二月二日、警視庁が作成した資料、いわゆる「八百長メール」から発覚した八百長疑惑相撲について、放駒理事長は記者会見で、〝八百長相撲〟を〝故意による無気力相撲〟と言い換えて「過去にはなかったこと」(2月3日付『讀賣新聞』第19面)と強調したが、露骨なメールの文面が動かぬ証拠となり、六日の臨時理事会で春場所開催中止を決めた。しかし、この期に及んでも、放駒理事長は評議員会後の記者会見(写真上段は、2月7日付『釧路新聞』第5面から転写)で、「うみを完全に出し切る」(2月7日付『北海道新聞』第3面)と述べながら、協会として八百長相撲の存在を認めず、本場所中止の謝罪のみに徹した。
理事長の「うみを出し切る」という言葉は、現在、実名が上がっている八百長相撲(理事長は八百長と認めていないが)の当事者はもちろん、過去に八百長を取りざたされ証拠がないが故に無罪放免されている者をも含めて、広範囲な徹底的調査(写真下段<左>は、同日付・前掲新聞・第19面から転写。<右>は、同日付・同新聞・第3面から転写)を行い、疑惑の全容を明らかにするという意味だ。しかし、そんなことは出来はしないし、出来たとしたら日本相撲協会は崩壊する。大言壮語の約束は、協会崩壊の可能性を覚悟しての発言だろうな。
当然、「うみを出し切る」のなら、放駒理事長は写真下段の現役大関と理事の親方を俎上にのぼせねばならないが、この二人を処罰できるか。大口を叩いたからには実行してもらおうじゃないか。結果が出るまで場所を開催しないというならしないで結構だ。大相撲は神事でも国技でもない。八百長・無気力・人情相撲あっての単なる格闘技の興行が立ちゆかなくなっても国民は困りはしない。
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