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蛙の掘立小屋~カエルノホッタテゴヤ~

蛙のレトロ探求と、本との虫と、落語と、日々の雑事。

2時間ドラマ版『金田一少年の事件簿』雑感

2005-09-24 23:47:50 | お話大好き・コミック編
2時間ドラマ版『金田一少年の事件簿~吸血鬼伝説殺人事件』見せていただきました。実は、連続ドラマor映画実写のはじめちゃんはあんまり見たことがないもので。実写版はじめちゃんとじっくりお付き合いするのは、これが始めてです。

先ずは、良い点を。
・スタートの時点では、あくまで普通の高校生であること。
コミックの場合、ヒーロータイプとでも言いますか、最初から探偵としても人格の上でもデキる奴だったんですが。フツーの甘ったるいボーズから始めるという辺りが、ある意味リアルです。
・剣持警部が人生の先輩として、良いリード役になっていること。
警部が逃げ腰の主人公にカツを入れるシーンには、共感しました。だって、前半の軟弱ぶりに、張ったおしてやりたくなっていたところですから(苦笑)。
・主人公の成長を描こうとする態度
原作を違った角度から設定しなおそうという姿勢は評価します。
・原作並みに胡散臭い容疑者たち
やっぱり、金田一少年モノは、被害者と犯人を除いた容疑者たちも、思いっきり胡散臭くなくっちゃ♪(爆)

次に悪かった点を。
・キャラクター設定が違いすぎ。
剣持さんと金田一が「吸血鬼~」で初対面というのが、原作ファンとしては違和感がありすぎます。しかし、何より抵抗を感じるのは主人公の性格が、まったく違うこと。亀梨くんは可愛いんだけど、もっとはじめちゃんらしい骨のある個性派の男の子は見つからなかったのかなぁ?
・演出・演技の掘り下げ不足
剣持さん以外は、どの登場人物にも、殆ど共感できなかった。
・セットが安っ!
「あ、これ人工芝」とか、「これプラスチックね」とか、「廃墟の遺留品にしては新しすぎ」とか、「血糊染料赤すぎ」とか、細かなところで雰囲気が殺がれまくり。
……他沢山(大爆発)

結論を言いますと、中高生向けミステリーとしては五つ星評価の★★★、くらいに評価しても良いですが。
金田一少年ものとしては、★(星ひとつ)評価。

この際、正々堂々とシナリオとファミリーキャラの主要設定のみは利用したが、後は普通の高校生が名探偵へ成長していくヤングアダルト・ミステリーとして再構成した全くの別物と宣言した方が気持ちが良い。

要するに、
あんなの、はじめちゃんじゃないやい!
ということです。

続編が出たら、原作ファンとして一応見ますが。しかし、頭の中は完全に別物と、チャンネルを切り替えて見ます。

お次は、コミックバトン 行ってみよ~♪

2005-08-13 23:06:28 | お話大好き・コミック編
豊田さんに落とされたバトン、第二(?)弾です。
最近、コミックに疎くなっているので、慌ててブック○フ等で立ち読みしたですよ、はい。

所有しているマンガの数
現在データに入れているのは83冊。しかし、まだ全ての入力が終わっていない&一部売買したので、結局何冊か分からない。

今面白いマンガ
宮下英樹『センゴク』

面白い!でも……ごめん。ブッ○オフで立ち読み。
最近の作品を読んでいないので、豊田さんからバトンを渡されて慌てて読みました。
それにしても、部活のマネージャーなノリの寧々さまが……(苦笑)。

ついでに言えば、今気になっている漫画は、『海猿』です。今更って言われそうだけど(苦笑)。
あと、『爆音列島』も気になっているけど、未読です。





最後に買ったマンガ
こう言われると、何か買ってきたくなってしまいました。
そして、買ってきてしまいました。(おいっ!)
『手塚治虫名作集2』(集英社文庫)と、『うる星やつら』17巻、18巻(文庫版)です。
高橋留美子作品で、『うる星』『らんま』『犬』を比べたら、お気に入り順序が←のとおりになってしまう辺りが、蛙の年代を如実に表しているというか……。いや、みんな面白いんだけど。

