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あるがままに ~ Let it be as it lies.

ゴルフ・ごるふ・Golf
ゴルフについて日々感じたことを綴ってみます。

全米プロ ミケルソン優勝

2005年08月16日 | Weblog
ミケルソンは一旦はスコアを落として3人が-3で並んだが、最終18番のアプローチがラフからにもかかわらず絶妙のさえを見せてバーディーで優勝。

17番18番と上がりの2ホールがパー5というおもしろいコースレイアウトで、結局この2ホールのパー5が勝負を分けた気がする。ビヨン、エルキントンはこの2ホールで2アンダーだったら優勝だったが。ウッズも3日目に2ホールともパーとしてしまっており、これが両方バーディーだったら-4だったわけだ(ウッズは4日間でこのパー5をわずか1アンダー、対するミケルソンは5アンダーとしておりこの2ホールが特に飛ばしや達にとっての勝敗の分かれ目となった)。

やはり伝統あるコース、面白い試合だったと思う。これでミケルソンもグランドスラムの可能性が出てきた。


さて、月曜日にプレジデンツカップのメンバーが発表になった。残念ながら丸山は選出されなかった。全英・全米プロと2試合続けての予選落ちが影響したか。だが、ゲーリー・プレーヤーがキャプテン推薦で選出したのがイメルメン??? 確かにマスターズ5位、全英15位、全米プロ17位とメジャーでは良いがいくら自分と同じ国の出身だからといって選手選出ポイント21位の選手しかも世界ランク50位に入っていない選手、経験があるわけでもない選手を選ぶのはいかがなものか。丸山の方が世界ランクは高いしそうは言ってもトップ10は今シーズン3回あるしオーストラリアでのプレジデンツカップでの5勝無敗の成績もあるし。2007年の大会がカナダになったことも含めて、日本選手の今後の奮起に期待したい。


全米プロは月曜日に延期になってしまった。

2005年08月15日 | Weblog
やはり実力者が上位に残ってしかも首位に立っていたミケルソンが崩れてウッズが-2であがっていて本当に面白い展開になっていたのに...雷雨で月曜日の朝に延期になってしまった。

原因はテレビ局。最終組(ミケルソン)がプレーを終了するのが放送終了時刻にちょうど重なるように最終組のスタートを現地時間午後3時にしていたが、雷雨の予想が60%だったのにもかかわらずスタート時間を早くしなかったのだ。

雨はほとんど降っていないようなので、グリーンの固さは変わらずだろう。しかし朝なので涼しいので意外とスコアは伸びる気がする。

上位にシン、グーセン、ラブ三世といった飛ばし屋がパー5を2つを残して(最後の上がり2つがパー5というのも面白い、こういうところ日本のコース、トーナメントも考えてよいのでは)数打差以内にいるわけで十分可能性があって面白い。イーグル2つならばいっきに-4になるわけだし。エルキントンは怪我から復帰して長い低迷から脱却したいだろうし、ビヨンは2年前の全英オープンで17番のバンカーショットのミスで優勝できなかっただけに気合が入っているだろう。といろいろとミックスされてだれが優勝してもおかしくなかっただけに、最後まで見れなかったのは本当に残念だ。

でもウッズといい、皆初日はいまいちでも最後にはきっちりと上位に食い込んでくるのはどういうことなのだろう。最初から最終日に(例えばピンの場所やグリーンの速さ)標準を合わせているということなのだろうか。それとも初日は手を抜いているのだろうか、最終日に集中力が最高になるように。いづれにせよあの暑い中で大勢の観客に囲まれて微妙なタッチが要求されるわけで、体力的にどうしても劣ってしまう日本人には... でも片山、健闘しました。もう少し海外向けの対策を積極的やって海外で勝つことをもう少し前面に出してくれるとうれしいのだけど。

その他では、Geoff Ogilvy、Ted Purdyといった若手が上位に食い込んできており、将来的にメジャーを狙える選手だと思う。また全米オープン優勝のマイケル・キャンベルがまた全英に続いてトップ10に入っており、全米優勝で何か「吹っ切れた」あるいは「本当に自信につながった(自分のレベルが飛躍的に上がった)」感がある。

なんとなくミケルソンが逃げ切れない気がするが、どうでしょうか。ラブかビヨンに買って欲しいがどうでしょうか。

全米プロ 優勝者予想

2005年08月11日 | Weblog
全米プロ(PGA Championship)は4つめのメジャーだが、他の3つのメジャーに比較して少し影が薄い。他のメジャーが強い特色があるのに対し、そういったもの(歴史、コースの特徴など)が無い。時期的にも、強烈な印象のある全英オープンと1ヶ月しか違わない点が、少し興味がわかない理由かもしれない。

