居酒屋黙示録 新章 暖簾を繋ぐ刻

旧き善き銭湯を訪れ、立ち飲みを巡り、居酒屋で思う。

呉の銭湯 クイックレポート

2016-04-09 19:16:15 | 銭湯
暫く開いたが銭湯の話が溜まったので纏めておこう。
呉での仕事が続き、しかも帰りがかなり遅くなる日々だと帰る前に風呂に入ってさっさと寝る生活になる。
折角なので今まで未訪だった銭湯に寄ったりしていたが、この度呉支部の組合銭湯はコンプリートするに至った。
呉市で現在も営業を続ける銭湯は旧市街の6軒、東部に2軒、音戸に1軒の9軒。
この日記でレポしている仁方の一の湯、音戸の地蔵湯を除いて他の銭湯の事を書く。
残る7軒は阿賀にある鶴乃湯と旧市街のそてつ湯、明神湯、呉温泉、オリーブ温泉、ゆーとぴあ、赤ビル温泉である。
そてつ湯、ゆーとぴあは相当昔の事だが行ったことがあるので記憶で書くがまあ、何とかなるだろう。
今一つ乗りが良くない理由だが、今回日記に書くのは殆ど新しめの銭湯だからである。
自称レトロ銭湯マニアなので、あまり気が乗らないのも致し方ないが各銭湯の見所等を揚げて行くことにする。


呉温泉は呉の市役所から程近い住宅街にありビジネスホテルも併設されている。
駐車場、駐輪場の奥にあるドアをくぐると、左手にフロント、右手が下足箱だ。
それほど広くないロビーには長椅子が幾つかと、飲み物の自販機やケース位のシンプルな感じだ。
奥の方に男湯女湯の暖簾が掛かりこれまたシンプルな脱衣場へと通じる。
特に脱衣場に言及する点はないので早速浴室へ向かおう。
中央にメインの浴槽奥壁にそってジェットバス、薬湯、水風呂があり入口外壁側にスチームサウナへの入口がある。
カランはシャワー付きで20程もあろうか。
仕切り壁側から短い壁を突き出しそこにもカランが配されているが、コーナーのカランは並んで使うには狭そうだ。
身体を流してメインの浴槽に浸かる。
浴室全体は少々古びてはいるもののメンテナンスはしっかりされてるようで不備はないようだ。
ビルタイプっぽい造りだが奥壁上方に湯気抜きもしっかりとある。
誰も入って無さそうだったのでサウナに入ってみたが、かなり熱い。
熱いから人が居ないのか、人が居ないから熱かったのかよく分からないが早々に根を上げて退散した。
薬湯はみたところ日替わりのようだが今回は入らなかった。
メイン浴槽でのんびりとして冷水を浴びて上がる。
汗がロビーでコーヒー牛乳を飲み汗が引くのを待つのに20分以上掛かる。
暖かくなってきたもんだ。

さて別の日、呉温泉からもそんなに遠くない明神湯。
鮮魚店や惣菜店も多く活気のある栄町商店街からすぐ近くにあり、歩いて来てれば風呂上がりに商店街を冷やかし惣菜でビールでもといった楽しみもあるが残念なことに仕事帰りなのでバイクだ。
ここもフロント式。
脱衣場は島ロッカーや大きめのマッサージ椅子もあって少々広め。
早速浴室へ行きましょう。
ここは浴室の造りが物凄く複雑だ。
入口側から外壁、仕切り壁にカランが並ぶが、仕切り壁側は途中から水風呂の浴槽、小さめのサウナ室へと続く。
メイン浴槽は浴室中央に細長く設置されていて温度によってこれまた分割されている。
奥壁前も薬湯等の小さな浴槽があり、かなりごちゃごちゃした印象を受ける。
また浴室内に段差があるのでちょっと注意する必要がある。
綺麗に掃除されていて目字も黒ずんだりしていない。
湯気抜きも結構大きめに切ってあり、浴室が明るい。
訪れた時間は丁度人が多く、メインの浴槽とバイブラに少し浸かりすぐに上がった。
ここはかなり昔に来たことがあるが、その頃から綺麗だった気がする。

