結婚・離婚を繰り返して、それを“肥やし”に同性からの人気を勝ち得てきた歌手、松田聖子(50)の「3度目婚」。男から見るとピンと来ないが、夕刊フジ世代の奥さま方は、聖子の生き方にゾッコンだ。それはなぜか。家族問題に詳しく、聖子と同年齢の東京家族ラボ主宰の池内ひろ美さん(50)が解き明かす。
松田聖子は成長するアイドルだ。3度目の結婚でさらに成長するだろう。アイドルは結婚しても出産してもアイドル、というのは今では当然のように語られるが、“ママドル”ジャンルを打ち立てたのは聖子だった。
郷ひろみと「生まれ変わったら一緒になろうね」と涙の別れをしてから日をあけず神田正輝と結婚、アメリカ人男性からベッドの中まで赤裸々に書かれた暴露本の出版に沈黙を守り、バッシングを受けても言い訳しない潔さが女性の支持を得て、男性に媚びを売らず女性誌の表紙を飾った。
聖子の3度目の結婚を世の女性たちは笑顔で受け入れる。まるで自分も同化するかの喜びだ。相手は慶応大学病院に勤務する口腔外科医と聞き、すぐに同病院の知人医師に電話したが箝口令が敷かれていた。それでも気にならないのは、この結婚は、彼女の彼女による自分のための結婚であるからだ。相手が年下か性格はどうかなど世間はさして気にかけておらず、聖子の結婚に関心が集まるだけだ。ウエディングドレスを着るのか、いつロングインタビューを受けるのか。
そもそも結婚は3回目にしてようやく自分自身のために行うものだから、聖子の結婚に対する世間の見方は正しい。
結婚には3つのステージがある。
1回目の結婚は、結婚のための結婚。
育ててもらった親への恩返しでもあり、社会性を強めるためでもあり、親は自分の子育てを肯定でき安堵する。息子、娘から、夫、妻とあらたな役割を得て本人も成長する。聖子の場合は、神田正輝との結婚。
2回目の結婚は、子育てのための結婚。
自分が親となることで次世代を育て、自身が持つ文化を次の世代へ時代を繋いでいくために行う。父親、母親の役割を得て、その役割を果たすために成熟に向かう。聖子は神田沙也加のためにも再婚した。
3回目の結婚は、自分のための結婚。
仕事の終わりに向けて最後の成長を望み、加齢とともに弱る心身を互いに支え合える人と穏やかな死を迎える。聖子も親の役割から解除され、人として死に向き合い、人生を振り返るための結婚でもある。
この3回の結婚を同じ相手と過ごすことができれば各ステージが幸せだが、もしも途中で違うかなと思ったらパートナーチェンジしてもいいんじゃないか。それを体現しているのが松田聖子である。聖子ちゃん、おめでとう!
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