さらにその前は『金田一少年の事件簿 短編集1』でした。

よく読む、または特別な思い入れのある5つのマンガ
『地球大紀行』
2005年8月13日現在、アマゾンで手に入る状態になっている!ビックリです。
所謂「学習まんが」でして。「漫画&ゲーム禁止令」の家で育った蛙が買ってもらえるコミックは、この種のものだけでした。ちなみに、両親の努力があまり実らなかったのは、ご覧の通りです(爆発!!)。
ついこの間発掘するまで、コレの存在を忘れていたのですが(笑)。
NH○ヒットシリーズのうちの一つを、コミック化したものです。実際スタッフだった方々をモデルにし、地球の成り立ちを各地の取材という形で紹介していくコミックです。
何が楽しかったかと言うと、テレビ番組の作り方がホンの少しですが分かるということで(勿論、嘘の部分もあるでしょうけど)。地球の謎が解けていく(?)過程と、それをTV番組にしていく過程の両方にワクワクしました。地球最初の雨のイメージ映像を撮るシーンがお気に入りです。
ちなみに、この漫画では、知的系美人キャスターだった桜井洋子さんが、すっかり天然娘になっている(笑)。

大和和紀近代史三部作
『はいからさんが通る』『ヨコハマ物語』『NY小町』
三つまとめて一つで、夜露四苦。(爆)
どれも好きなので、反則技を。
近代史といえば、『虹のナターシャ』もあるけど、こっちはちゃんと読んではいません。それに、面白いけど上記三作とは、やっぱり毛色が違うので。原作が別の方(林真理子)だからかな?

『内閣総理大臣 織田信長』志野 靖史
笑えた~。殿のやり方はムチャクチャだけど、ある意味庶民的で平和だった。今の剣呑な社会では、シャレにならない作品かもしれない。
ネット配信されているようですが、書籍を手に入れるのは難しくなっています。
気に入っているエピソードは、新札導入の話、ジャパニーズ忍者ホワイトハウスに潜入、内閣解散総選挙(笑)で太閤はんタイガース優勝を公約に、ジャパニメーション技術の粋を尽くし核廃絶条約デッチ上げ、陸自総動員で札幌雪まつり1/1スケールの安土城、首都移転計画、兵馬俑の必殺陣、国連本部で「イマジン」絶唱の殿、お市さま&勝家南極へ愛の逃避行……ほぼ全部じゃん!
時たま画面の隅に登場し、木下議員に「お前、また出世したな」と言っている石川選出前田利家議員を見ると、「同郷だなぁ」と思ってしまう。

『コミカル・ミステリー・ツアー』いしいひさいち(創元推理文庫)
これも、笑える!いしいさんのギャグ&パロが炸裂のシリーズです。タイトルまで、密かにパロ!原作『別れを告げに来た男』がいしい版『別れをツッコミにきた男』になっている時点で、爆笑。
知らなくても、笑えます。寧ろ、原作を読んでやろうという気にさせるから、凄い!
ここまで頭が切れて、読書量もある「アホ」は、そうそういないと思います。(断然、褒めてます)

『バジル氏の優雅な生活』坂田 靖子
ホームズファンで、ヴィクトリア朝に弱かったことにより、手を出し始めた。
坂田さん独特の余裕とユーモアが、最高の形で現れた作品だと思います。
ビクトリアの「求愛」が最高です。恋でもなく、結婚でもなく、友情という形の愛を求めた女性。格好いいです。

他にも、『沈黙の艦隊』(『瑠璃の波風』含む)、『天才柳沢教授~』&『不思議な少年』、『陰陽師』、『シティハンター』&『エンジェル・ハート』、『Drランプ~』、『鉄腕ガール』、『ブッダ』、『燕京伶人抄』、『花の慶次』などなどなどなど……。取り上げたいものは一杯ですが、現在の気分&蛙の正確サンプルになる&どちらかというとマイナーなものを基準に挙げてみました。

バトンを渡す五人
ローズマリーさんが拾ってくださいました。どんな回答をされたかは、見てのお楽しみです♪

コミック映像化と実写ドラマ

2005-08-02 21:04:50 | お話大好き・コミック編
職場の先輩と喋っていて自分の好きなコミックの話になったのですが、どうやら蛙は少年趣味の傾向があることが判明。しかし蔵書のコミック文庫は、何故か少女趣味なタイトルが多い……(汗)。自分の積もりとしては、面白いものならどちらも均等に読んでいた筈なんですが。

