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シリーズ 追及PFAS(有機フッ素化合物) 漁師「海を汚すな」 第2の基地県 神奈川

2023年03月06日 06時28分12秒 | 一言

しんぶん赤旗3月6日

第2の基地県・神奈川で人体に有害な有機フッ素化合物PFAS(ピーファス)の流出が相次いで発覚しています。米軍は原因究明や実態調査に背を向ける中、日本共産党県議団がPFAS問題を初めて取り上げ、原因究明を迫っています。(斎藤和紀)

 「消費者に安全なものを食べてほしい。海を汚さないでほしい。これが本心です」。漁師の小松原哲也さん(80)は、横須賀の海を眺めながら声を震わせます。

目標値の258倍も

 2022年5月4日、米海軍横須賀基地(横須賀市)の排水から「特異な泡」が確認されました。米側がPFASの一つであるPFOS(ピーフォス)が暫定目標値の約2倍検出されたと通知したのは6月29日でした。9月末には、PFASの一つであるPFOA(ピーフォア)が目標値の258倍である1万2900ナノグラム検出されました。

 横須賀基地から南東約2キロの新安浦港で、江戸時代から続く漁師の家に生まれた小松原さんは、14歳から漁を始めました。「漁師になった時に父が買ってくれたものです」と言って倉庫から出したのは、船から空気を送り込むホースがついた潜水ヘルメットです。重さ60キロあるヘルメットをかぶって潜り、ミル貝をとっています。

 後を継いだ息子には「海は生き物だ。大事にするんだ」といつも語り聞かせてきました。それだけに米軍に憤ります。「息子や孫はここで取れたものをよく食べる。PFASが体内に蓄積して、病気にならないか」と懸念します。

汚染源調査拒む

 米側はPFAS対策として、11月に排水を浄化する粒状活性炭フィルターを設置。「目標値を下回った」と説明しますが、汚染原因は特定していません。12月に国と市が日米地位協定の環境補足協定に基づく「立ち入り」を実施するも、処理施設付近の海水を採取したのみ。市が求めた排水や土壌、排水を一時的にためる施設など汚染源の特定につながる調査は拒否しました。

 また、米軍が行った汚泥や排水をためる施設の水の調査結果も公表しないことになりました。「原子力空母の横須賀母港問題を考える市民の会」共同代表の呉東正彦弁護士は、「『立ち入り』をきっかけに、日米合同委員会が情報を管理し、住民に出さなくなった。逆効果になっている」と批判。環境補足協定に関し「調査方法や範囲を決めるのが米軍次第ではダメだ。当時外相だった岸田文雄氏が協定に署名したが、米軍言いなりになる日本政府の責任は大きい。ドイツの協定は事前通告なしで調査ができ、同じような仕組みが必要だ」と強調します。

 小松原さんは「汚染が広がれば東京湾全体の問題になる。安全だと分かるまで海産物や土壌などを調べてほしい」と訴えます。

 (1面のつづき)

米軍基地由来疑い濃厚 共産党県議団が初めて追及

 PFAS汚染は、米海軍厚木基地(綾瀬市、大和市)でも問題になっています。2022年9月に、「格納庫内の制御盤の誤作動」によりPFASを含む泡消火剤が基地内の調整池に放出され、蓼川(たてかわ)に流出。その後、政府の調査で下流から暫定目標値の3・6倍の値が検出されました。米側は10月に粒状活性炭フィルターを設置しました。

結果公表を拒否

 環境補足協定に基づく「立ち入り」を同6日に、国や県などが実施しましたが、調整池の採水のみで、事故現場である格納庫は調査できませんでした。採水したサンプルの調査結果の公表も米側は拒否しています。

 さらに「立ち入り」翌日の7日に、米軍は調整池内の全ての水を、フィルターを通して蓼川に放流すると一方的に通知。綾瀬市は「突然決定され、遺憾だ」と表明しました。日本共産党の大山奈々子県議は、「綾瀬市との協議なしに米軍が勝手に決めていいことではない。とんでもない話だ」と強調します。

 今回の流出事故以前にも、厚木基地の周辺河川で高濃度のPFASが検出されてきました。米軍由来の汚染である疑いが濃厚です。

廃水1.5万リットル放出

 英国人ジャーナリストのジョン・ミッチェル氏が米情報公開制度に基づいて入手した米海軍資料によると、09年から16年までに、厚木基地内で大規模な火災が少なくとも5件あり、PFASを含む泡消火剤が使われた可能性が高いことが判明。09年の火災では、消火のために生じた廃水約1万5千リットルを基地の下水処理場から放出しました。(沖縄タイムス、21年12月7日付)

 実際、環境省が21年6月に綾瀬市内の地下水から暫定目標値の26倍にあたる1300ナノグラム/リットルのPFOSを検出したと公表。県の調査では21年8月に基地の東側を流れる引地川から、目標値の約7倍にあたるPFOS・PFOAが検出されました。藤沢市によると、引地川の水をくみ上げて農業用水として使う農家が364軒あります。

 日本共産党県議団がPFASを県議会で初めて取り上げ、追及してきました。米軍基地内の立ち入り調査の実施も県議団が要求。黒岩祐治県知事も、環境補足協定に基づく立ち入り調査では「結果の公表に米側の了解が必要になる」などと限界を認めざるを得ませんでした(井坂しんや県議に対する答弁)。大山県議は、「県の担当者は昨年、『測定値が上昇傾向なら原因調査をする』と答弁した。しかし『上昇』の客観的な基準がなく、基準の設定と汚染原因の究明を今後も求めていきたい」と語りました。



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