ネタばれせずにCINEるか

かなり悪いオヤジの超独断映画批評。ネタばれごめんの毒舌映画評論ですのでお取扱いにはご注意願います。

ジャッジ 裁かれる判事

2018年03月30日 | ネタバレなし批評篇
インディアナ州の小さな街で、判事として辣腕をふるってきた父ジョセフ(ロバート・デュバル)と、故郷を捨てやり手弁護士として活躍する息子ハンク(ロバート・ダウニー・Jr)。 母親の葬儀のため20年ぶりに故郷に戻ったハンクだったが、父親ジョセフとの間にはなぜか険悪なムードが漂っていた。葬儀も無事終わり帰途についたハンクの元に、兄グレン(ヴィンセント・ドノフリオ)から親父がひき逃げ容疑で起訴されたと . . . 本文を読む

グランドフィナーレ

2018年03月29日 | ネタバレ批評篇
引退した老指揮者兼作曲家のフレッド(マイケル・ケイン)、『人生最期の日』という映画のラストシーンがなかなか決まらない映画監督ミック(ハーヴェイ・カイテル)、そしてある役作りのため宿泊客の人間観察にいそしむ映画俳優ジミー(ポール・ダノ)の3人を中心にストーリーが展開していく。 3人が宿泊する施設は、どうもトーマス・マン原作『魔の山』の舞台と同じ場所にあるらしいサナトリウム。病気療養や肥満解消目 . . . 本文を読む

J・エドガー

2018年03月22日 | ネタバレなし批評篇
弱小官庁のFBIを現在のような巨大組織にまで押し上げる礎を築いたJ・エドガー・フーヴァー。犯罪捜査に科学を応用、前科者の指紋ファイリングや要人の盗聴、G-MENの活躍を描いたTVドラマへの協力、人材登用CMの製作など、何よりも情報の重みをわかっていた人であったようなのだ。 長官就任以来8人の歴代大統領に仕えたというフーヴァー、新任大統領に謁見の際は必ず前任大統領の極秘ファイルを見せ、自分の言 . . . 本文を読む

ブルー・ジャスミン

2018年03月18日 | ネタバレなし批評篇
近年、古典と呼べる映画か小説をモチーフとした映画しか撮らなくなったウディ・アレン。元ネタを推測することぐらいしか最早楽しみがなくなった感じのウディだが、本作は誰がどう見ても『欲望という名の電車』のリメイクだろう。 大金持ちのハル(アレック・ボールドウィン)と結婚しセレブ生活を満喫するジャスミン(ケイト・ブランシェット)だが、不正がバレ逮捕されたハルは獄中で自殺してしまう。一文なしになったジャ . . . 本文を読む

祈りの海

2018年03月15日 | 映画評じゃないけど篇
辻褄が合わない事実は全て神のせいにして逃げるのが西洋合理主義の限界だ、と言ったのは誰だったか。その形而上学的事実を、グレッグ・イーガンは最先端科学のフィルターを通して、あくまでも実存主義的に説明しようと試みる。 イーガン入門書として『しあわせの理由』をあげる方が多いが、私などは本短編集の方がむしろとっつき易く感じられた。〈宝石〉〈タウ〉〈アトラクト〉…イーガン用語集にあまり馴染みのない私にさ . . . 本文を読む

96時間/レクイエム

2018年03月12日 | 激辛こきおろし篇
リーアム・ニーソンがヨレヨレである。白人男はふけるのが早いというけれど、ジョギングで体を鍛えるシーンのスピードと来たら、早足で散歩をしている人にも抜かれる私のLSDとほとんど大差はない。もしかしたら心臓疾患か何かの持病を抱えているのかもしれない。 そんなわけでスタントマン大活躍の本作ではあるが、次はもう無いなという感じ。リーアム本人の弱り具合もさることながら、人質生還のタイムリミットといわれ . . . 本文を読む

セルフレス/覚醒した記憶

2018年03月10日 | ネタバレなし批評篇
余命半年の不動産王ダミアン(ベン・キングスレー)は一人娘クレアとの断絶が唯一の心残り。あることがきっかけで怪しげな研究所を訪れたダミアンは“脱皮”と呼ばれる脳内意識転移施術を受け、若々しい肉体(ライアン・レイノルズ)を手にいれるのだが・・・ 実はこの若い体、遺伝子操作によって人工的に作り出されたのではなく、元は生身の人間であることが判明したからさあ大変。研究所から渡された薬を飲み忘れると、元 . . . 本文を読む

シェイプ・オブ・ウォーター

2018年03月07日 | 映画館で見たばっかり篇
2つ3つエログロいシーンは出てくるものの、まるでディズニームービーのように滅菌消毒された本作は、高校生以上のカップルにもオススメできるロマンティック・ファンタジー。要するにいい歳こいた大人がわざわざ見にいく映画ではないということだ。 人魚と青年との恋物語『スプラッシュ』に酷似しているストーリーはこれといった新鮮味もなく、『パディントン』で優しいお母さんを演じていた若作りのオバサン(サリー・ホ . . . 本文を読む

リンカーン弁護士

2018年03月03日 | ネタバレなし批評篇
クリントン元大統領も愛読者(意外とミーハー)だというマイクル・コナリー原作の同名法廷ミステリーを映画化。司法取引によりクズ呼ばわりされる罪人を釈放させては小銭を稼ぐバツイチ弁護士ミックをマシュー・マコノヒーが好演している。 そんなミックの元に娼婦暴行の罪で起訴された資産家のドラ息子ルーレ(ライアン・フィリップ)から弁護の依頼が。かつて自らが担当した殺人事件との関連性に気づいたミックはある計画 . . . 本文を読む