話しているついでに話題になったのが、コミック映像化作品。『ドラゴンボール』はお互いに初期路線派(「Z」になる前)ということで意見が一致。『スラム・ダンク』アニメは先輩「イマイチ、イメージが違う」、蛙「ま、あんなもん」。
お次はドラマ版『H2』。先輩「結構見とったよ」、蛙「キャストのイメージが合わなくて、ストーリー端折りすぎで、え~っ」。ちなみに、先輩は原作を読まず、蛙は偶にチラチラ読んでました。
そして、この夏公開予定の映画2本。『タッチ』と『NANA』。先輩は『タッチ』→○、『NANA』→△。蛙は逆です。
話していて気がついたのは、お互い原作を知っているコミックの映画には抵抗があり、タイトルのみ知っている作品には好意的、或いは好奇心を持っているということです。
コミックは文と絵、両方を使う分、読者に特定のイメージを植え付ける力が強いです。ですから、絵柄はある程度似せておくことが出来るアニメに比べ、実写は原作に対して厳しい戦いを強いられることになるようです。たとえ役者さんのキャラクターを上手く引き出しても、原作にユニークな解釈をしても、「絵」の段階で入口に入って貰えなかったら。それは勿体無いことです。
逆に、気になっているけど、まだ手を伸ばしていないという人に対しては、アニメよりも門戸の広い入口になりえます。「アニメ=オタ」という図式があって、アニメだと入りづらいという人には。

原作を墨守する、スノッブなファンにはなりたくないので、映像化作品はなるべく受け入れようとは思っているのですが、この夏『タッチ』を観にいくかは別問題(苦笑)。『NANA』なら行くかもしれない。

杉浦日向子さんを悼む

2005-07-30 21:27:25 | お話大好き・コミック編
熱心なファンというわけではないのに、こんなことを書いてしまった良いのだろうかという気もしますが……。そんな蛙から見ても、杉浦さんの創作態度は尊敬すべきものでした。

所謂レトロも含めた時代物と呼ばれるジャンルの作家を、蛙は勝手に3分類しています。1、当時の世界を忠実に再構成するタイプ。2、時代考証の面で分かって嘘を吐くタイプ。3、自分が嘘をついていることさえ分かっていないタイプ。厳密に言えば、4、何らかの必要・或いはポリシーがあって、敢えて時代考証を全く無視するタイプ、がありますが、その場合は時代物と呼んでいいのか問題がありますので、ここではカットします。
杉浦さんは言うまでも無く、1の典型でした。(ちなみに、2は大河ドラマ『新撰組』、4『真夜中の弥次さん喜多さん』と、主観的例をあげてみました。3は個人的な好き嫌いもあるので、挙げません<逃>)
江戸時代は勿論、好きな筈のレトロといわれる世界にしたところで穴だらけの知識なので、人様の時代考証についてどうこう言えた立場ではありませんが。どの程度その作家が研究した上で書いているか、読めば大体伝わってくるものです。蛙の理想としては、2の水準の作品が書けるようになって一人前です。
嘘と知っていて嘘を吐く。自分が伝えたいメッセージ、築きたい世界観に抵触する場合、こっそりそれを隠してしまう。或いは雰囲気を出す為にありもしない言葉や風習を作り上げ、「なぁ~んちゃって」と舌を出す。普通作家というのはそんなものだと思います。(所謂ノンフィクションでも、それは変わりません。彼らは“事実”を取捨選択し、解釈しているのですから)
しかし、杉浦さんの作品から伝わるのは、現在と確かに地続きなのに、全く異なる価値観が動く江戸でした。それがどれだけ特異なことか、現在人気のある時代小説家の作品を思い浮かべてみてください。宮部みゆき?平岩弓枝?山本周五郎?藤沢周平?司馬遼太郎?……敢えて言うなら、池波正太郎の鬼平シリーズが1に近いでしょうか?しかし、作品世界を動かしている価値観は、現在(近代以降)の私たちに近いものです。但し、岡本綺堂のような、実際江戸の最後を生きていたような人は別格です。
かといって、研究しつくし、完璧に再構成すればよいかというとそういうわけではありません。研究成果の成熟と発酵の無いまま作品化すれば、知識に振り回された情報小説になってしまいます。(具体例が誰のどれとは言わんが……)杉浦さんの作品には、この指とまれで読む人を選ぶが、決してそういった押し付けがましさは無かったように思います。杉浦さんが果たして2的手法を使ったかどうか、分かりません。しかし、その分からないというところがまさに縫い目の無い天の衣……天衣無縫でした。

