横浜市神奈川区東神奈川界隈、暫くの間仕事の為に滞在する事となった訳だが何度も言うようだが地元である。
地元であるがゆえ、今まで殆ど飲んだ事がありません。
だって実家に帰るもん、フツー。
しかし今回はかなり忙しくなりそうなので実家に帰れるか微妙な感じ。
ま、実際は何日か帰れたんですが、それ以外の日は結構行きました。
初日、娘から俺の親への敬老の日のプレゼントを渡すミッションをこなす為に少々遅くなりそうだが家に帰った。
次の日朝が早かったので泊まりはせずに塒に戻ったのだが、その帰りがけが行脚の足掛かりだった。
時間も遅くなったので、深夜までやってる店を探し入ったのがキッチンぱるきど。
携帯の地図で見ると仲木戸からすぐだが見つからない。
さてはとその矢印が示す建物の裏に廻るとはてさて、最近縁遠い洒落た店構えの立飲みスペインバルがあった。
店内は他に女性客が一人、静かに飲めそうなのでドアを引いた。
カウンターの隅に陣取り、メニューに目を通す。
家で飯は食って来たのでビールはもう良いやとジントニックを注文。
CODなので千円札を出し、席料300円と合わせ200円のお釣り。
300円というと結構高い席料かと思わせるが、オリーブオイルとパンが付くので中々良い。
ジントニックが来るまでにフードメニューを眺め、トリッパの煮込みを注文した。
ゆっくりジントニックを啜っていると程なくトリッパの煮込みが出てくる。
あまり量は無いが、さっくり飲みには丁度良い。
トマト味でさっぱりとした感じ、ジントニックならあまり濃くない味付けの方が確かに良いか。
ジントニックの次は何にするかなと、メニューを眺めながらぼんやり考える。
後から来たお客さんがボトルワインの説明を受けてるのを聞いているとジンファンデルとか置いてるらしい。
1度は飲んでみたいとか思ってるが、今のお財布の中身が許すまい。
バックバーに並んでいるボトルの中にフォアローゼスがあったのでロックにして貰った。
昔、行き付けのパブレストランでボトル4000円だったのでよく飲んだ。
独り身だったし毎日のようにそこで晩飯にしてたから、1ヶ月に多くて10本位入れてた事もあったように思う。
店員さんからフォアローゼスお好きなんですか?と声を掛けられ昔よく飲んだと言うと、店員さんも好きらしく家でも飲んでるそうだ。
他にもアヒージョとか旨そうなものがあったが、腹一杯になったのでそこで止めておいた。
二日目は同僚と仲木戸から線路沿いに少し歩いた所にある、どん八に。
ここの特徴は何と言ってもそのシステム。
なんと1000円払えばホッピーやサワー類が90分飲み放題、しかも作るのは自分でだ。
300円足すとウィスキーなども飲み放題に含まれる。
つまみはカウンター端に、魚肉ソーセージやお菓子などが籠に入れて置いてあり、お金を籠に入れて自分でとる。
これは楽しい、大人の駄菓子屋システムと呼びたい。
サワーの割ものはコダマサワーが何種類かあるので端から試すことにする。
最初は左のレモン。
魚肉ソーセージをかじりながら、ガーリックトースト150円を注文。
サワーはあっという間に二杯目に、二杯目はライム。
かなり勢い付いて参りました。
隣のテーブルは予約の人達、宴会もできる様だ。
テーブルの中央にはカセットコンロと大きめの寸胴。
おでんか何かなのかとおもっていたが、後から聞くところによるとオリエンタルコーラルというカレーらしい。
また別のお客さんが頼んだコロッケが旨そうだったのでこっちも注文。
値段的には冷凍物のコロッケが一つ皿の上に出てもおかしくない値段だが、テニスボール程の手作りコロッケが出てくるから侮れない。
コストパフォーマンス良すぎない?
