SOU02 ＃2159

 ロビーから溢れてくる圧倒的な魔力の響き、これは間違いなくお師匠、「ドローガン」先生の波動だ。襲撃者はどうやらコボルトのようだ・・

 

ドワーフでありながら魔術師として数々の危機を乗り越えて来たお師匠であれば、この弱小妖魔たちに遅れを取るようなことは決してない。魔力の結界を張って身を守りつつ、見るも奇怪な魔法で妖魔たちを握りつぶしてゆくお師匠

 

 

お師匠の戦いぶりに余裕を見て取った僕は、お師匠の足を引っ張らないように部屋の入り口で様子を伺うことにした。その気配を察知したのか、お師匠は残りの妖魔どもを一掃するべく、広範囲に影響を及ぼす魔法の詠唱に入る。そして妖魔たちにとっては必殺の威力を秘めた魔法が完成したその時・・

 

 

一匹の妖魔が半分焼け焦げながらも小ぶりなナイフを取り出してお師匠に向かって投げつけるのが見えた。そのナイフは当然結界で弾かれると思われたが・・・魔法同士が打ち消しあう独特の光を発して、結界の中に吸い込まれてゆくナイフ、まさかこんなザコ妖魔が魔法のナイフを持ってるなんて！！

お師匠ー！！

 

つづく