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モリアオガエル

2008-06-29 10:38:26 | 日記・エッセイ・コラム
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天骨洞から車で10分程走ると、数十年前には耕作地とされ利用、今は忘れ去られてしまった溜池がある。この季節、その溜池の周囲に立っている樹の上に、『モリアオガエル』の生命をやさしく包み込んだ泡状の卵塊が、溜池の水面に張り出した木々の枝に数十個付いている光景が見られる。その卵塊の大きさは、両手で包み込めるくらいの手まり大のもので、色といえば黄白色をし、牛乳を泡立てたような細かい泡が、美味しそうにも見える?!

産卵の際には、雌一匹に対して複数の雄が抱きつき、雌が産んだ卵塊を後肢でかき回し泡状にする。孵化したおたまじゃくは、泡の塊の中で雨を待ち、雨で溶け崩れる泡の塊と共に下の水面へ落下する。天敵のヤマカガシやイタチ、タヌキから逃れたものが、溜池の中で生命を誕生させる。『モリアオガエル』一匹の生命においても、ドラマチックであり、小さな小さな存在も愛しく思う。

子供の頃、夏休みには昆虫採集や、蝶や蝉の標本を作ったり、おはじきをはじいて遊ぶように、マルムシに触れ、コロッと丸くなったところを人差し指で飛ばしてみたりと…そのような夏の思い出がある。昆虫や魚、鳥、小動物に触れながら、ゆっくり時間をかけ生命の尊さを育んできたように思う。

最近、少子化、核家族化等の影響により葬送の形も多様化し、墓石の変わりに桜等の木を植える『樹木葬』に人気があるそうだ。「死後は自然に返りたい」という気持ち…。『家』という箱、『墓』という箱においても代々受け継ぐという日本人の昔ながらの考え方が、変化してきている。「自分らしく生き、自分らしく死にたい」という人が増えているらしい。
土地の狭い日本、墓石より樹木を墓標とするのも環境には良いかもしれない。
自然に返り、鳥たちの宿木に…モリアオガエルの産卵場所に…
あの世のご先祖様、どう思われるであろうか。   《瑠素番虫》
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《写真下段:天骨洞の住人、トノサマガエル》