ニコニコニッキ

夫婦とチョコラブの小家族に突然襲ったNK/T細胞リンパ腫。同種移植を終えて、ビーグルを迎え家族再編成であります。

ヘッセ

2007-12-26 10:57:21 | 暮らし
 ヘルマン・ヘッセという作家がいます。
『車輪の下』が一番よく知られている作品だと思います。
なぜかよく分かりませんが、彼の作品はどの作家よりも魅かれ、私の学生時代からの手放せないものになっています。
いろいろなきっかけから、彼自身のことを書いた文献が手に入るようになり、どの作品にも彼自身が映し出されているのを知るほどに、ますます魅かれていきます。
 今朝、久しぶりにふと思い立って開いた『ヘッセ研究』の一文一文に、今更ながら背中の毛が逆立つ感じを覚え、とても心がざわざわとなったので、閉じざるを得ませんでした。
私にとって、彼の作品を『読む準備』がいります。短編集ならともかく、随筆や書簡などは、自分のアホさ加減をまざまざと見せ付けられてしまうので、落ち込みがちな時など、受け取り方によってはとどめを刺されてしまいます。
そんな中から、妙に納得して安心し、心に残って励まされた一文を・・・
人間についてのゲーテとヘッセと共通の表現らしいのですが
『完全であるがゆえに安定している天使と
無意識的存在であるがゆえにかえって世界空間と調和している動物との
中間にあるがゆえに、どちらにもなりきれない不安定な存在』
ずばり ですね
別に、こういうことを考えなくても生きていけるし、どちらかというと、考えていては現実社会で生きていけない時代ではありますが、たまには自分の存在について考えて、どれだけアホか思い知り、自分の頭を叩くべきだと思いますね。
 彼を読みながらサラリーマンをするというのは、とても困難なので、引退後のためにこつこつ貯めた37冊のヘッセが待っています。
どうしても手に入らない一冊があります。
『湯治客』 これが、オークションにも古本市にも出たためしがないのです。
どなたか2冊お持ちじゃないですか?

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