横浜の弁護士(元社会保険労務士)寺岡幸吉のブログ

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労働基準監督官は労働者を「守る」仕事?

2013年10月13日 | 労働法
 ダンダリンを見ていると、労基署の柱にポスターが貼ってあり、そこには
 
 労働基準監督官は、働く人を「守る」お仕事です

 と書かれているのに気がつきました。

 私はこれを見て、ちょっと違和感を持ちました。というのは、私が、社労士を開業して間もなかった15年ほど前、ある労働基準監督署長が、「我々の仕事は、労働者を守る仕事ではありません。我々の仕事は、労働関係法令を適正に執行することです。」と言っていたのを思い出したからです。
 ちなみに、労働基準監督署の署長は、労働基準監督官です。ほとんどの署長は、労働基準監督官のキャリアを積んできた人たちで、例外的に労働基準監督官ではなかった人も、署長に任命される前に、労働基準監督官になるということを聞いたことがあります。

 労働法は、基本的に労働者を守るという理念からできているので、労働法を適正に執行することは、結果として労働者を守ることになるのでしょう。しかし、法律に規定されていないようなことについては、公務員である労働基準監督官がこれを行うというのは非常に難しい。だから、労働者を「守る」仕事とまで書かれると、私はやはり違和感を持ちます。
 ところで、「守る」がカギ括弧でくくられているのはどういう意味なんでしょう。単なる強調なのか、それとも、「守る」と言われています、という引用の意味なのか……。

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