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蛙の掘立小屋~カエルノホッタテゴヤ~

蛙のレトロ探求と、本との虫と、落語と、日々の雑事。

小金があったらやってみたい商売

2005-03-28 22:30:18 | お話大好き・小説編
もっしも、僕に、小金があったらなぁ~♪
と、謎の歌を歌ってしまいましたが。

もし宝くじや何かで後顧の憂いなく使える濡れ手で粟のあぶく銭があって、それを嘘でも商売の格好をしたものに使うとしたら、皆さんならどうします?ちょっと試してみたい夢や思いつきって、ありませんか?思いつきで結構です。蛙自身、至って経済観念の薄い奴ですし、極楽トンボですので実行しようという気は、今のところありませんが。

さて、蛙がやってみたい思い付き商売その1は、ネット書店(?)です。勿論、セブンアンドワイのように、素人出店可能なネット書店があることは知っていますが。置きたい商品が、ちょっと特殊。地方の小さな印刷所から出したような本や、自費出版、各地博物館や美術館が出した図録を主に扱う書店をやりたい。ISBNのつかないような“本”ばっかりの。
だって、勿体無いじゃないですか。とても面白い良質の本なのに、小さいばっかりに世に出ないなんて。

蛙は基本的にネット書店は好きません。成程、買いたい「本の題名」「作者」「ジャンル」が明確に決まっている場合は便利でしょうが。偶然の出会いや、掘り出し物、一目惚れの本と出会うには、あまりにも不便。ですが、小さな良質の本を、地理的ハンデを乗り越え、市場原理にパンチかまし売るには、ネット書店が理想的だと思うんです。

以前、東京・神田で「いいな」と思った、地方出版専門の書店さんを見つけたのですが、次に東京に行ったときは、残念ながらシャッターが閉まっていました。お休みだったのか、それとも……。
もう一つ、蛙が東京に行ったときに書籍(?)ハントをするのが、国立博物館のミュージアムショップ。書籍コーナーでは美術書の他に、地方の美術館・博物館が出した図録が販売されています。それぞれの館や展示のポリシーを背負った、個性派ぞろい。東京に行って、あそこに行かないなんて、本好き、美術好き、歴史好きには、絶対勿体無い!

そんな、名前を知られない本を、集めて、紹介して、売り飛ばす。本当に、飛ばす。そんな書店を開けたらなぁ……と思うのです。

……思うだけの辺りが所詮蛙ではありますが。でも、そんな書店が本当にあったら、是非、教えていただきたいし、またそういった書店を開きたい人がいたら、言葉のみではありますが、応援したいです。
その2以降は、また機会があればお話するかもしれません。

追伸:
冒頭の謎の歌は、『ひょっこりひょうたん島』でハカセ君が歌っていた「もしも僕に翼があったらなぁ~♪」のパロです。ファンの方、すいません。
でも、この歌大好きですよ。本当ですってば!

図書券は現金です

2005-03-22 23:07:15 | お話大好き・小説編
ズボラな蛙が唯一やっている節約法は、チケットショップでの図書券購入です。大学生の頃は生協書店の5%引きやセールを利用していましたが、卒業後はヤッパリこれです。蛙の縄張りでは、大体額面の3%引きらしく、500円券が485円で売られています。一見少ないようで、チリも積もれば山となる。気まぐれに本を買い倒す蛙には、有りがたい差額。
しかし、皆様ご存知、図書券廃止。
今更の話題であることは、重々承知。それでも、一利用者の立場から言うと不便です。いくら図書カードに統一されるからと言ってもねぇ。
先ず、図書カードの端末を持っている本屋さんでしか使えないということ。蛙が掘り出し物を探すときに使っている古本屋さんでは使えなくなる……(泣)。
そして、端数がややこしい。財布に大きいお金しかないとき、お釣が貰える図書券はお手軽でした。(←本屋の首を真綿で絞める行為<爆>)でも図書カードは、変に細かい金額が残ると、その後が使いにくい。