今回はニューヨーク近郊のボルストゥロル。何回も全米オープンや女子オープンを開催していて来た100年以上続く名門コースで、青木が二クラスと死闘を戦い2位に入ったのがこのコース。古い林間のカントリークラブと言えるが、約7,400ヤードでパー70なので、飛ばない選手には全く勝ち目が無いでしょう。ということで日本選手は難しいでしょう。

ウッズとシンが好調を維持し、エルスは欠場、ミケルソンは調子が悪く、グーセンは先週優勝したものの日曜日に36ホールやっているわけで、やはり疲れがたまっているでしょう。ということで順当に考えると、ウッズとシンのマッチレース、ということになってしまうのでしょう。

天気の関係で実はグリーンがさほど速くないという情報もあり、ウッズとシンが良いスタートを切らなければ、以外と無名な選手が勢いで優勝まで行く可能性はあるかと思う。アメリカもしくは濠・南アの選手で(欧州の選手は暑いのは苦手でしょう)今調子が上がっている人。本当はそこそこ調子の良いガルシアにも期待したのだけど、ニューヨーク近郊ということで明らかにファンはアンチ・ガルシアなので(というよりアンチ・欧州勢全般)、難しいでしょう。

予想になっていないですが、今回はこれでご勘弁を。

全英オープン タイガー・ウッズ優勝

2005年07月18日 | Weblog
モンティが前日に言っていたように彼が最終日に66、15アンダーだったら逆転優勝だったわけだが、その本人がイーブンでは難しい。フェアウエーがスケートリンクのようだったらしい。ピンの位置もやはりメジャー最終日で難しかったようだ。ただそれ以上にモンティは昨日もそうだがプレッシャーがかかるとパットを全てショートしていた。

逆にウッズは勝負どころで本当にパットが決まっていた。特に昨日の17番、本日の12番。今回の全英オープンで飛距離1位と同時にパットも最小だそうだ。

爆発力のあるガルシア、グーセンが伸ばせなかったのもいまいちだった。2000年の時ほどウッズは「無敵」というわけでは無いと思うのだが。やはり「勝つ」ということに本当に執着している、ということだろう。いいゴルフをしたから良かったとか上位だから良かったとかではなく、「勝つ」という一点にのみ執着しているということだろう。でも本当の凄さはそれを実行できるということである。もちろんアイルランドでみっちり事前合宿をし確実に毎回63が出せるようになるまで練習したそうだ。

先日のラウンドで、フェアウェー真ん中にドライバーのナイスショットをして同伴競技者を初めてオーバードライブした時にぼそっと「なぜこれが毎回出ないのですかねえ」と半分冗談で言ったら、その同伴競技者が「(ミスショットを)君が選んでいるからだよ」と言われて、なるほど、そういう意識の持ち方があるのか、執着心とでも言おうかそれが無かったのだなあ、と思っていたので、尚更、ウッズの「執着心」の強さに思い至ったわけである(もちろんレベルは全く違うが)。

残すは全米プロ。他の選手の奮起に期待したい。特にガルシア。

タイガー強し 全英オープン

2005年07月17日 | Weblog
風が少しふいてタイガー・ウッズがひとつしかスコアを伸ばせなかったので明日少しは面白くなったかもしれないが、いかんせん4日目を首位を迎えるとメジャーは全勝。ほぼ決まりかと。ガルシア、シン、モンティがもう1-2打良いと面白かったのだけど。

アンプレヤブルが2つあっても1アンダー。ボギーの後はすぐにバーディーを獲る。16番、17番の重要なパットを沈める。さすがである。こういうゴルフをしたいものだ。

モンティは後半パットがショートしていた。1-2つあれらが入っていれば面白かったのだけど。

ブラッド・ファクソンは、最終予選に使われたコースのメンバーが数十人応援に来ているそうだ。スポーツに国境・国籍は無い、自分達のものを尊重してくれる人には好意で応える、いい循環だと思う。

全英オープンは初日の午前中で終わってしまったか?