これはもう止まりません。
300円追加してウィスキーのショット、更にサワーは3杯目。
既に記憶が怪しく梅だったか青リンゴだったか。
さらにコダマと言えばやはりバイスという事でサワーだけで5杯、黒ホッピーも1杯、ウィスキーのショットを3杯は飲んでる筈である。
お隣のお客さんからオリエンタルコーラルのお裾分けをいただいたりして90分間フルに楽しませてもらいました。
勢い付いたのは同僚も同じ。
結構飲んだのにもう一軒行こうと足を運んだのは、リーデンスフォートの立飲み竜馬。
入ったはいいが流石に殆ど飲めないわ。
ホッピー1杯と串揚を2本程であっさり切り上げた。
まあ、ここは以前にも来てるからレポートもあっさりで良いか。
てな訳で2日目終わり。
三日目は生憎の雨。
少し早めの時間に仕事が終わったが明日早いので実家に帰るのは止めておいた。
一緒に飲みに行く連れもいなかったので、自分の趣味を優先した店に行くことにしよう。
少々歩くが第1京浜沿いに横浜方面へ向かう。目指すは青木町のみのかん。
横浜に残る数少ない市民酒場の一角、閉店時間の早さ故に仕事後に行くのは無理かと思っていたが今日なら間に合う。
その思いが足の運びを早めたのか、真っ暗になる前に店の前に着くことが出来た。
暖簾なければ普通の民家だな、絶対判らんわ。
ともかく飲もう、あれこれ言うのはそれからで良い。
引戸をあけるとカウンターに二人、テーブルは2つ埋まっていた。
カウンター端に陣取り、早足で歩いて来た汗を静めるべくビールの小瓶290円をお願した。
とりあえず最初の一杯をぐっと干すと、付きだしのおでん、じゃがいもと厚揚が出た。
辛子を多目に取り、先ずは厚揚から。
出汁が良く染みてますわ。
無料の付きだしが暖かいおでん2品出てくるとか探しても見つからないよ、今日日。
厚揚を堪能しつつビールを空けて、2杯目は酎ハイにした。
大きめのコップに氷と焼酎、既に焼酎が8割近く入ってるので炭酸が殆ど入りません。
少し啜っては炭酸を継ぎ足しを繰り返します。
つまみの方は軽く行こうと考えていたのでメンマを注文しました。
200円と安いのですが、これも小鉢に一杯。
カウンターに置かれたラー油を少し掛けると、良いつまみになりました。
良いですね、この時間が止まったかの様な空間。
テレビやラジオも無く、誰と話すでもなく。
ただ目の前の酒と肴のみと対話する。
そんな時間が必要な時が誰にでもあるんじゃないだろうか。
まあ俺は対話し過ぎかな。
以外とビールと酎ハイが腹にたまり、みのかんはこれで暇した。
雨もほぼ上がったようで、ぶらぶらするには良い時間。
そのまま横浜方面へ。
昔ながらの肉屋の店先のシウマイのポスターに心惹かれたりしながら青木橋の方へ宮前商店街を歩く。
初めて通ったが結構飲食店もあるんだな。
青木橋を渡り、一国も渡って反町に向かっていく。
反町駅が地下になってからどれ程経ったのだろうか。
自転車で通り過ぎる事もあったのは高校生の頃で、歩いて反町を通るのは実は初めてかもしれん。
戦前まで色町だったらしいが、その痕跡すら判らない。
高校の頃にはロマン座というポルノ映画館がまだあったらしいが残念ながら行ったことはない。
親父は六角橋から反町まで学習塾に通ったと自分史に残していたが、戦前の反町がどんなだったか今度調べて見るか。
一国から一本外れた道に一軒の角打ちがある。
三国屋酒店、立飲みではなくカウンターとテーブル席もある居酒屋のような感じだが、店売りの酒類をその場で飲ませるのはやはり角打ちのスタイル。
食品衛生管理者を置いて調理したつまみが出せるのが、普通の酒屋の角打ちと違うところだ。
カウンターに空きがあるので早速お邪魔することに。
みのかんでビールと酎ハイを飲んで来たので日本酒でも飲もうと、単にお酒と言ってみた。
一杯売りが有るのか無いのか判らないが、冷酒ならこちらの冷蔵庫に有りますよと言われ奥の冷蔵庫を見てみると一本義の冷酒があったのでそれに決めた。
つまみも色々とあるし、スパゲッティのような食事もできそうだがやはり外せないのはポテトサラダか。
最近はコスパの良い店に多く行くようになり300円という値段が高級な感じがしてしまう有り様だが、充分お値打ちだ。
ポテトサラダ的には王道のシンプルなものだが、普通にして旨い。
これは中々難しい事だ。
後から来たお客さんがポテトサラダを頼んだが売り切れになったとの事。
あら、止め刺したの俺か、まあ仕方あるめえ。
他のお客さんに混じって、テレビの野球を眺めながら冷酒をゆっくり啜る。
良い所だ、初めて来たのにアウェー感がない。
ポテトサラダがなくなりもう一品、目に入ったのは納豆。
頼むとすぐにスチロールのパックのまま出てくる。
これはこれで良い、角打ちならではのレスポンスとセルフ感覚だ。
納豆を食べながら日本酒を飲んでいると、今夏惜しまれつつ閉店した武蔵屋が思い浮かぶ。
結局一度しか行けなかったが、相席のお客さんに恵まれ楽しかった。
そんなことを考えて、しんみりと一本義を干していった。
顔見せで長居は不粋、勘定をして貰い外に出るとおかみさんが送りに出てきてくれた。
楽しかったです、また来ますと言って暇した。。
大分飲んだからそこで帰りゃ良いものをどうしてこの男は、折角だからとコンバット越前みたいな台詞を吐いて繁華街の方に歩いて行くかな。
流石に酒は良かったんで銭湯寄って汗流して、小腹減ったとか言いながら白楽駅前の味奈登庵でもりの大食って帰りました。
二日ほど空いて仕事は一段落。
翌日が日中仕事が無く、夕方に確認作業をすれば良くなったので実家に帰ることにしたが、そうと決まったのが夕刻も遅くなってからだった。
流石に今から飯用意してもらうのもお袋に悪いんで飯は食ってから帰ると電話しておいた。
東神奈川駅から陸橋を渡った所にサクラピアビルという古いビルがある。
中学の頃、シミュレーションボードゲームにはまり良く通った店がここにあった。
まあ、今は無いので寄る必要もないのだが、そのサクラピアビルの裏に回ると意外と飲食店が建ち並んでいる。
住宅街でもあるので結構暗い道なのだが、横浜方面に一ブロック行くと食句という店が見えて来る。
今回東神奈川周辺の店を探すのに参考にさせて頂いた横浜泥酔と言うブログでも一見さんには入りにくい店と書かれていたが見て納得。
引戸は開いているものの、お世辞にも広く片付いているとは言えない店内には小上がりに常連さんらしいお姐さん(※私がこの漢字を使用するときは私自身より年長の方に対しての事であり、その範囲は考慮しない)が二人居られるだけだった。
まあ予備知識があると無いとでは敷居の高さがまるで違うなと、一人ごち暖簾を潜った。
カウンター5席、小上がり2卓の小さな店内は確かに雑然としているが居心地は悪くない。
誰も座っていなかったカウンターの真ん中に座りビールをお願いした。
アサヒのスーパードライの瓶、最初の一杯を注いで貰い喉を潤した。
カウンターの上には大皿が所狭しと並び、色々な料理が盛られている。
おかあさんがこれは鰻の肝焼、これはわかさぎのフライと骨せんべい等と説明してくれたので、鰻の肝焼とわかさぎを貰う。
暖めて貰ったわかさぎはビールに合うな、肝焼はどちらかと言うと日本酒の方が良かったかもしれん。
わかさぎどと肝焼が無くなる頃、はいこれ食べてとお浸しの様なものが出される。
菊の花のお浸しだそうだ。
新潟の方で食べると聞いたことがあるが、実際食べるのは初めてである。
かきのもとやもってのほかといった名称があったと思うが、これがどれなのかは解らなかった。
ほんのりと苦味が口に残る、これは大人の味だな。
ビールが空いたので日本酒をお願いすると、寿司屋の湯飲みにたっぷり注いでくれた。
そこからは特に注文せず出されるままに白菜の漬け物、蒲鉾と食べて小一時間程で暇。
勘定は2500円、一寸高い様に思ったがその意味を知るのは後になってからだった。
さて、後はバス乗って家に向かうんだけど、また何か勢い付いてね?