ただし、図書カードならではのサービスが出来る可能性もあります。只今郵政公社で話題(?)のマイ切手。あれと同じようにマイ図書カードが作れるようになったら、プレゼントにいいと思いませんか?
蛙は図書館から転属するときに、図書仲間から餞別は何がいいかと聞かれて「『100万回生きたねこ』をくれ」と言ったところ、「記念にならん。会費の関係もあるから、もうちょっと高いものを言え」と却下されました。そこで要求したのが図書カード。これなら残りますから。とはいえ、何の変哲もないピーター・ラビット図書カード。これが仲間からの一言メッセージがついていたりすると、嬉しいけどなぁとか。職場の風景がプリントされていたら、後日眺めて懐かしいだろうなぁとか。思うわけです。

いずれにせよ、さらば式部ちゃん(勝手な愛称)。君との節約と知的遊戯の日々は忘れない。

読んでます?エンターテイメント・ブログ

2005-03-17 21:15:18 | お話大好き・小説編
蛙と同じくgooの店子になっている方々はもうご存知でしょうが、万が一この地の果てブログを見ながら気がついてない方の為に宣伝です。
ブログのメニューにあるブログエキスポはご存知?
その中にエンターテイメント・パビリオンというものがありまして。要はブログを使ってドラマを展開させるワケです。
思っていたよりも面白いですよ。恋愛もの2本と、現代版怪談ホラー(メロドラマ風味?)が1本の3本立てです。
もうちょっと字配りやレイアウト等の見せ方に気を配って欲しいな、とか。
コメントに反応している様子が薄いと、ネットでやる意義も薄いンじゃない?(現実問題として個々のコメントに対応するのは無理だけど)
……等々。注文が無いわけではありませんが。(爆)
お暇な方はご一読を。

ブログが日記の形態に近いということで、勝手にweb日記風小説と分類し小説カテゴリでお話させていただきました。

追伸
ホラー版のやつは、内容が内容だけに、他の2本とは異なる注意書き(フィクション云々)がしてあります。
どう違うか探してみるのも一興。

病気の日には本を読もう

2005-03-03 18:20:12 | お話大好き・小説編
と言うわけで、本日病床にてボチボチと読んだ本について。
熱でイカれた脳味噌が完全復活していない時分には、読みやすくなおかつある程度中身がある児童文学なんかがうってつけだったりします。本日蛙が読んだのが、筒井康隆さんの『わたしのグランパ』です。

★あらすじ★
周りの大人たちがどんなに隠したって、珠子は薄々気がついていた。お祖父ちゃんは刑務所に入っているんだと。そして、その刑期も終わろうとしていることを。
両親はなにかとカリカリし、グランマは名古屋の叔父さんのところへ逃げていってしまう。お祖父ちゃんって、どんな人なんだろう……一抹の不安を抱える珠子。そうでなくても、家庭問題だの、いじめだの、悩みの多い年頃。今日もしつこいいじめグループを振り切ろうとしたときに、和服着流しごま塩頭のやさしい目をした人が声をかけてきた。
「珠子じゃねぇかい」

この本の存在を知ったのは、一昨年です。図書館で偶々見つけた文庫本。キュートなお嬢ちゃんと超格好いいおじい様のツーショットにクラクラときてしまいました。その上、題名がイイじゃないですか!グランパ、ですよ!ハイカラ(笑)な呼び方が、着流しダンディとマッチして、とても素敵なおじいさんを連想させませんか?まさに、表紙に一目惚れしました。
……なのに、見つけた当時は借りなかったんです。多分、他に借りたい本があったからでしょう。そうして、お約束の生き別れ。それから1年、ご縁がありませんでした。

それが先月、図書館でばったりと再会。今回はハードカバーでしたが。今回借りなきゃ今生の別れとばかりにカウンターにもって行きました。大正解でした!!
なんて侠気溢れるおじいさん!それでいて、ヤさんくさいところは一切無し。むしろ、無法松とかそういった人を連想させます。(蛙は一体いつの時代の生まれだ?)
学校の不良たちには決して見て見ぬフリをせず、かと言って警察くさい手もとらず。一対一の男の話で改心させてしまう器の大きさ。地上げ屋の組長とサシの勝負をしてまで自分の筋を通す頑固一徹。挙句の果てには刑務所に入る前に、暴力団から隠した(?)武器で銃撃戦!
でも、そんな無茶もひとえに可愛い孫娘のため。珠子ちゃんが読者も納得の可愛い、頭のいい、度胸のある、はつらつとした女の子で、イイ感じです。
無茶し放題のグランパですが、決して恐れるものが何も無いってわけじゃないんです。組長対決のときに、今度務所に入ったら死ぬまで出られないと考え震えがくるシーンがあるんですね。そいうところが、超人的じゃなくて素敵です。