2005年07月15日 | Weblog
タイガー・ウッズが競技開始後わずか4時間で今年のジ・オープンを終わらせてしまったかもしれない。パットが良く入っていた。風がまあまあ吹いていたわりには全く影響は無かった模様。

私の注目選手では、マーク・ヘンズビーが-5、ガルシアが-2。しかしフューリックはやはりだめだった。事前にある解説者が彼のような変則スイングは風が吹くとバランスが崩れてスイングの軌道がづれるので全英オープンは不利だろう、といっていて、私は最近の調子の良さ特に彼のアイアンの切れから注目選手に上げていたのだが、やはり解説者の方が正しかったか。

私は2000年の時ほどウッズは強くないと感じているのだが、今回は追いかける選手がいない。爆発力がある選手がいないということ。グーセン? ピーター・ロナードはいつも初日が良いのよねえ。完全に尻つぼみタイプ。ガルシア、シンがせめて2打差くらいであればもう少しおもしろいのではと思ったのだが。以外とカプルスが上位に最後まで残る気がする。

明日はウッズが午後、シン、ガルシアが午前なので、天気がトーナメントを盛り上げてくれることを不謹慎ながら期待しよう。(でも最初の組のスタートが朝の6時半、最後の組が午後の4時21分というのだからさすがスコットランド、夏は夜が短いわけだ。)




ブラッド・ファクソンと全英オープン

2005年07月14日 | Weblog
ブラッド・ファクソンというのはアメリカの中堅ベテランプレーヤーであるが、今年は世界ランク50位に入っていなかったので、イギリスでの地区最終予選に参加し96人中3人が合格するという狭き門を突破して全英オープンに出場することとなった。なぜわざわざイギリスの地区予選に参加したのかなあ、と不思議に思っていたのだが、インターネットでその理由を見つけた。

昨年から全英オープンのアメリカ予選が始まっていて上位12人が出場できるが、その予選の日が彼がほぼ毎年出場しているチャリティイベントと重なってしまい、アメリカ予選に出れなかったのだ。それでも全英出場をあきらめきれず96分の3という狭き門に挑戦して見事出場権を獲得したのだ。

ボブ・エステスという中堅プレーヤーも月曜日の時点で補欠2番だったのだが、彼は「呼ばれた時に出場できない残念さの方が問題だ」と言って、まだ出場が確定していないのにセントアンドリュースへ向かった。

もちろん多くのアメリカのプロでも、せっかくアメリカで開催された予選会に出場すらしないし、申し込みだけして予選会に参加しなかったり、出場資格をもらえても辞退する人は少なからず存在する。

しかし一方で、ブラッド・ファクソンのように最後まであきらめない、より高いレベル、よりオリジナルへの挑戦、という本来プロが持つべき姿勢を持っているプロもいるわけで、そういう人達がいる限りにおいては全英オープンというのはそう簡単には廃れないだろうと思う。(予選会に全く参加しない日本選手のことについてはあえて述べない)

オールドコースのバンカー

2005年07月14日 | Weblog
以前書いたように、もともとオールドコースは時計回りでプレーをしていた。オールドコースのレイアウトはスコットランドのリンクスに典型的な「行って帰ってくる」レイアウトだが、現在は「行き」つまりアウトがスタートから見て右側、帰りが同じく左側になっている。オールドトムモリスが現在の反時計回りに帰る前は、アウトがスタートから向かって左側であり、現在の18番が1番で17番グリーンが1番グリーンであり、現在とは反対方向に打っていったわけだ(今でもそのようにプレーしようと思えばできる)。

時計回りから反時計回りにしたことで、つまり打つ方向が反対になったことで、バンカーがティーグランドからは見えにくくなった。それがオールドコースを難しくしている一つの原因である。そう考えると前回2000年の大会でタイガー・ウッズが1回もバンカーに入れなかった、というのは本当に凄い。

私は、タイガー・ウッズはオーガスタやぺブルビーチやオールドコースのように、コースを十分に研究できる場合に(本やらビデオやらゲームやらがいくらでも出回っているので)本当に強いのではないかと思っている。探究心と記憶力と。だから排他的なプライベートクラブでのメジャーにはあまり強くないのではと勝手に思っている。

全英オープン 優勝者予想

2005年07月13日 | Weblog
言うまでも無く、「全英オープン」という言い方はおかしいのだけれども(The Open Championship が正式名称、だから「ジ・オープン」とでも呼ぶべき)、慣例に従うことにする。

優勝者予想、今回は本当に難しい。過去の優勝者を見ると10年前までは比較的その当時の実力者がちゃんと優勝しているのだが、ここ10年は「驚き」の優勝が多い。特に昨年のハミルトン、一昨年のカーティスと連続しているので、予想は本当に難しい。その理由を邪推すれば、他のトーナメントとあまりにセッティングが違うのでその時に「勢い」があった人が勝つからではないかと(逆に言えばそれだけ上位選手の差は縮まっているということかと)思う。