大概バスとか乗車時間が短い時は席空いてても座らないんだけど、先日実家帰った時に思い出した店の前でふらりとバスから降りてしまいました。
片倉町にある匠本店はこのブログやろうかなと思いたった時、横浜の銭湯と立飲みをリスト化する際にレーダーに引っ掛かった店。
基本的に銭湯から立飲みとセットで考えてるつもりなので、近所に銭湯の無い店は中々訪れるのが難しい。
以前は神大寺に福徳湯があったが今は無く、匠本店から近い銭湯を無理矢理カップリングすると小机の藤の湯か六角橋の親松の湯となってしまう。
歩ていて行くには流石に距離があるし、その二軒は近くに飲むとこあるし。
でもお前天神湯とか歩いて行ってんじゃんとかは無しで。
まあ、ともかく入ってみよう。
立飲みのカウンターにテーブル席、奥に壁に設えたカウンターもありそこは椅子もあるようだ。
カウンターは短く3、4人で一杯、一人分空いてたのでそこに入れて貰った。
飲み物はホッピー、焼酎を選べるらしくお勧めの麦で。
食べ物の方は食って来たから軽めの牛筋煮込みを選んだ。
む、焼酎多目です。
これは中おかわり必至かな。
煮込みの方は柔く煮込まれてこれまた旨い。
しまったな、ここも2軒目にするには勿体ない店だわ。
隣の人やマスターと片倉町談義をしながら、一杯目を空けて中おかわり。
一軒目の日本酒が結構キテるのか、顔が少し火照ってきた。
煮込みとホッピーを空けて、再訪を誓って速やかに暇。
後はバス乗って家帰って寝ました。
仕事も大分進み、翌日日中は休み、夜に打合せをすれば良いとなった日。
とりあえず土産を買いに中華街に出る事にした。
東神奈川から石川町に出れば一本だが、山下公園側の横浜大世界と一石屋酒店にも寄りたい所であるので、仲木戸から横浜乗り換えみなとみらい線で元町中華街へ移動。
目指す物はすぐに手に入れたが、一石屋酒店で話し込んでしまい結構時間が経ってしまった。
自分の物は明日日中で良いやと、とりあえず横浜に戻る。
真っ直ぐ家に帰るには少し時間があったので、興福寺松原商店街でも見ていくかとバスに乗って浅間町車庫で降り松原商店街に足を踏み入れる。
行き付けと言うほど来てないが、ここに来たときは大抵焼鳥ムックに寄る。
今日もそのつもりで店前迄来たが、天気が良くなかったのか外で飲んでる人はおらずガラスケースの中もあまり串が残っていない。
んー、何かな。
気分にならなかったと言うか何と言うか、そのまま伊達屋渡邉酒店の方へ歩いてみた。
辺りは暗くなり渡邉酒店の前につくと、常連さん達が何人か飲んでる様だ。
どうするかなと思案する俺の目に一枚の貼紙が見えた。
「10月末日で閉店します」と。
次の瞬間俺は引戸をあけた。
とりあえずおかあさんにビール小瓶をお願いする。
最初の一杯をコップに注いで貰いぐびっとあおる。
一息ついて店内をくまなく見渡す。
見納めだからな。
タイル貼りの冷蔵庫、昔のポスター、古い酒類の価格表。
全てがこの店の歴史であり、失われたら二度とは会えない物だろう。
常連さん達は思い思いの酒を飲んで楽しんでいる。
こういう楽しい光景が有ったこともこの店の歴史の一頁として綴られ、そしていつかは消えてゆく。
銭湯にしろ角打ちにしろ、いずれ俺が死ぬまでにどれだけ残っているか、そして俺がどれだけそこに訪れることが出来るのかは判らない。
だけど同じ時間を共有した人がいつかこのブログを見たとき、「ああ、そんな店もあったねえ」と懐かしく思ってくれればそれで良い。
なんかしんみりとしたことを思ってる様だが、現実に話を戻すと2杯目のウィスキーと炭酸を注文している。
ウィスキーは他にもあるけど、ここは懐かしのサントリーレッドですよ。
炭酸が冷えてるから氷はいらない。
そもそもここは氷有料でキープが出来るらしいが、次は無いだろうしな。
汐入のヒデヨシも氷キープがあるが、あの回転率高い店でキープなんかしてもあっという間に奥底に押し込まれて消えて行くのは目に見えてるしな。
缶詰の棚は大分隙間が目立つ。
閉店が決まってから仕入れはしていないのだろう。
だけど埃などはたまっておらず、そういった所がこの店が長く愛されてきた理由の一つなのだろうな。
値段の違うコンビーフが1個づつ残っている。
おそらく安い方が馬肉入りのニューコンビーフ、今はコーンミートって言うんだっけ?
