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子どもの在留許可

2023年10月16日 11時31分45秒 | 一言

最善の利益を保護する立場で

 入管庁が強制送還の対象とする外国人の子どもと家族の一部に在留特別許可を与える対応方針を8月に斎藤健法相(当時)が表明して約2カ月がたちました。入管庁は「個々の子どもたちに連絡をとり、不断に検討している」と言いますが、何人の状況をつかんでいるか法相の判断を仰いだのは何件かなどを明らかにしていません。

 斎藤前法相は、入管法改悪案を審議した先の通常国会で、子どもへの対応を急ぐと答弁しました。後任の小泉龍司法相は「しっかり引き継いでいく」と述べています。前法相の約束は必ず果たされなければなりません。

不合理な線引きをやめよ

 入管庁は、強制送還の対象の外国人をひとくくりに「送還忌避者」としています。2022年末で4233人います。その中には本国に送還されれば直ちに迫害の恐れがある人日本人や永住者と結婚し日本社会に根ざして暮らしている人日本で育った子どもと若者など、さまざまな事情で帰国できない人が含まれています。

 「送還忌避者」には、日本で生まれた子どもが201人、幼い頃に来日した子どもを含めると295人、その親や兄弟姉妹などの家族は296人いることが国会審議で判明しています。

 外国人の人権を踏みにじる改悪入管法案の審議では、子どもに在留資格を与えるべきだとする野党の質問に対し、斎藤前法相は「真剣に前向きに検討していきたい」と答弁し、8月4日に対応方針を発表しました。

 対応方針では、在留特別許可の対象は、日本で生まれて小学校、中学校、高校で教育を受けており、引き続き日本で生活することを真に希望している子どもとその家族などとしました。「親に看過し難い消極事情がある場合を除く」とも記しました。この措置は今回限りとしています。

 幼少期に来日した子どもや、日本で生まれた小学校入学前の子ども、日本で生まれ育ち成人した者、子どもの親に不法入国などの事情がある場合は、許可されないことになります。

 日本で出生したかどうか、就学中か否かだけで線引きをする合理性はありません。親の事情によって子どもの在留資格が付与されないのは理不尽です。対応方針の要件を改めるべきです。

 入管庁は、改悪入管法で在留特別許可の「考慮事情」を明記し、それに基づく新たなガイドラインを法施行後に策定するので、今回の特例措置は現行の在留特別許可認定の基準で行うとしています。

 現行の基準で判断していては、不許可の結論になるおそれがあります。これまでも同様の境遇で結論が異なったり、不許可の理由が本人に示されなかったりしました。不合理で不透明な運用が批判されてきた入管庁任せでは、不適切な判断が出されかねません。

不透明な基準に固執せず

 小泉法相は「非常に苦しい、知恵を使わなければいけない大事な問題だ」と語りましたが、現状の不透明な基準と運用に固執してはなりません。日本で子どもが成長してきた環境、人格を形成してきた過程にこそ着目すべきです。

 子どもの最善の利益を保護するという立場に立って、法相の責任において、速やかに在留特別許可を出す必要があります。


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