しかし大大本命はやはりウッズ。5年前のこの場所(セントアンドリュース)での大会で8打差をつけ圧勝。今回も6月のメモリアルで3位、全米オープンで2位、2週前のウェスタン・オープンで2位と信じがたい安定感。ウッズの最大の敵は「風」だが(誰か解説者が、風が吹くとウッズはスイングが早くなって軌道がづれると言っていた、だから3年前に3日目に天候が悪化した時に大叩きしたわけだ)、天気予報では残念ながらと言うか幸運にもというか晴れ微風の穏やかな天気が続くらしい。更にジャック・二クラスが話題の上る大会では彼は優勝している。二クラスの最後の全米オープン(5年前)、最後のマスターズ(今年)、更に初日2日目と同じ組で回った1999年の全米プロ、で優勝している。

5年前の大会では2番アイアンのショット「スティンガー」(魔球に名前を付けるのは架空の話としてあったが、ゴルフのショットに実在のプロが自分で名前をつけるというのもある意味凄いことだ)でバンカーに一度も入れず優勝したわけだが、今回はより攻撃的に攻めるらしい。ドライバーでワンオンを狙っていくということでしょうか。それがどちらに転ぶか、見てみましょう。

他のビッグ5はミケルソンを除けば過去の大会でやはり上位の成績を残しているが、シンを除いて調子を落としているのが気になる。グーセンは全米オープン最終日の「崩壊」のショックから立ち直っているか。エルスは大舞台で今年はあまり成績が良くない。従ってシン以外は優勝の可能性はあまり高くないのではないかと思う。

注目選手として、セルヒオ・ガルシア、ジム・フューリック、デービス・ラブ三世、を考えていた。3人とも今年調子は悪くなく、また過去の全英オープンで上位に何回も食い込んでいる。特に難しいコンディションでのスコアメイクが得意な印象がある。しかし風が吹かなく天気が穏やかでバーディー合戦になるのであれば、もっと多くの人にチャンスが出てくるだろうから、この予想も少し弱い。同じようなカテゴリーに入る注目選手として、マーク・ヘンズビー(マスターズ5位、全米オープン3位、先週の大会も3位)があげられるか。

しかし昨年優勝のハミルトンは、全英の前の6月に3試合連続予選落ちし全英の前の週の試合も59位だったわけで、何が起こるかは本当にわからないし何が起きてもおかしくないのが全英オープンなのだろう。

最後に日本選手について。片山の欠場により4人の日本選手が出場する。全英オープンはアメリカの大会と違って日本に対して広く門戸を開放している。ミズノオープン上位4人、全英予選ランクの上位2人、昨年の日本ツアーの賞金ランク上位2人、そして日本オープンの優勝者、と合計9人が割り当てられている。そこから出場するのが、高山、藤田、谷口の3人だけとはさびしい。ミズノオープン上位4人のうち3人は外国人だった。更には1月にオーストラリアで、4月にマレーシアで、予選が開催されていて上位4人に入れば全英に行けるのに日本のツアーメンバー上位者で予選に挑戦した人間は皆無だった。余りの惨状、意識の低さに本当に目を覆うばかりだ。

純粋に聖地でのゴルフを観戦することを楽しむこととしましょう。そして「Champion Golfer for the Year(その年のゴルフチャンピオン:全英オープンの優勝者はこう呼ばれる。さすがイギリス、誇り高い。)」をめぐる戦いを見ていきましょう。

全米オープン マイケル・キャンベル優勝

2005年06月21日 | Weblog
ということで予想はまたも外れてしまった。レティーフ・グーセンが3打差をつけて最終日だったのでそのまま逃げ切るだろうと思っていたが、思わぬ展開、面白い展開になった。キャンベルの優勝の最大の要因はグーセンの自滅だろう。自滅したひとつの理由はやはり先週のトーナメントに出たことから来る「疲労」ではないか。今年はガルシアも最終日に6打差のリードがあって勝てなかったしレナードも大量リードをほぼ吐き出して何とか優勝したという試合もあったので、最終日最終組のプレッシャーというのを改めて感じた年とも言える。キャンベルも何回もトイレへ駆け込んでいたが(文字通り走って行っていた)、もしかしたらプレッシャーで吐いていた、のではと邪推している。