折角なので380円の高い方を、因みに一番気になつたのは650円のホワイトアスパラガスだったが流石に手が出なかった。
このあたりで周りの常連さん達とも話をするようになった。
隣にいたのはシンさん、すでに年金を貰えるお年らしいがお元気だ。
ここに来るようになったのは半年位らしい。
後から入って来たのがオギちゃん、今日ここにいる客の中では唯一俺より若いらしい。
最初ツナギに黒い油の残る手で入って来てビール一本飲んでから着替えて来るからと出ていった。
車とか機械関係の仕事のようだ。
すぐ綺麗になって戻って来たので近所なのだろう。
シンさんとオギちゃんは昨日も一緒に飲んだらしく楽しそうだ。
シンさんは棚に残っていたブランデーを一本入れるからと、随分メートルが上がってる。
おかあさんに大丈夫?とか聞かれていたが年金出たし何かあった時の為に家に置いてある五千円取ってくるからと言って一端出ていった。
本当に大丈夫?
程なく戻って来たシンさんが入れたV.O.を勧めてくれたので頂くことにした。
コップはデル陶々酒の器、これがまた良い味出してるわ。
店にいた人全員に勧めるのでV.O.はあっという間に減り、今度はオギちゃんがVSOP入れると言い出しシンさんが俺の立場ないじゃんと突っ掛かるのがまた面白い。
結局閉店の7時迄楽しく飲んだ。
シンさん、オギちゃん、そして名前を聞けませんでしたが他の居られた常連さん達、有難うございました。
俺の最後の渡邉酒店の思い出を楽しい物にしてくれた事を感謝します。
約束通りまた、この界隈で会った時には楽しく酒呑みましょう。
そして渡邉酒店のおかあさん達、最後には孫達もいたっけか。
有難うございました、そしてお疲れ様でした。
甚だ僭越とは思いますが渡邉酒店がこういう楽しい所であったという記憶を、ここに残したいと思います。
さて、遅くなったがその日は家に帰り、晩飯食べました。
途中電話入れておいたので、まあ良かろう。
自室に戻り兄貴と話してる内に、鶴書房のSFベストセラーズの話になり読みたくなってきた。
確か物置の段ボールに詰め込んで置いてあるはずと、探すとすぐに見つかった。
小学生の頃からヴェルヌやこの手のSF、ロビンソンクルーソーなどが大好きだった。
今でも好きだね、冒険ものは。
次の日、昼飯食って家出るまでに15冊位かっ飛ばして読み更けった。
久々に6時間位ぶっ通しで本読んだわ。
横浜最終日、仕事が終わったのは8時頃だが後輩から飲み行きましょうと誘いが来る。
しゃあねえなと外に出たが、当日は日曜日。
俺の調べた所、殆ど日曜休みなんだよな。
どん八、根岸屋、はねや、鳥清、マツヤ木曽と軒並休み、竜馬は空いてるけど人多いし。
陸橋渡って裏入って見ると、おっと食句が開いてる。
カウンターが空いてたので3人で並び、先ずはビール、お疲れさん。
ここは黙って居れば勝手に何か出てくるので待っていると最初は蕗の煮物。
そして秋刀魚の梅煮が出てくる。
やいのやいのとビールを飲みながら、とりとめもない話が続く。
秋刀魚の後は牛肉の串焼、先にも出てきたブログ、横浜泥酔でも紹介されていてこれが食ってみたくて今回食句に来た様なものだ。
確かにこれは旨いわ、後輩2人は追加でもう一本づつ焼いて貰った位だ。
4本ばかりビールを空けたところで、後輩たちはハイボール、俺は腹に結構溜まったのでウーロンハイを頼んだ。
そのあとに玉葱スライス、晒していないから結構辛いが酒呑みには良い。
一時間程も飲んで勘定して貰うと、一人1500円。
今日はまた、えらい安くない?食べ物だけで500円以下の計算になるよ。
この間のは顔見せ料金込みであの値段?