さてさて更に別の日、桜もちらほら咲いたかという時分だが生憎の雨模様で少し肌寒さが戻ったような日。
呉の一番街中にある赤ビル温泉を初めて訪ねる。
ゆめタウンやレクレといった大店舗に客を奪われて、元気なのは飲み屋とパチンコ位の繁華街、れんが通りからすぐ。
名前通り赤いビルの3階にある。
ちなみに2階は漫画喫茶らしいがここも行ったことがない。
エレベーターを降りてガラス戸をくぐるとかなり広いロビーにでる。
右手の下足箱の数も相当なものだ。
左手のフロントで料金をはらい脱衣場へ。
ロッカーが2面あるがこぢんまりとした脱衣場である。
さて早速浴室へ。
意外と広い、間口が三間弱の割には奥行きが六間程もある。
両壁沿いにカランが並び島カランもある。
外壁側奥にメイン浴槽、サウナ室へと続き、仕切り壁側奥は寝湯と水風呂か。
驚きなのはビル銭湯なのに湯気抜きがちゃんとあるところだ。
カラン周りは明るい朱色の円型タイル張り、浴槽周りは焦げ茶の円型タイルが張られている。
円型タイルは他ではあまり見ないよな、目字部分どうしても多くなるし。
湯桶台は一部かなり歪んでしまっている。
これは安芸灘地震の影響なのだろう。
俺も体験した地震だが、関東で産まれ育った俺が立ち上がることも出来ずに25インチのテレビが台から滑り落ちて行くのをただ見ているしか出来ない程の激しい地震だった。
身体を流して薬湯のメイン浴槽へ浸かる。
深めの浴槽は、風呂に浸かってるって気分がでるよな。
客も少なかったので乾式の電気サウナ室も入って見ることにみる。
水をぶっかけて壊した輩がいるとみえ、やたら注意書きが目立つが新しく綺麗なサウナ室だった。
寝湯は以前は普通の浴槽だったのを穴の空いたステンレスで蓋がされた感じになっていていい温度に暖まっている。
ぼんやりしてるにはいい感じだ。
壁にはタイル絵風のポスターが貼ってあるが、これは少し興醒めだな。
雰囲気出したいのは分かるが、あまりにも安っぽ過ぎる。
まあ少々古びてはいたが中々趣のある風呂であった。
ビル銭湯とはいえ侮れない所もあるものだ。

オリーブ温泉は旧市内に唯一残るレトロ系である。
場所は国道185号でもある呉市のメイン道路、本通から少し山の方に登った所。
暖簾をくぐり引き戸をあけると一畳程の三和土と下足箱。
もうひとつドアを抜けれは二間四方程の脱衣場だ。
番台でお金を払い周りをぐるりと見渡す。
天井は棹縁天井で羽目板は白。
ロッカーは木製で5段8列、しかも漢数字入りと来る。
床は仕切り壁側がピータイル、外側のロッカー側が麻布貼りで素足に心地いい。
浴室側半間はタイル貼りだ。
仕切り壁側に体重計、マッサージ椅子、なぜかレッグマジック、そして冷蔵庫が置かれている。
後は入り口側壁際に長椅子と小さなテーブルが有るくらいか。
それでは浴室へ。
浴室も同じように二間四方。
外壁側中央に一間四方の主浴槽、仕切り壁側奥に少し小さめの薬湯がある。
カランは仕切り壁にシャワー付6個、奥壁に3個、そして外壁入口側に台上カランが3個ある。
奥壁上方には瀬戸内の風景を描いたタイル絵、主浴槽のある外壁にマジョリカタイルで縁取られた鯉のタイル絵。
やっぱり銭湯の装飾はこうでなければいかん。
外壁のタイルは下一間が白の中板タイルでその上はベージュの丸タイルで埋められている。
身体を流して主浴槽へ。
二つに別れており、入り口側は浅湯、奥の広い部分は広島式の三段式だ。
湯気抜きは浴室中央にかなり高く四間ほどあるだろうか。
非常にレトロ感溢れる良い雰囲気なのだが、タイルが大分黒ずんでしまっている。
松ちゃんさんも書かれていたが、磨けば全国に誇れるレベルの銭湯だと思う。
あと脱衣場のロッカーも少し拭いて欲しいかな。
黒のディパックが白くならない程度には。