キャンベルはアプローチとパットが良かった。昨年のグーセンもそうだったし、やはりある程度の距離のパットが入ることと、ティーショットをミスしてラフに入り刻むことを余儀なくされパーオン出来なかった場合に如何にパーを拾えるかがポイントだなあと思った。もっともラフに入ってもタイガーみたいに直接狙うという手もあるけど。キャンベルは保守的なプレーをしていた。あとゴルフのセオリーどおり手前から攻める、ということか。前に彼とフレッド・カプルスのマッチを見た時にキャンベルはプレッシャーがかかった時に左へ引っ掛けるくせがあるなあと思っていて、昨日もそれが後半に何回か出ていた(ティーショット数回とセカンドで数回)がその後をうまく処理していた。

キャンベルは苦労人で10年前の全英オープン3日目トップという鮮烈なデビューを果たしたもののその後不振で一度は欧州ツアーのシード権を失っていた。ゴルフを止めることを考えていた時期もあったがそこから復活し勝利を重ね米ツアーへ参戦したものの全く肌にあわず欧州ツアーへ戻っていった。今年も最初の5試合連続で予選落ちの後ここ数ヶ月は10位以内に何度も入る等調子は上向きだった。

他にも最終組のゴアは世界ランク818位だがお金が無いのでツアー(米2軍ツアー)を家族と一緒に自家用車で転戦。途中強盗に入られてカーステレオを盗まれても直す金が無いと言ってそのまま。3位に入ったヘンズビーも数年前にプロゴルファーになるためにアメリカに来た時はゴルフ場の駐車場に車を止めてそこに寝泊りしていた。

キャンベルは今年から開催された海外予選を経ての出場・優勝となった。始まる前に書いたとおりこの大会はアメリカ一を決める大会というのが本音だったので、非アメリカ人の優勝は非常に少ない(ここ50年で6人しかいない)。全英オープンが世界各地で予選を開催し正に「オープン」として世界一を決める大会を目指しているが、全米ゴルフ協会もやはりイギリスに対する対抗意識かより海外に開かれたオープンを目指して今年からイギリスと日本で地区予選をはじめた。そういうわけでキャンベルの優勝は全米ゴルフ協会にとっては象徴的であり一面好ましい結果かもしれないが、本音としては上位にアメリカ人が活躍しなかった、という点で複雑な気持ちなのではないだろうか。

ヨーロッパの選手はやはりガルシアを除いて上位に来なかった。暑さと「アメリカの大会」ということだと思う。ペイビンやニック・プライスなど必ずしもロングヒッターでない選手が上位に入っておりやはり全米オープンはアプローチとパターなのだろう、と思った。

上位に喰い込んだガルシア、ラブ三世は最近調子を上げてきており、特に難しいコンディションでのスコアメークが良いので、次のメジャー全英オープンではウッズとともに大いに注目される選手だと思う。トムズは3日目の最後のダボ・トリが最後まで響いた。

日本人では、今田の健闘が光る。先週も10位だったし、確実にしかし急速にステップアップしている感があり今後に期待したい。米2軍ツアーでもまれた今田が丸山よりも順位が上で、日本での予選を勝ち抜いて出場した深堀が、昨年の日本ツアーの賞金ランクで出場した片山・谷口よりも順位が上だった、というのは今の日本ツアーの現状を象徴的に表していると思う。

全米オープン初日

2005年06月17日 | Weblog
実力者がきっちりと上位に入ってきている非常に面白い展開となった。「何位」というのは余り意味が無い。何打違うか、が問題。2-3ストロークはグリーン周りで簡単に崩れてしまう。最近調子を落としていると見たビッグ5もやはりメジャーに焦点をあてて調整してきたということか。

日本選手が比較的健闘しているので良いが、是非このままスコアを伸ばして全員予選を通過して欲しい。今田は昨年米ツアーの2軍ツアーで上位に入り(賞金ランク20位までが昇格できる)今年から本ツアーに参戦している。先週の試合で10位に入っているが昨日のエントリーの通り4日間暑いなかで上位で戦った疲れが出たのではないかと思う。もっと今田みたいに2軍ツアーに参戦する日本選手が出てもいいのに、と思う。この2軍ツアーの方が日本ツアーよりも日程が長く試合数も多いので、日本ツアーとの掛け持ちは十分可能だし、2-3回上位に食い込めば本ツアーの資格がもらえるのに。