こんな素敵なグランパとも、少しあっけなく、そして切なく温かい別れが……。
こんな人いないと思いつつ、こんな人になれたらいいなぁと思わせる市井のヒーローです。

文庫版の情報はこちら。

蛙気まぐれ雑貼帖

2005-02-26 07:13:51 | お話大好き・小説編
蛙家では中日新聞をとっているワケですが、3月から宮部女史の連載が始まるということで、切り抜きでも始めようかなと、スクラップブックを買ってきました。
新聞連載。波長が合う作家と会わない作家(或いは作品)の差が大きいですよね。本なら勢いでとりあえず読んでしまうことも出来ますけど。決められた量を毎日ですから。大抵は毎日読んで、はいまた明日、です。酷い場合は、最初の数日で然様なら。でも、波長が合って共振現象まで起きてしまった作品もたまにはあるんです。
中学のときに楽しみにしていた宮城谷さんの『孟嘗君』、ちらっと朝日を取っていたときに読んだ白石さんの『異人館』、最近のものでは重松清さんの『とんび』……。これら数年に一度のサイクルでやってきた共振作品。切り抜きたい!と思った頃には既に遅く、連載して1ヶ月ぐらい経っています。
今回は宮部女史なので、波長が合わなくてもそれほど大外れってことも無いだろうと、スクラップを始めてみます。

ついでにもう一冊買ってみたスクラップブック。こちらは名づけて(?)“気まぐれ雑貼帖”。何に使うかと言いますと……。第一印象で蛙が気に入った絵と、重大じゃないけど面白いと思ったニュースを貼り合せていきます。
例えば写真ですね。たまたま新聞の写真に載っていて、いい顔してるな、と思った写真をチョキチョキと。あるいは、コマ漫画でシャレてるなぁ……チョキチョキ。このラスト、いい味出してる……チョキチョキ。
根性さえ続けば、そのうちに蛙の深層心理を表す一冊になる筈です。続けば……ね(苦笑)。

懐かしの本なんだけど…

2005-02-24 23:23:02 | お話大好き・小説編
蛙の読書歴の中では、一旦買った本を古本屋に売るという行為は最近覚えたものです。それまでは、溜め込む一方。一度売ってみると、本と縁を切ってしまう罪悪感(?)よりも、不要な本のスペースに欲しい本を置ける快感が勝ったようで、またボチボチ書棚整理とプチ収入を兼ねてBookoffにでも売ろうかなという本が出てきました。
一遍読んだだけで、愛着も何も湧かなかった本は別にどうだっていいんです。でも、以前熱烈に好きだったことのある作品なり作家は、やはり躊躇ってしまいます。特に、思春期に夢中になったような本は。
今、蛙がその対処に悩んでいるのが、田中芳樹氏の『アルスラーン戦記』です。中学・高校のときに、夢中で読んだなぁ……。現在ノベルズ本になって出ていますが、蛙が持っているのは文庫本。天野嘉孝さんが挿絵を書いているやつです。当時、この作品にモロに影響を受けた蛙は、西アジアもどきの世界を舞台にしたコバルト風の小説(?)を書こうとしたくらいです。……結局設定だけで終わりましたけど(爆)。
これほどまで恩恵を与えてくれた作品が、蛙の中で売却予備リストに入るくらい過去になってしまった理由は、やはり、長い休止期間です。諸事情で休止せざるを得なかったのは分かります。が、もはや新作が出てももう一度このシリーズに波長を合わせようという気は起きなくなりました。
もう一つ、田中さんの名前が作家としてではなく、看板として一人歩きを始めた現状に不満を持っているからです。最近、田中さんが原案、あるいは初期のストーリーを書き、別の方が小説に仕上げるというパターンが多すぎるような気がします。一人の親方格に対して徒弟制のような作家集団ができることも決して否定はしません。むしろ、田中さんのような比較的幅広い年代に歓迎される方こそ、若手さんの面倒を見てあげて欲しい。
しかし、親方の名前を看板にするのは別の話。本という形態で出すからには、実際筆を動かした人の名前で勝負をするべきだと思います。両者の名前の併記は、悪く言えばその作家さんが田中さんの亜流であると言っているみたい。

