タックの庭仕事 -黄昏人生残日録-

≪北海信用金庫が職員の着服を隠蔽(11年)≫

Photo 十二月九日、北海信用金庫の伊戸隆紀理事長は、後志管内余市町の本店(本店写真は『ウィキペディア』から転載。地図は、道内時刻表<交通新聞社>から一部を転写)で記者会見し、四、五年前に発覚した職員による四件の着服事案(計約942万円)に関して、法令で定められた北海道財務局への届けを怠り隠蔽していたと発表した。四件のうち「北海道財務局の立ち入り検査で判明した3件は自らの判断で隠蔽したことを認めた上で陳謝。『退任も含め厳正な処分を行いたい』と述べ」(12月10日付『北海道新聞』第29面)た。
P1220236 伊戸理事長は隠蔽の理由を、平成十八年五月に黒松内支店で発生した二千八百万円の着服事件の直後で信用失墜を危惧した(同新聞参照)と述べているが、五月の黒松内支店(2800万円)、同年九月の蘭越支店(400万円)、同年十一月の朝里支店(201.5万円)、翌年二月の手稲前田支店(333.6万円)、今年九~十一月の財務局の検査と並行して行った内部調査で判明した仁木支店(少なくとも4万円)、今年に入って発覚し財務局へ報告した二支店(1600万円)と、立て続けに着服が発生し、職員の法令順守の精神が欠如していることは明らかである。
 北海信用金庫は、今年九月末の預金残高4175億円、道内二十三信金中五位だが、このように不祥事が連続する金融機関に預金をする人がいることを不思議に思わざるを得ない。顧客からの信頼を回復するために、金庫は不祥事頻発の原因を徹底的に究明する必要がある。地域経済の疲弊により収益率が減退している上に、信用失墜が重なれば、経営効率の低下は免れない。財務局から業務改善命令が発動されれば、いくら道内五位といえども無策に過ぎると、最悪の場合は、これまで他の信金を吸収合併してきた経緯とは逆に、他の信金に吸収合併されることもないではない。 

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