首位のブラウンは予選で59を出した選手で過去に米ツアーで2勝している(ちなみに59なのに5年前に丸山が同じコースで58を出しているのでコースレコードではない)。日が経つにつれてグリーンはどんどん硬く速くなるしプレッシャーもかかってくる。若手のスコットやドナルドなども含めて(日本選手も)、初日だけでなく今後スコアを伸ばしていけるかが問題だ。

最下位のポール・ケーシーは85をたたいている。彼は若手有望株で昨年のメジャーでも上位の成績を収めており今年も欧州ツアーで勝っている。しかし昨年のワールドカップの際に「アメリカ人は尊大でばかだ」という発言をしたと新聞に書かれて以来アメリカではブーイングがひどくてノイローゼになってしまい全く振るわなくなってしまった。

コースの設計者ドナルド・ロスはアメリカで非常に人気がある。スコットランドの北のはずれのロイヤル・ドーノックというゴルフ場のそばで生まれ育ち、アメリカで多くのゴルフ場を設計した。日本で言えばアリソンにあたるでしょう。アメリカでは設計者がひとつの「ブランド」になっていてドナルド・ロスというのはトップブランドに該当する。

まあ、週末が楽しみですね。

全米オープン 優勝者予想

2005年06月16日 | Weblog
マスターズに引き続き全米オープンも優勝者を予想してみる。考慮すべき点は下記の3点。

1.全米オープンの特徴は「暑い!」と「アメリカ一を決める大会」ということである。とにかく暑いので体力がそうとう無いと集中力を持続できない。ただでさえ繊細なタッチが要求されるのに。特に今年はアメリカ南部のパインハーストが舞台だからなおさらだ。そしてメジャーとは言えどもアメリカのナショナルチャンピオンシップであり、アメリカ人に対する応援が凄い。だからヨーロッパ選手の優勝は30年以上も無いわけだ(モンゴメリーはそれで何回も粉砕されている)。

2.マスターズと異なってビッグ5が調子を落としているイメージがある。特にビジェイ・シン。エルスも先週のトーナメントでティーショットをかなり左右に散らしていたし。ミケルソンも2-3月の勢いは無い。ウッズも先月予選落ちしたし。

3.前週の大会(ブーズアレン・クラシック)はかつて全米オープンを開催した(また数年後に開催予定)「コングレショナル・カントリークラブ」(名前の通り代議士が中心になって作ったゴルフ倶楽部)が舞台でありコースの雰囲気(南部の古い林間コース)もパインハーストと似ており事前の調整としては良いところだったと思う。パインハーストにも近いから移動も楽だし。しかし問題はこちらも暑かったこと。だからこの大会に出場した選手はかなり疲弊消耗していると思う。1で述べたように体力が大切なので前週の大会に出たことはマイナスだと思う。


ということでずばり優勝者は前週の試合に出ていなくてアメリカ人でしかも今年(特に最近)それなりに調子が良く世界ランキング上位の、タイガー・ウッズかデビット・トムズだ。

ヨーロッパ選手は無いと思う。コースセッティングが欧州ツアーと余りに違いすぎる。ガルシアは前週に優勝したしこういう古い林間コースが得意な上(NY郊外のウエストチェスターで2勝している)全米オープンで上位に食い込んだ実績もあるので、ダークホースだと思うが、残念ながら前週の試合と全米オープンと2週続けて勝った人が誰もいないので、外しておく。(ちなみに同じく若手成長株のアダム・スコットは新しいコースが得意、TPCのコースで多く優勝している)。

前回のパインハーストでの全米オープン(1999年)を勘案しまた昨年のことも考え、ミケルソンを対抗に入れておこう。

ということであまり代わり映えのしない予想になってしまった。


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このパインハーストは8個のゴルフ場を持つ巨大リゾート。アメリカのセントアンドリュースというべき存在(実際交流がある)。さらにこのリゾートの周囲に多くの別経営のゴルフ場があって、この地域はゴルフリゾートとして有名な地域となっている。全米オープンが来ることで宣伝にもなるし、今回も全米オープンとタイアップした宿泊プランがあった。何よりもこの全米オープンを開催したコースを誰でも廻ることが出来る(ただしグリーンフィー4万円)。

全米ゴルフ協会は、全米オープン開催のゴルフ場を(1)排他的だが伝統のあるカントリークラブ(2)リゾート(3)市営・州営のパブリック を順番に廻ることを決めている。例えば昨年のシネコックヒルズは開場から100年以上、会員100名程度、会員になるために数年かかるという倶楽部であり、一方、2002年・2009年に開催のベスページ・ブラックは州営のパブリック・ゴルフ場で4000円程度でラウンドできる。2008年もパブリックゴルフ場だし。パインハーストとぺブルビーチはグリーンフィー4万円のリゾートゴルフ場。

