5年前、真壁の雛祭りに触発されて、古い雛人形が欲しくなり、骨董市で一式二千円で買った雛人形。(茨城県の真壁町というところでは、毎年、町をあげての雛祭りが行われる。商店街でそれぞれの店が軒先に飾ったり、一般の家でも座敷をあけて代々続く立派な雛人形を、通りすがりの者が自由に見ていけるように飾ったりしている。)一式と言っても揃っておらず、お内裏様夫婦が二組に、官女が六人もいたかと思えば、五人囃子がいなかったりする。ダンボールに子供のブロックを重ねて壇を作った。当時幼かった娘は、素直に喜んでいたが、最近ではどうも違うと思うらしく、「なぜうちの人形は首が取れたり、毛がなかったりするの?」と聞く。まあまあ、この良さが大きくなってからわかるのだよ。