まあ安い事に文句は言わない。
ご馳走様でした。
もう一杯だけどっかで飲みましょうと言う後輩たちに、キッチンぱるきどでジントニックでも飲むかと行ったら、ここも休み。
むー、東口は全滅か。
仕方ないな、西神奈川方面に歩いてもやはり日曜日夜に空いてる方が珍しい。
結局白楽まで歩き、帰り際仲見世通りにサミーズ・ハワイアン・カフェを見つけ這々の体でジントニック飲んで今回の横浜、全て終了。
いやあ飲んだねえ。
新しい発見も、寂しいお別れもあったが収穫多い今回の横浜出張でございました。
地元であるがゆえ、今まで殆ど飲んだ事がありません。
だって実家に帰るもん、フツー。
しかし今回はかなり忙しくなりそうなので実家に帰れるか微妙な感じ。
ま、実際は何日か帰れたんですが、それ以外の日は結構行きました。
初日、娘から俺の親への敬老の日のプレゼントを渡すミッションをこなす為に少々遅くなりそうだが家に帰った。
次の日朝が早かったので泊まりはせずに塒に戻ったのだが、その帰りがけが行脚の足掛かりだった。
時間も遅くなったので、深夜までやってる店を探し入ったのがキッチンぱるきど。
携帯の地図で見ると仲木戸からすぐだが見つからない。
さてはとその矢印が示す建物の裏に廻るとはてさて、最近縁遠い洒落た店構えの立飲みスペインバルがあった。
店内は他に女性客が一人、静かに飲めそうなのでドアを引いた。
カウンターの隅に陣取り、メニューに目を通す。
家で飯は食って来たのでビールはもう良いやとジントニックを注文。
CODなので千円札を出し、席料300円と合わせ200円のお釣り。
300円というと結構高い席料かと思わせるが、オリーブオイルとパンが付くので中々良い。
ジントニックが来るまでにフードメニューを眺め、トリッパの煮込みを注文した。
ゆっくりジントニックを啜っていると程なくトリッパの煮込みが出てくる。
あまり量は無いが、さっくり飲みには丁度良い。
トマト味でさっぱりとした感じ、ジントニックならあまり濃くない味付けの方が確かに良いか。
ジントニックの次は何にするかなと、メニューを眺めながらぼんやり考える。
後から来たお客さんがボトルワインの説明を受けてるのを聞いているとジンファンデルとか置いてるらしい。
1度は飲んでみたいとか思ってるが、今のお財布の中身が許すまい。
バックバーに並んでいるボトルの中にフォアローゼスがあったのでロックにして貰った。
昔、行き付けのパブレストランでボトル4000円だったのでよく飲んだ。
独り身だったし毎日のようにそこで晩飯にしてたから、1ヶ月に多くて10本位入れてた事もあったように思う。
店員さんからフォアローゼスお好きなんですか?と声を掛けられ昔よく飲んだと言うと、店員さんも好きらしく家でも飲んでるそうだ。
他にもアヒージョとか旨そうなものがあったが、腹一杯になったのでそこで止めておいた。
二日目は同僚と仲木戸から線路沿いに少し歩いた所にある、どん八に。
ここの特徴は何と言ってもそのシステム。
なんと1000円払えばホッピーやサワー類が90分飲み放題、しかも作るのは自分でだ。
300円足すとウィスキーなども飲み放題に含まれる。
つまみはカウンター端に、魚肉ソーセージやお菓子などが籠に入れて置いてあり、お金を籠に入れて自分でとる。
これは楽しい、大人の駄菓子屋システムと呼びたい。
サワーの割ものはコダマサワーが何種類かあるので端から試すことにする。
最初は左のレモン。
魚肉ソーセージをかじりながら、ガーリックトースト150円を注文。
サワーはあっという間に二杯目に、二杯目はライム。
かなり勢い付いて参りました。
隣のテーブルは予約の人達、宴会もできる様だ。
テーブルの中央にはカセットコンロと大きめの寸胴。
おでんか何かなのかとおもっていたが、後から聞くところによるとオリエンタルコーラルというカレーらしい。
また別のお客さんが頼んだコロッケが旨そうだったのでこっちも注文。
値段的には冷凍物のコロッケが一つ皿の上に出てもおかしくない値段だが、テニスボール程の手作りコロッケが出てくるから侮れない。
コストパフォーマンス良すぎない?
これはもう止まりません。
300円追加してウィスキーのショット、更にサワーは3杯目。
既に記憶が怪しく梅だったか青リンゴだったか。
さらにコダマと言えばやはりバイスという事でサワーだけで5杯、黒ホッピーも1杯、ウィスキーのショットを3杯は飲んでる筈である。
お隣のお客さんからオリエンタルコーラルのお裾分けをいただいたりして90分間フルに楽しませてもらいました。
勢い付いたのは同僚も同じ。
結構飲んだのにもう一軒行こうと足を運んだのは、リーデンスフォートの立飲み竜馬。
入ったはいいが流石に殆ど飲めないわ。
ホッピー1杯と串揚を2本程であっさり切り上げた。
まあ、ここは以前にも来てるからレポートもあっさりで良いか。
てな訳で2日目終わり。
三日目は生憎の雨。
少し早めの時間に仕事が終わったが明日早いので実家に帰るのは止めておいた。
一緒に飲みに行く連れもいなかったので、自分の趣味を優先した店に行くことにしよう。
少々歩くが第1京浜沿いに横浜方面へ向かう。目指すは青木町のみのかん。
横浜に残る数少ない市民酒場の一角、閉店時間の早さ故に仕事後に行くのは無理かと思っていたが今日なら間に合う。
その思いが足の運びを早めたのか、真っ暗になる前に店の前に着くことが出来た。
暖簾なければ普通の民家だな、絶対判らんわ。
ともかく飲もう、あれこれ言うのはそれからで良い。
引戸をあけるとカウンターに二人、テーブルは2つ埋まっていた。
カウンター端に陣取り、早足で歩いて来た汗を静めるべくビールの小瓶290円をお願した。
とりあえず最初の一杯をぐっと干すと、付きだしのおでん、じゃがいもと厚揚が出た。
辛子を多目に取り、先ずは厚揚から。
出汁が良く染みてますわ。
無料の付きだしが暖かいおでん2品出てくるとか探しても見つからないよ、今日日。
厚揚を堪能しつつビールを空けて、2杯目は酎ハイにした。