蛙は『百日紅』と『百物語』が好きです。未読の方、お勧めします。

大詩人の名を持つ不老の少年たち『ポーの一族』

2005-06-09 21:42:12 | お話大好き・コミック編
本当は2~3年前に古本屋で立ち読みをしたんだけれど、そのときは波長が合いませんでした。しかし、先日『11人いる!』を購入したせいか、もう一度立ち読みしなおすと、ピッタリ。せっせと文庫3巻揃えてしまいました。

★あらすじ★
ロンドンの洗練された空気を纏ってきた美しい一家がいた。ポーツネル男爵、妻シーラ、子息エドガーと息女メリーベル。しかし、彼らの正体はバンパネラ、人間の血無しでは生きていくことができない吸血鬼だった。彼らが町にやってきた目的は新たな血、新たな仲間を手に入れる為だ。
ポーツネル男爵が目をつけたのは、シーラに気があるらしい若い医者・クリフォード。しかし、エドガーは自分たち兄妹の孤独が理解できない男爵に反発。馬場の事故で出会った少年、アラン・トワイライトを仲間に引き入れようとする。

蛙がこの作品に興味を持ったきっかけは、主人公たちの名前「エドガー」「アラン」「ポー」です。言うまでも無く、大詩人・大作家の名前。ですから、初めて立ち読みをしたときは、『黒猫』とか『黄金虫』なノリを期待したワケです。そうしたら、いきなり少女漫画全開の吸血鬼話だから、そりゃあ、波長は合わんよなぁ。
しかし、今回読んでみると、EAポーの世界と全く関係が無いわけでもなさそうな気がしてきました。例えば、エドガーの追跡者となるオービンは鹿撃帽(ディアストーカー)を被っていることから、エドガーに「ホームズの帽子」と呼ばれます(ついでに、インバネスまで着ている、この小父さんは)。「ポー」を追う「ホームズ」、探偵小説の歴史そのものじゃん(笑)。
それから、エドガーの妹・メリーベル。彼女を見ていると、ポーの『アナベル・リー(Annabel Lee)』を思い出してしまいます。海辺の国で「僕」と子供のように愛を超えた愛で結びついていた「アナベル・リー」。しかしその幸福が天使の嫉妬を買い、彼女の死を招いてしまう。『ポーの一族』は『アナベル・リー』の長大なコミック化作品ではないかという気がしてきます。(萩尾望都さんのコメントを読んだことが無いので、実際には何に着想を得ていたのか知りませんが)そういえば、エドガーは雷が好きだって言っていたけど、『ひとりで(Alone)』の少年も雷が好きだったなぁ……。
この長い物語で一番好きなシーンは、最終章「エディス」で、年老いたオービンが夢とも幻ともつかぬ空間でエドガーと再会する場面です。エドガーの髪を撫でるオービンに、時に流され時を追う者の悲しみが、黙って撫でられているエドガーに時から孤立し過去ばかりが圧倒的に増えていく者の悲しみが凝縮されているようで。
オービンの悲しみは、歴史を愛する者のそれと、似ているような気がします。

乙女ちっくSF大河浪漫=『続・11人いる!』

2005-04-27 23:25:03 | お話大好き・コミック編
萩尾望都さんの作品は、これしか読んだことがありません。そんな蛙が話題にしてよいのやら……(本来はよくない!)
さて、最初に『11人いる!』の存在を知ったのは小学生の頃でしょうか。当時市立図書館にレコード(?!)視聴室なるものがあったのですが、そこに映画版『11人いる!』のサントラあったので、適当に聞いていました。音楽はぜんぜん覚えていないのですが、スタッフの方が学生時代、彼女から「ハギオモトって知ってる?」と聞かれて、知らないとも言いにくく植物の名前だということにして話をあわせたというエピソードが書いてあったことだけ覚えています(爆)。
大体のストーリーを知ったのは、中学の頃。クラス活動の時間でお約束のビデオ鑑賞で。面白かった~。SFものと恋愛・友情ものが程よく混ざりあっていました。丁度、推理小説ノベルスにハマっていた時期でもあるので、謎解きの要素があるのも嬉しかった。しかし、ご他聞にもれず、漫画は好きだけどお目々キラキラにはかなり抵抗がある世代。というわけで、原作には触れないままでした。
高校時代、学校帰りの立ち読み天国で原作を斜め読み&続編があるらしいことを知りました。
そして、先日、懐かしくなったので読んだわけですが……!!