このようなローテーションをすることでゴルフの関係者が一丸となってゴルフという産業を盛り上げていこうという姿勢をかもし出している。排他的倶楽部のメンバーも、4000円のパブリックのゴルフコースに通う人も、巨大リゾートを経営する人達も、みなが一緒になって盛り上げて産業全体として成長し更なる利益を生み出していこうという姿勢がある。凄いと思うし、日本のゴルフ再興のひとつのアイディアとしても良いと思っている。

スロープレー

2005年06月15日 | Weblog
スロープレーはどのゴルファーも嫌いなもの。ティーグランドで待たされる、セカンドで待たされる。ラウンドがリズムにならない。

先週末の米ツアーで事件が起こった。最終日の、ベン・クレインとローリー・サバティーニの組。ベン・クレインはスロープレーで有名だそうで、一方サバティーニはプレーが早い。この組はラウンドの途中で前の組との間があいたのでオフィシャルから2人に対し警告が発せられ、さらにオフィシャルが時計を持って監視し2人の一つ一つのプレー時間をチェックする事態になった。それでペースが改善されなければ罰打と罰金が科せられる。

たまりかねたサバティーニは17番(パー4)でついに行動に出た。先にセカンドショットを打ったサバティーニはそのままグリーンへ向かって歩き出し、クレインがセカンドを打つときにはグリーン脇で次のショットが打てる状態になっていた。クレインがセカンドを打ちグリーンへ向かってくる間に先にアプローチとパットを済ませクレインがグリーンに着くころにはクレインのプレーを見ずに次のホールのティーグランドへ向かって歩いて行った。18番(パー3)ではグリーン上でたっぷり時間をかけたクレインがバーディで2位タイフィニッシュ。サバティーニはパーで6位。最後にごく簡単に握手をした。

プレーの後クレインはインタビューに応じ、スロープレーな自分が悪い、サバティーニは悪くない、彼の気持ちはわかる、と答え、サバティーニをかばった。

ooooooooooooooooooooooooooo

この事件は、プレー後のインタビューでクレインが「うまく(politically correct)」応じたこと、そしてサバティーニが「天狗」として有名なこともあって、サバティーニが全て悪い、という人も多い(日本語のゴルフダイジェストのHPとか)。

しかしそんな簡単な問題ではないと思う。確かにサバティーニの17・18番の行為は許されるものではない。なんといっても同伴競技者のプレーを見ていないわけだからスコアを付けられない。17番ではグリーンの脇にいたことで明らかにクレインのセカンドショットに影響を与えただろう。テレビの前、多くの観衆の前で手本になるべきプロゴルファーが堂々とエチケット違反をしてはいけない。前の組がスローだからと言って打ち込んで良いと言うわけではないのと同じだ。

しかし、プロとしてしかも優勝を狙える位置にいて、同伴競技者のせいで警告を発せられたというだけで精神的なショックは大きいと思う。ましてそれで罰打や罰金は論外だとサバティーニは思っただろう。その気持ちは当然だと思うし、プレーが早いサバティーニがスロープレーで責められるというのは少し酷な気がする。しかもクレインは自分がスロープレーヤーだとわかっているならばなぜ最初から警告が発せられないように努力しないのだろう(警告の後少しペースをあげたのでオフィシャルの監視は中断になったらしい)。

スロープレーというものにゴルフ場もPGAも比較的寛大な気がする。二クラスはスローだし、ビジェイ・シンもミケルソンもハリントンもあまり早くない。マスターズのタイガーも非常にスローだった。そしてそれらに触発された一般ゴルファーも十分に時間をかけてしまう。

だからこの事件をただ単にサバティーニへの罰金なんかで済ませずに教訓にして、スロープレー撲滅へ動いて欲しいと思う。もちろんこのエントリーはスロープレーをしている私自身に対する戒めでもあるが。(でも難しい問題だ。前の組がスローだからと言って打ち込んで良いと言うわけではないから。)


ゴルフはなぜ「18」ホールなのか 続き

2005年04月28日 | Weblog
昨日の続きです。

セントアンドリューズのオールドコースが18ホールになった経緯を書きましたが、スコットランドの他のコースはそれぞれホール数が異なりました。推測ですが、おそらくマッチプレーが主体だったので、規格化・統一化する必要が無かったのではないかと思います。