大きめのコップに氷と焼酎、既に焼酎が8割近く入ってるので炭酸が殆ど入りません。
少し啜っては炭酸を継ぎ足しを繰り返します。
つまみの方は軽く行こうと考えていたのでメンマを注文しました。
200円と安いのですが、これも小鉢に一杯。
カウンターに置かれたラー油を少し掛けると、良いつまみになりました。
良いですね、この時間が止まったかの様な空間。
テレビやラジオも無く、誰と話すでもなく。
ただ目の前の酒と肴のみと対話する。
そんな時間が必要な時が誰にでもあるんじゃないだろうか。
まあ俺は対話し過ぎかな。
以外とビールと酎ハイが腹にたまり、みのかんはこれで暇した。
雨もほぼ上がったようで、ぶらぶらするには良い時間。
そのまま横浜方面へ。
昔ながらの肉屋の店先のシウマイのポスターに心惹かれたりしながら青木橋の方へ宮前商店街を歩く。
初めて通ったが結構飲食店もあるんだな。
青木橋を渡り、一国も渡って反町に向かっていく。
反町駅が地下になってからどれ程経ったのだろうか。
自転車で通り過ぎる事もあったのは高校生の頃で、歩いて反町を通るのは実は初めてかもしれん。
戦前まで色町だったらしいが、その痕跡すら判らない。
高校の頃にはロマン座というポルノ映画館がまだあったらしいが残念ながら行ったことはない。
親父は六角橋から反町まで学習塾に通ったと自分史に残していたが、戦前の反町がどんなだったか今度調べて見るか。
一国から一本外れた道に一軒の角打ちがある。
三国屋酒店、立飲みではなくカウンターとテーブル席もある居酒屋のような感じだが、店売りの酒類をその場で飲ませるのはやはり角打ちのスタイル。
食品衛生管理者を置いて調理したつまみが出せるのが、普通の酒屋の角打ちと違うところだ。
カウンターに空きがあるので早速お邪魔することに。
みのかんでビールと酎ハイを飲んで来たので日本酒でも飲もうと、単にお酒と言ってみた。
一杯売りが有るのか無いのか判らないが、冷酒ならこちらの冷蔵庫に有りますよと言われ奥の冷蔵庫を見てみると一本義の冷酒があったのでそれに決めた。
つまみも色々とあるし、スパゲッティのような食事もできそうだがやはり外せないのはポテトサラダか。
最近はコスパの良い店に多く行くようになり300円という値段が高級な感じがしてしまう有り様だが、充分お値打ちだ。
ポテトサラダ的には王道のシンプルなものだが、普通にして旨い。
これは中々難しい事だ。
後から来たお客さんがポテトサラダを頼んだが売り切れになったとの事。
あら、止め刺したの俺か、まあ仕方あるめえ。
他のお客さんに混じって、テレビの野球を眺めながら冷酒をゆっくり啜る。
良い所だ、初めて来たのにアウェー感がない。
ポテトサラダがなくなりもう一品、目に入ったのは納豆。
頼むとすぐにスチロールのパックのまま出てくる。
これはこれで良い、角打ちならではのレスポンスとセルフ感覚だ。
納豆を食べながら日本酒を飲んでいると、今夏惜しまれつつ閉店した武蔵屋が思い浮かぶ。
結局一度しか行けなかったが、相席のお客さんに恵まれ楽しかった。
そんなことを考えて、しんみりと一本義を干していった。
顔見せで長居は不粋、勘定をして貰い外に出るとおかみさんが送りに出てきてくれた。
楽しかったです、また来ますと言って暇した。。
大分飲んだからそこで帰りゃ良いものをどうしてこの男は、折角だからとコンバット越前みたいな台詞を吐いて繁華街の方に歩いて行くかな。
流石に酒は良かったんで銭湯寄って汗流して、小腹減ったとか言いながら白楽駅前の味奈登庵でもりの大食って帰りました。
二日ほど空いて仕事は一段落。
翌日が日中仕事が無く、夕方に確認作業をすれば良くなったので実家に帰ることにしたが、そうと決まったのが夕刻も遅くなってからだった。
流石に今から飯用意してもらうのもお袋に悪いんで飯は食ってから帰ると電話しておいた。
東神奈川駅から陸橋を渡った所にサクラピアビルという古いビルがある。
中学の頃、シミュレーションボードゲームにはまり良く通った店がここにあった。
まあ、今は無いので寄る必要もないのだが、そのサクラピアビルの裏に回ると意外と飲食店が建ち並んでいる。
住宅街でもあるので結構暗い道なのだが、横浜方面に一ブロック行くと食句という店が見えて来る。
今回東神奈川周辺の店を探すのに参考にさせて頂いた横浜泥酔と言うブログでも一見さんには入りにくい店と書かれていたが見て納得。
引戸は開いているものの、お世辞にも広く片付いているとは言えない店内には小上がりに常連さんらしいお姐さん(※私がこの漢字を使用するときは私自身より年長の方に対しての事であり、その範囲は考慮しない)が二人居られるだけだった。
まあ予備知識があると無いとでは敷居の高さがまるで違うなと、一人ごち暖簾を潜った。
カウンター5席、小上がり2卓の小さな店内は確かに雑然としているが居心地は悪くない。
誰も座っていなかったカウンターの真ん中に座りビールをお願いした。
アサヒのスーパードライの瓶、最初の一杯を注いで貰い喉を潤した。
カウンターの上には大皿が所狭しと並び、色々な料理が盛られている。
おかあさんがこれは鰻の肝焼、これはわかさぎのフライと骨せんべい等と説明してくれたので、鰻の肝焼とわかさぎを貰う。
暖めて貰ったわかさぎはビールに合うな、肝焼はどちらかと言うと日本酒の方が良かったかもしれん。
わかさぎどと肝焼が無くなる頃、はいこれ食べてとお浸しの様なものが出される。
菊の花のお浸しだそうだ。
新潟の方で食べると聞いたことがあるが、実際食べるのは初めてである。
かきのもとやもってのほかといった名称があったと思うが、これがどれなのかは解らなかった。
ほんのりと苦味が口に残る、これは大人の味だな。
ビールが空いたので日本酒をお願いすると、寿司屋の湯飲みにたっぷり注いでくれた。
そこからは特に注文せず出されるままに白菜の漬け物、蒲鉾と食べて小一時間程で暇。
勘定は2500円、一寸高い様に思ったがその意味を知るのは後になってからだった。
さて、後はバス乗って家に向かうんだけど、また何か勢い付いてね?