★『続・11人いる!東の地平西の永遠』あらすじ★
宇宙大学の同期であり婚約者同士でもあるタダとフロルは受験仲間だった王さま(バセスカ)が統治する惑星アリトスカ・レを訪れる。経済力の無い小国は、急進派と保守派の対立が見え隠れしていた。急進派の中心人物・バパ大臣は、先代が強化した軍事力でもって同じ恒星の周りを回るもう一つの惑星アリトスカ・ラを同盟の名の下併合しようと計画。そして、その国は、同じ受験仲間の四世(ドリカス)の故郷だった……。

SFという手法で、神話・伝説や大河ドラマ、メロドラマを一つにしてしまったような作品です。ただし、これが「円卓騎士伝説」が文化的背景にあると『スター・ウォーズ』になり、日本少女漫画が背景だと『続・11~』になる(笑)。いや、すげーのなんのって。
超能力開発講座の先生は名前が「アテナイ」で、ギリシャ神話風の格好で。四世の妹・チュチュはベルバラか何かに出てきそうな格好で。おじさんたちはご立派な陰謀を企てる割に、学生たちに振り回されっぱなしだし。タダとフロルはひたすらイチャつくか痴話げんかで(爆)。ツッコミどころ満載です。
硬派なSFファンは腰抜かすでしょうが、これだけの要素を一つに受け入れられるのが少女漫画の凄さだったんでしょうか。ある意味、最近の少女漫画には見られない、良くも悪くもコテコテ風味です。

デジタル派イラスト?アナログ派イラスト!

2005-03-30 21:59:29 | お話大好き・コミック編
どうやら漫画家・イラストレーターさんには、デジタル処理が似合う人と、アナログ画方が似合う人がいるような気がします。どちらの方法をとっても、画風に大差が無い方もいますが。

個蛙的に、デジタル処理をするようになって絵が変わっちゃったなぁと思うのが、JETさんです。かなりアクの強い画を描く方ですので、好き嫌いが大きいとは思います。(蛙は好き~♪)シャーロキアンで、金田一耕助ファンという辺りも、蛙とは相性がぴったりで。(笑)

さて、こちらのJETさんですが最近コミックの表紙原稿を(おそらく)デジタルで着色されるようになってから、その“アク”が弱くなったような気が……。個人的には、アナログ作品の極彩色浮世絵風ゴテゴテが好きなのですが……(なんちゅー言い方だ)。たまたま、JETさんのペン画自体が変化した時期と重なっている(?)ので、そう思うのでしょうか?

デジタルとアナログでガラリと画風が変わる方をご存知だったら、教えてください。見比べると面白いから。

本は薬のようなもの

2005-03-10 21:55:03 | お話大好き・コミック編
つくづく、本は出合うべきタイミングがあるんだなぁと思う、今日この頃です。

最近蛙が気まぐれで始めたのは、自分が持っている本のデータ整理です。小規模図書館……例えば学校や公民館の図書室で使うような、図書整理のフリーソフトをDLして使っています。本って、読みたいという知識欲のほかに、手に入れたいという所有欲、整理したいという分類欲を刺激するアイテムだと思うんですよ。羊皮紙やら竹の切れ端やらを使っていた時代から。そんなこんなで、大した量があるわけでもない自宅の本を、1~2冊ずつ思い出してはデータを入れています。100冊達成したら、こちらでもご紹介しますね。

……さて。只今データを入れようとして蛙の左手にあるのが、西炯子さんの『三番町萩原屋の美人』のコミック文庫です。

★あらすじ?★
三番町萩原屋のご隠居は亡き妻“いく”にそっくりのヒトガタ(ロボット)を作ろうとしている。逆立ちしても還暦過ぎには見えぬご隠居と、自称・弟子の兼森少年、その親友で自称未来の大小説家・島田、温厚な現主人・禅二郎、やり手の番頭・勘二……今日も素っ頓狂な人々が萩原屋に集う!