現に1860年からプレストウィック、エジンバラ(Honorable Company)、セントアンドリューズ(R&A)の3つのゴルフ倶楽部を中心にThe Open Championship (全英オープン)が開始されますが、その時のゴルフコースは、プレストウィックが12ホール、エジンバラのマッセルバラが9ホール、セントアンドリューズのオールドコースが18ホールでした。The Open Golf Championship は当時としてはめずらしいストロークプレーだったので、この3つのゴルフコースのホール数の最小公倍数、即ち36ホールをもって争われることになりました。

その後、エジンバラ(Honorable Company)が移転し倶楽部専用のゴルフコースを建設することになりました。これが現在のミュアフィールドで最初から18ホールで建設されました。また同じような時期にプレストウィックも12ホールから18ホールへの拡張を決めました。

こうして全英オープンを開催する一流コースが18ホールに揃っていくことになってようやく18ホールのゴルフコースが主流となって行きます。最終的にはR&Aが作成するゴルフルールの「ラウンド」のところで1ラウンドは18ホールと定義することで決定的となりました。産業革命後の鉄道網の拡大とゴルフのイングランドやアイルランドへの急速な拡大の中で18ホールのゴルフ場が多く建設されていくことになりました。

ゴルフはなぜ「18」ホールなのか?

2005年04月28日 | Weblog
ゴルフの1ラウンドが18ホールなのはなぜでしょうか。良く言われるのは、ゴルフ発祥の地スコットランドで寒いので小さいビンにスコッチウイスキーを入れて飲みながらゴルフをやっていたら、18ホールを終わったところでちょうどお酒が無くなったのでゴルフを止めて引き上げてパブで続きをやった、というものです。

もちろんこの話は実話ではなく、18ホールになった理由は基本的にはゴルフの聖地セントアンドリューズ・オールドコースにあります。夏坂健のエッセイの中にもあったと思います。

最初は数ホールだったようですが、最終的に11ホールまで拡大されました。当時のゴルフ場は、野原に11個の穴が2-300m間隔で一直線になって空いている程度のものです。ですので拡大といっても穴を増やしていっただけですが。当時はグリーンとティーグランドが未分離でしたので、ボールを最後に入れた穴より1クラブ以内からティーショットをして、次の2-300m先の穴を目指したのです。まさに「ホール(穴)」が単位になったわけです。

11ホール分、約3000mを真っ直ぐにプレーしながら進み、帰りはこの約3000mを歩いて戻って街に帰ります。今と違って周回の形にはなっていません。プレー終わった後に3キロも歩いて街に戻らなければならないのは、ある意味苦痛です。そこで真っ直ぐ突き当たりまで言ったら180度転回して前の穴に向けて逆方向に打っていく、そして順々に前の穴へ打って行って街へ戻っていく、ということが始められました。これで22ホールになります。このため街から出て行くことを「アウト」、街へ戻っていくことを「イン」と呼ぶことも始まりました。

しかし更に問題が発生します。例えば7番グリーンは6番から打ってくる人と8番から戻って打ってくる人の両方が使います。また7番グリーン上には8番グリーンへ打っていく人と6番グリーンへ戻って打っていく人がいます。この交通整理は大変です。プレーする人が増えてくると待つ時間が非常に長くなってしまいます。そこで、まずグリーンについて、アウトを廻っている人とインを廻っている人の使う部分を分けるようにしました。即ちグリーンの半分はアウトの人用、残り半分はインの人用というように。これがオールドコースにダブルグリーンが多い理由です。また1つのグリーンを共有しているホールの番号を足すと全て18になるのも、この由来に関連があるといえます。

さて、その後、更にコースの改良が進められ、次にティーグランドがグリーンから分離して独立したものとして作られました。また短いホールをいくつか統合してアウト・インそれぞれ11ホールから9ホールとなり、ここに18ホールのコースが完成しました。

ちなみに、現在オールドコースは反時計回りでプレーされていますが(ダブルグリーンの向かって右半分を使って廻っていく)、実はそれとは反対に時計回りでプレーすることも可能です。というよりも時計回りが元の姿だったようです。即ち今で言えば1番ティーから17番のグリーンへ打っていき、次に16番のグリーンへ打っていくというプレーであり現在でも可能です(確か4月は今でもそうだと思います)。最初にこの話を聞いたときにかなり驚いたのですが、これは上記の経緯を考えると比較的理解されやすいのではないでしょうか。

長くなりましたので続きは明日以降。