大概バスとか乗車時間が短い時は席空いてても座らないんだけど、先日実家帰った時に思い出した店の前でふらりとバスから降りてしまいました。
片倉町にある匠本店はこのブログやろうかなと思いたった時、横浜の銭湯と立飲みをリスト化する際にレーダーに引っ掛かった店。
基本的に銭湯から立飲みとセットで考えてるつもりなので、近所に銭湯の無い店は中々訪れるのが難しい。
以前は神大寺に福徳湯があったが今は無く、匠本店から近い銭湯を無理矢理カップリングすると小机の藤の湯か六角橋の親松の湯となってしまう。
歩ていて行くには流石に距離があるし、その二軒は近くに飲むとこあるし。
でもお前天神湯とか歩いて行ってんじゃんとかは無しで。
まあ、ともかく入ってみよう。
立飲みのカウンターにテーブル席、奥に壁に設えたカウンターもありそこは椅子もあるようだ。
カウンターは短く3、4人で一杯、一人分空いてたのでそこに入れて貰った。
飲み物はホッピー、焼酎を選べるらしくお勧めの麦で。
食べ物の方は食って来たから軽めの牛筋煮込みを選んだ。
む、焼酎多目です。
これは中おかわり必至かな。
煮込みの方は柔く煮込まれてこれまた旨い。
しまったな、ここも2軒目にするには勿体ない店だわ。
隣の人やマスターと片倉町談義をしながら、一杯目を空けて中おかわり。
一軒目の日本酒が結構キテるのか、顔が少し火照ってきた。
煮込みとホッピーを空けて、再訪を誓って速やかに暇。
後はバス乗って家帰って寝ました。
仕事も大分進み、翌日日中は休み、夜に打合せをすれば良いとなった日。
とりあえず土産を買いに中華街に出る事にした。
東神奈川から石川町に出れば一本だが、山下公園側の横浜大世界と一石屋酒店にも寄りたい所であるので、仲木戸から横浜乗り換えみなとみらい線で元町中華街へ移動。
目指す物はすぐに手に入れたが、一石屋酒店で話し込んでしまい結構時間が経ってしまった。
自分の物は明日日中で良いやと、とりあえず横浜に戻る。
真っ直ぐ家に帰るには少し時間があったので、興福寺松原商店街でも見ていくかとバスに乗って浅間町車庫で降り松原商店街に足を踏み入れる。
行き付けと言うほど来てないが、ここに来たときは大抵焼鳥ムックに寄る。
今日もそのつもりで店前迄来たが、天気が良くなかったのか外で飲んでる人はおらずガラスケースの中もあまり串が残っていない。
んー、何かな。
気分にならなかったと言うか何と言うか、そのまま伊達屋渡邉酒店の方へ歩いてみた。
辺りは暗くなり渡邉酒店の前につくと、常連さん達が何人か飲んでる様だ。
どうするかなと思案する俺の目に一枚の貼紙が見えた。
「10月末日で閉店します」と。
次の瞬間俺は引戸をあけた。
とりあえずおかあさんにビール小瓶をお願いする。
最初の一杯をコップに注いで貰いぐびっとあおる。
一息ついて店内をくまなく見渡す。
見納めだからな。
タイル貼りの冷蔵庫、昔のポスター、古い酒類の価格表。
全てがこの店の歴史であり、失われたら二度とは会えない物だろう。
常連さん達は思い思いの酒を飲んで楽しんでいる。
こういう楽しい光景が有ったこともこの店の歴史の一頁として綴られ、そしていつかは消えてゆく。
銭湯にしろ角打ちにしろ、いずれ俺が死ぬまでにどれだけ残っているか、そして俺がどれだけそこに訪れることが出来るのかは判らない。
だけど同じ時間を共有した人がいつかこのブログを見たとき、「ああ、そんな店もあったねえ」と懐かしく思ってくれればそれで良い。
なんかしんみりとしたことを思ってる様だが、現実に話を戻すと2杯目のウィスキーと炭酸を注文している。
ウィスキーは他にもあるけど、ここは懐かしのサントリーレッドですよ。
炭酸が冷えてるから氷はいらない。
そもそもここは氷有料でキープが出来るらしいが、次は無いだろうしな。
汐入のヒデヨシも氷キープがあるが、あの回転率高い店でキープなんかしてもあっという間に奥底に押し込まれて消えて行くのは目に見えてるしな。
缶詰の棚は大分隙間が目立つ。
閉店が決まってから仕入れはしていないのだろう。
だけど埃などはたまっておらず、そういった所がこの店が長く愛されてきた理由の一つなのだろうな。
値段の違うコンビーフが1個づつ残っている。
おそらく安い方が馬肉入りのニューコンビーフ、今はコーンミートって言うんだっけ?