オリーブ温泉から少し登った生活道路を南に向かって5分程も歩くとそてつ湯が見えてくる。
ここはあっさりと紹介しておく事にする。
何せ結構な種類の風呂があり、しかも日替わりで男女入れ替えとなると説明が大変だからである。
まあ設備新しいし天然温泉もあるし露天もあるし良い風呂ですよ。
レトロ感はほぼ無いスパ銭見たいなものですよね。

ゆーとぴあは本通から100メートル程、ここは20年近く行ってない。
名前は新し目のスパ銭みたいな感じだが、設備は意外と普通の銭湯だった気がする。
サウナも在った気もするが流石に覚えてないな。
という訳で行って見た。
坂の途中に入口があり、バイクや自転車が並んでいる。
新しく自分のバイクを突っ込むスペースはなく、建物横の道を少し登り屋上駐車場の隅にバイクを止めた。
フロントで料金を払うとロッカーの鍵をくれる。
脱衣場は壁ロッカーと休憩スペースで窮屈さは感じない。
浴室は二間×四間程か。
外壁側にカランが並び奥まで続くが途中太い柱があり、奥の3個はサウナ室の壁が背中に迫る。
中央に片面のみの島カランがあり、仕切り壁側は入口から漢方薬湯、入浴剤入りのジェットバス、電気風呂とバイブラの主浴槽、そして少し開けてサウナ室と仕切り壁の間に水風呂がある。
サウナ室は奥壁中央に一坪程。
カランは広く配されていて使い勝手は良いが、鏡が所々黒くなってしまっている。
身体を流して浴槽へ。
桜の入浴剤のジェットバスに入りたかったが一杯だったので主浴槽に浸かる。
奥壁側の浴槽縁に表層の湯を流す排水が切ってあるが上に置いてある薄い石板は固定されておらず置いてあるだけだ。
こういうのは余り良いとは思えないな。
暫く主浴槽で粘り、ジェットバスが空いたので入ってみたが、隣の漢方薬湯の匂いが強くて全く桜の薫りが解らない。
浴室に入った瞬間から凄く匂ってると感じたが、隣にあると中華の調味料五香粉そのものの香りが自分に染み付きそうだ。
早々に退散して、しっかりと上がり湯を被って上がった。
全然桜の薫りを感じ取れなかったので、帰る前に本通の和菓子舗幸野屋で桜餅を買い食いした。
呉で唯一長命寺を作ってるらしい。
味噌餡の柏餅もついでに買い、しばし関東への想いを馳せる。

さて最後になるのは阿賀にある鶴乃湯。
昨年末から改装して再オープンからまだ日が経ってない。
どんな風に変わったのか楽しみでもあった。
元々、フロント式で結構綺麗、設備もあれこれと在ったのでレトロ感は無いが良い風呂である。
脱衣場の床が物凄く綺麗になってるな。
備品は変わってないが、床が綺麗になると大分印象が違ってくる。
ではでは浴室の方は。
ちょっと風呂の配置が変わってるか?
家に帰った後に銭湯メモを見返して見ると以前は外壁側にカランが10個、その奥に薬湯と水風呂。
仕切り壁側にカランが4個、主浴槽と打たせ湯、バイブラ、電気風呂、サウナと続いていたが、主浴槽が少し大きくなり電気風呂と一緒になった。打たせ湯バイブラの位置は変わらず、電気風呂が在った所にジェットバスが作られているようだ。
湯桶台は高さも幅も30センチ以上ありそうながっしりした感じになり背の高いケロリン桶では手で湯を掬い辛く感じる。
そして何にしろリフォーム直後で綺麗だ。
天井も真っ白で高い湯気抜きの上までピカピカだから浴室が明るい。
これは良いですよ。
呉の人は今のうちに一度行っておくべきだとおもう。

やれやれ駆け足で呉の銭湯をレポしてきましたが、あとは呉に残る廃業銭湯跡巡りの結果とスーパー銭湯系のレポートですかね。

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