高校生のとき、夢中で「立ち」読んでいた作品です。大好きだったなぁ。青春の思い出と、大好きだったのに立ち読みしかしなかった罪滅ぼしに、文庫版に手を出してみました。そうして、この作品も、どうやら蛙にとっては過去になったなぁと感じました。
WINGS立ち読みの目的が、西さんでした。当時、高河ゆんとか、CLAMPとかもいたけど。ちょうど高校生から大学生にかけてのとき、これでもか式に少女漫画的悲劇を見せる作品がいい加減鼻についてきた時期でもありました。そんな蛙に、西さんの飄々とした作風は、大変心地よかったのです。
ナリは若いが人生経験は積んでおり、遊び人だけれど嫌な男ではなく、ひらりひらりと生きて拘らず……。落語、講釈、時代小説に出てきそうないい男を、女性向けに理想化されたのがご隠居だったかもしれません。(これが男性向けだと、青年誌の主人公になる<笑>)もっとも、蛙が好きだったのは、女好きのくせにどこか筋の通った憎めない島田くんと、純で可愛いけどロボットに夢中で女の子の気持ちに疎い兼森くんのコンビです。

さて、今読み返してみると。それ程面白いかなぁ?と(爆)。未読に方にはお勧めしますが。
それでも、共感できる時期に読めて、本当によかったと思っています。もう少し早くても、また遅くても、人生の中で「面白い」と思うことが出来たタイトルが一つ減ってしまうところでしたから。

以前ほど痛快には感じないけど、飄々と、素っ頓狂に、マイペースに生きる人々のユートピア、三番町。このブログで、興味を持って読んでくださる人がいれば幸いです。

新書館公式サイトはこちら。

最近の漫画文庫って……

2005-02-18 23:15:53 | お話大好き・コミック編
なんだか、発行が早すぎると思いません?単行本は、一体いつ儲けているんだろうか、いやそもそも単行本出す意味があるのだろうかっていうくらいに。手塚治虫さんとか横山さんとか石ノ森さんとかの超名作&傑作が文庫化された頃をはっきり覚えているから、変な感じがするんでしょうか?
まあ、初期の名作文庫は別格にして。今、試しに川原泉さんの『笑う大天使』一巻(初版1996年)の白泉社文庫の広告スペースをペラペラっと見てみます。蛙のような偏読家でも題名だけは知っているようなもので、『綿の国星』、『風と木の歌』、『はみだしっ子』、『櫻の園』……もう、有名すぎて名前を挙げるのもオソレオオイよーな(ex.『パタリロ』『日出処の天子』『ガラスの仮面』……って、結局挙げてるし)作品がひしめいています。『動物のお医者さん』なんか、割と新しいような気もしますが、一昨年ドラマ化されたときに図書館の閉架式書庫から発掘され貸し出された単行本は、結構年季が入っていました。96年現在で既に入手(或いは全巻揃えるのが)困難になっていたような作品で、納得。
それが気がつくと、蛙が小学校高学年から、中高生の時の作品が並んでいたり。……年齢バレそうだけど(笑)。『CITY HUNTER』とか、『ダイの大冒険』とか。ジャンプ系ばっかりなので、それ以外では最近出始めた『TWIN SIGNAL』とか。金田一少年でポケベルが出てきたときなんか(『金田一少年の殺人』)、自分も年くったな、と(笑)。タイムカプセルを開けたようなくすぐったさを感じました。他にも硬派に行けば『沈黙の艦隊』とか。

……でも、ですよ。おなじモーニング系列、柳沢教授シリーズで昭和20年ものって、雑誌掲載わりと最近じゃありませんでした?具体的にいつかは覚えていませんけど。高橋ツトムさんの『鉄腕ガール』なんか、早すぎやしませんか??最初の対米戦試合直前のモーニングが偶々残っていたので見ますと、『ジパング』の初期の方、マレー島編が載ってるぞ???(あ、志加吾さんの立川一門時代の『風マン』も載ってる<爆>)2000年の12月7日号ですね……。

文庫のメリットと言えば、値段もサイズもお手軽なので、間口が広く敷居が低いこと。新たなファンを掘り起こすには、都合のいい形態ではありますが……。