ゴム靴を逆さまに履く１「音声付き」

軍隊シリーズ「ゴム靴を逆さまに履く」
ちょうどアノ頃の僕

ネタがすべて自分の経験に基づいてる、
創造力のない作家だとは思われたくないのですが…
彼氏が軍隊に行っている２年２ヶ月間を待てず、おニューの彼氏を作っちゃう率→約98％！
ここまでくると、もはや当たり前の事のように思われがちなので、
今回だけは自分の経験をさらけ出してでも、他の人の経験と差別化してみようと思います。

普通、入隊して100日くらい経てば、短いけれど二泊くらいは家に帰れますが、
僕はそんな運にもめぐまれず、8カ月経ってもなかなか休みがもらえませんでした。
もちろん、その間にも先輩の目を盗み、何度も彼女に電話はしていましたけど。
そんなある日、たまたま外泊の許可が出ました。
実家までは飛行機でも一時間はかかるので、あっさり帰郷は断念し、
自由奔放な大学生の彼女を部隊近くに呼ぶ事にしました。
さっそく先輩方が眠るのを待ち、公衆電話で彼女を呼び出しました。
がしかし、社会と軍隊との温度差があまりにも大きい事を、
僕は彼女の戸惑っている様子からはっきりと気づきました。
僕がまだ幼かったのでしょう。
きっと彼女は、僕以上に会いたがっていて、
どこまででもすぐに会いに来てくれると！信じきっていたのです