結局蛙には、この遅筆で職人気質の作家さんのファンであり続ける根性は無かったようです。田中作品を離れて久しい蛙が、とやかく言うべきことではないと分かっていても、つい苦言を言いたくなるのが、本音です。
青春の未練は残るのか、薄紫色の背表紙を観てため息をつく日々。
この本も、当分はウチの本棚にい続けるでしょう。

ハウルよりも好きなのは……

2005-02-17 19:14:16 | お話大好き・小説編
さて。本日は「お話大好き・小説編」です。蛙は「お話」、限りなく広い意味での文学が好きです。だから、小説から、戯曲、映画、ドラマ(……はアンマリ見ないけど)、コミック、語り部さんの昔話、果てはゲームシナリオに至るまで。そういうわけで、当ブログでは「お話」をいくつかのジャンルに分けていきたいと思っています。

先ずは小説編。
タイトルを見て「ハウルって宮崎映画の原作の?」と思った方。そのとおりです。
「ハウルより好き……ってことは、ハウルってアンマリ面白くないの?」と思った方。いいえ、そうではありません。
原作ハウルも面白いですよ。映画とは8割方別物ですけど(笑)。←9割と言わないだけ、蛙にしてはまだ可愛い。
ですが、原作者、ダイアナ・ウィン・ジョーンズさんの作品で、蛙がハウル以上に好きな作品があります。
それは、『私が幽霊だった時』です。

……そして、それ以上に好きなのが『九年目の魔法』です。
『私が~』は以前、サイト運営をしていたときにご紹介させていただいたので、今回は『九年目の魔法』のほうを。

★あらすじ★
大学生ポーリィは、ふと自分の周囲が記憶していたものと何か食い違っているような気がします。昔、魔法のように不思議な空想を掻き立てた写真。今読み終えた、ペーパーバック。本を寝かして置くのは、大嫌いって……おばあちゃんが言ったんだっけ?
そして、ハロウィンの日、あの大きな人気の無いお屋敷で。ひょろりと背の高い、男の人……リンさんに出会ったような気がする!
ポーリィは記憶がねじれた原因となった日の回想を始めます。自分と、“リンさん”と、美しく恐ろしい魔女の因縁に気がつかぬまま……。

文庫の裏には「少女の成長と愛を描く現代魔法譚!」とあるのに、どこが魔法なんだろうと思いました。最初は。……というか、全体の2分の1を読んだ頃までは(爆)。ジョーンズ作品はこれが初めてだったので、現代イギリスを舞台に巧みなファンタジーを(或いは、ファンタジーに現代イギリスを)巧みに持ち込む作家だって、知らなかったンです。「偶然」知り合ったやさしい男の人と少女が文通を通して英雄物語を作っていくあたりが、「魔法」なのかな?と思っていたのですが……。
読み始めた当初は、文通に見え隠れする少女の恋心に目が行ってました。他にも、両親の離婚と母娘関係の難しさ、友情と簡単には言ってしまえないような「親友」との関係。少女小説と言ってもいいようなノリです。
少女ものふうのおセンチが苦手な人には辛いかも(爆笑)。あと、文中にファンタジー小説をはじめ、英米文学の金字塔がバシバシ出てきますので、それらがどういう本か一々理解しないと読み進める気がしない完璧主義者にも辛いかも。まぁ、『指輪物語』が出てきたときに、「あ~、映画見たみた~♪」という程度でいいのではないかと思います。
前半は一見どこにも見当たらない魔法。実はちゃんと周到に用意されていたんですね。一体いつから始まっていたのか……。最後まで読んで「やられた!」と思ってください。そして、「読み返したい!」と思ってください。
ラストちょっぴりヒネリの聞いた、恋愛小説です。

この作品は東京創元社より、浅羽莢子さんの訳で出ています。佐竹美保さんの綺麗で不思議なカバーもgood!

東京創元社はこちら
『九年目の魔法』(文庫)ページは、多分、これ。