折角なので380円の高い方を、因みに一番気になつたのは650円のホワイトアスパラガスだったが流石に手が出なかった。
このあたりで周りの常連さん達とも話をするようになった。
隣にいたのはシンさん、すでに年金を貰えるお年らしいがお元気だ。
ここに来るようになったのは半年位らしい。
後から入って来たのがオギちゃん、今日ここにいる客の中では唯一俺より若いらしい。
最初ツナギに黒い油の残る手で入って来てビール一本飲んでから着替えて来るからと出ていった。
車とか機械関係の仕事のようだ。
すぐ綺麗になって戻って来たので近所なのだろう。
シンさんとオギちゃんは昨日も一緒に飲んだらしく楽しそうだ。
シンさんは棚に残っていたブランデーを一本入れるからと、随分メートルが上がってる。
おかあさんに大丈夫?とか聞かれていたが年金出たし何かあった時の為に家に置いてある五千円取ってくるからと言って一端出ていった。
本当に大丈夫?
程なく戻って来たシンさんが入れたV.O.を勧めてくれたので頂くことにした。
コップはデル陶々酒の器、これがまた良い味出してるわ。
店にいた人全員に勧めるのでV.O.はあっという間に減り、今度はオギちゃんがVSOP入れると言い出しシンさんが俺の立場ないじゃんと突っ掛かるのがまた面白い。
結局閉店の7時迄楽しく飲んだ。
シンさん、オギちゃん、そして名前を聞けませんでしたが他の居られた常連さん達、有難うございました。
俺の最後の渡邉酒店の思い出を楽しい物にしてくれた事を感謝します。
約束通りまた、この界隈で会った時には楽しく酒呑みましょう。
そして渡邉酒店のおかあさん達、最後には孫達もいたっけか。
有難うございました、そしてお疲れ様でした。
甚だ僭越とは思いますが渡邉酒店がこういう楽しい所であったという記憶を、ここに残したいと思います。
さて、遅くなったがその日は家に帰り、晩飯食べました。
途中電話入れておいたので、まあ良かろう。
自室に戻り兄貴と話してる内に、鶴書房のSFベストセラーズの話になり読みたくなってきた。
確か物置の段ボールに詰め込んで置いてあるはずと、探すとすぐに見つかった。
小学生の頃からヴェルヌやこの手のSF、ロビンソンクルーソーなどが大好きだった。
今でも好きだね、冒険ものは。
次の日、昼飯食って家出るまでに15冊位かっ飛ばして読み更けった。
久々に6時間位ぶっ通しで本読んだわ。
横浜最終日、仕事が終わったのは8時頃だが後輩から飲み行きましょうと誘いが来る。
しゃあねえなと外に出たが、当日は日曜日。
俺の調べた所、殆ど日曜休みなんだよな。
どん八、根岸屋、はねや、鳥清、マツヤ木曽と軒並休み、竜馬は空いてるけど人多いし。
陸橋渡って裏入って見ると、おっと食句が開いてる。
カウンターが空いてたので3人で並び、先ずはビール、お疲れさん。
ここは黙って居れば勝手に何か出てくるので待っていると最初は蕗の煮物。
そして秋刀魚の梅煮が出てくる。
やいのやいのとビールを飲みながら、とりとめもない話が続く。
秋刀魚の後は牛肉の串焼、先にも出てきたブログ、横浜泥酔でも紹介されていてこれが食ってみたくて今回食句に来た様なものだ。
確かにこれは旨いわ、後輩2人は追加でもう一本づつ焼いて貰った位だ。
4本ばかりビールを空けたところで、後輩たちはハイボール、俺は腹に結構溜まったのでウーロンハイを頼んだ。
そのあとに玉葱スライス、晒していないから結構辛いが酒呑みには良い。
一時間程も飲んで勘定して貰うと、一人1500円。
今日はまた、えらい安くない?食べ物だけで500円以下の計算になるよ。
この間のは顔見せ料金込みであの値段?
まあ安い事に文句は言わない。
ご馳走様でした。
もう一杯だけどっかで飲みましょうと言う後輩たちに、キッチンぱるきどでジントニックでも飲むかと行ったら、ここも休み。
むー、東口は全滅か。
仕方ないな、西神奈川方面に歩いてもやはり日曜日夜に空いてる方が珍しい。
結局白楽まで歩き、帰り際仲見世通りにサミーズ・ハワイアン・カフェを見つけ這々の体でジントニック飲んで今回の横浜、全て終了。
いやあ飲んだねえ。
新しい発見も、寂しいお別れもあったが収穫多い今回の横浜出張でございました。