平成19年12月4日投稿の≪サブプライム損失≫で既に言及したが、当時の渡辺金融相は、日本の金融機関によるサブプライムローン関連の証券化商品の保有と損失額について、日本の金融システムに与える影響は限定的で、深刻なものではないとの見解を示した。
しかし、年明け早々のニューヨーク株式市場の株価急落による米国の景気減速が、日本経済に影響を与えないわけがない。
2月1日付『讀賣新聞』は、第2面〈総合〉と第11面〈経済〉の両面で、サブプライムローン関連の損失が、日本の金融機関に当初の予想以上に深刻なダメージを与えていることを報じている。
渡辺金融相の見解は無責任である。三菱UFJ銀行(写真右)・みずほ銀行・三井住友銀行(写真左)を上位三行とする大手六行の損失額は、07年4~12月期で07年9月中間期の五倍近くに膨らんでいるという。
08年3月期はさらに損失額が拡大し、大幅な減益が避けられない情勢になった。六行の純利益合計は、「 前年同期比44.2%減と振るわず 」(同日付『北海道新聞』第1面)、業績は大打撃を受けるだろう。予測はずれの金融相の目は節穴か。
<銀行の写真は、フリー百科事典『ウィキペディア』から転載、「五つの影響」 図は、2月1日付『讀賣新聞』第12面〈経済〉から転写>