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刑事事件の判決書と判決書謄本請求

2014年03月30日 | 裁判

ずいぶんご無沙汰してしまいました。 

 今年2月頃になったら一息つけるだろうと思っていたのですが、2月に緊急の案件が何件か入ってしまいました。まだしばらくは余波がありそうですが、とりあえず大きな山は越えたようです。

 ところで、私のブログへのアクセスログを見てみると、意外と多いのが、刑事事件についてのものです。  そこで、今回は刑事事件について。

 刑事事件の場合、判決の言い渡しは、判決書が無くてもできるということは、以前書きました

 判決書がなくて判決が言い渡された場合、その後、判決書が作られるのでしょうか? これについては、「作られないことが多いが、場合によっては作られる」という回答になるでしょう。

 言い渡しの時に判決書がない時には、多くの場合で、「調書判決」という形がとられます。「調書」というのは、裁判の期日に行われた手続などを記録する文書のことで、裁判所書記官が作成します。

 刑事訴訟規則219条1項には、以下のように規定されています。  

1 地方裁判所、家庭裁判所又は簡易裁判所においては、上訴の申立がない場合には、裁判所書記官に判決主文並びに罪となるべき事実の要旨及び適用した罰条を判決の宣告をした公判期日の調書の末尾に記載させ、これを以て判決書に代えることができる。ただし、判決宣告の日から十四日以内でかつ判決の確定前に判決書の謄本の請求があったときは、この限りではない。

 この調書判決という制度は頻繁に利用されており、例えば、判決の言い渡しがあった後、書記官が弁護人に、「調書判決でいいですか?」と聞いてくることがあります。

 私も、特に争いがない事件の場合には「いいですよ。」と答えることが多いですが、判決書を見たいときは、判決謄本の請求をします。上の条文を見れば分かるように、判決の確定前に判決書謄本の請求をした場合には、調書判決ですませることはできず、判決書を作らなければならないことになります。

 ところで、判決書謄本の請求については、お金がかかります。「刑事訴訟法施行法」という、昭和23年に作られた法律があります。この法律は、現在の刑事訴訟法と同じ、昭和24年1月1日に施行された法律で、戦前の刑事訴訟法(旧法)や、日本国憲法と同じ日(昭和22年5月3日)に施行された「日本国憲法の施行に伴う刑事訴訟法の応急的措置に関する法律」(応急措置法)と、現在の刑事訴訟法(新法)との調整について定めた法律です。

 新法施行から65年が経過した現在でも、「施行法」は法的効力を持った現役の法律ですが、旧法や応急措置法は、新法の施行と同時に効力を失っていますから、施行法の中で実質的な効力を持つものは非常に限られており、たぶん、10条だけだろうと思います。

 その、施行法10条には、以下のように規定されています。

1 新法第四十六条の規定により訴訟関係人から裁判書又は裁判を記載した調書の謄本又は抄本の交付を請求する場合の費用の額は、当分の間、その謄本又は抄本の用紙一枚につき六十円とする。第二条の事件について旧法第五十三条の規定により請求する場合についても、同様である。

2  前項の費用は、収入印紙で納めさせることができる。

 ということで、判決謄本の請求をするときは、謄本1枚につき60円の納付が必要です。通常は収入印紙で納めます(2項参照)。請求の時には、判決書がまだできあがっておらず、枚数がはっきりしていないことが多いですから、とりあえず請求だけをして、収入印紙は謄本を受け取るときに収めるという取り扱いがされたりします。  

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