクラの実は苦み、シウリザクラは渋み、ヤマブドウは酸み、マタタビとコクワは甘み、それぞれ味わいが違った。オニグルミの場合は、まず、渋の強い実を土中に埋めて腐らせてから、水洗いし、露出した核を火で炙る。中心部に縦に隙間ができるので、タガネを当てて金槌で叩き、割れた核の中の種を食べた。

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