パークシティ武蔵小杉の設計・施工は竹中工務店になります。今日は竹中工務店についてのお話です。
http://www.takenaka.co.jp/index.html
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E7%AB%B9%E4%B8%AD%E5%B7%A5%E5%8B%99%E5%BA%97
1610年に竹中藤兵衛正高氏によって名古屋にて創業された竹中工務店は、当初は神社仏閣の造営をしていました。約400年の歴史がありますが、創立第1年は1899年に神戸に進出した時となります。1904年に無筋コンクリート(住友安治川倉庫)、1912年に商店建築で日本初の鉄筋コンクリート(高島屋京都店)、1916年に鉄骨鉄筋コンクリート(大阪朝日新聞本社)を竣工させ、建築技術を向上させていき、1958年に東京タワーを施工。さらに1960年にはサンフランシスコに事業所を設立させ、海外進出も果たしています。現在、海外の事業所は18ヶ国に上ります。その他に、TACSS工法、TBW工法、TSTシステムなど竹中独自の技術を開発しています。
売上高は2005年度で1兆238億円。従業員7720名、一級建築士2752名となっています。また竹中グループとして、大きく4つのグループ(建設事業、開発事業、マネジメント・エンジニアリング事業、海外事業)に分かれており、建設事業では、マンションの工事関連はもちろんのこと、土木・道路・電気・給排水・内装・造園・ゴルフ練習場や駐車場経営など、幅広い分野を展開しています。開発事業では、不動産の開発はもちろんのこと、ゴルフ場やリゾートホテル、スキー場の経営を行っています。マネジメント・エンジニアリング事業では、不動産の管理、損害保険代理業、リース業、コンサルティング、人材派遣業、福利厚生業務などを行っています。
竹中工務店の建築作品ですが、以下のページがよくまとまっていて見やすいと思います。写真も充実しているので、建築物が好きな人にとってはたまらないページです。最近の建築物で言うと、元麻布ヒルズ・アクティ汐留・汐留シティセンター・晴海アイランドトリトンスクエア・愛宕グリーンヒルズMORIタワー・東京オペラシティ・品川プリンスホテル新館などあります。
http://www.takenaka.co.jp/majorworks/majrwrk.htm
また、1989年に竹中工務店は「SKY CITY 1000」構想というのを掲げて、高さ1000mの超高層タワーを企画しています。東京タワーの3倍もの高さを誇るこのタワー。果たして実現するのでしょうか。ここまでくるとアニメの世界のようです。ちなみにこのタワーには35000人が居住し、10万人の就業者が生活するということです。賛否両論あるでしょうが、400m四方の敷地に一つの小都市を生み出すプロジェクトと言えるかもしれません。
http://www.takenaka.co.jp/superhigh_j/index.htm
2010年を目標に高さ600mのホロニックタワーというのも計画しているようです。こちらに関しては延期は確実でしょう。
http://www.takenaka.co.jp/engi_j/c02/c02_1.html
そしてパークシティ武蔵小杉に竹中工務店がどのように関わっているのでしょうか?ポイントは3つあります。超高強度コンクリート、耐火性能、スーパーフレックスチューブの3つです。
まず超高強度コンクリートについてですが、基本的にタワーマンションをRC造(鉄筋コンクリート造)で建築しようとすると、低層階のコンクリートを巨大にする必要があります。そこでコンクリートの強度を増すことで、それを解決する必要がありました。竹中工務店は1980年頃から高強度コンクリートの開発に着手し、パークシティ武蔵小杉SFTでは最高100N/平方㎜、MSTでは最高150N/平方mmのコンクリートが採用されることになりました。150N/平方mmは世界最大の数値です。
しかし、通常の超高強度コンクリートは密度が高いため、火災の際に水蒸気の逃げ場が無く、コンクリート表層が剥離・飛散・爆裂する恐れがありました。そこで耐火性能をアップさせる必要が出てきたのですが、これに対応する技術がAFRコンクリート(高耐火コンクリート)です。AFRコンクリートとは、コンクリートの中にポリプロピレン繊維などの合成繊維を混入させることで、火災の際にその繊維が溶けて水蒸気の逃げ場を作り、剥離などを防ぐというものです。そして、コンクリート内部に鋼繊維を入れて大地震の横揺れによるコンクリートの破壊を防ぐ技術が、APCコンクリートとなります。AFRコンクリートはパークシティ武蔵小杉のSFTに、APCコンクリートはパークシティ武蔵小杉のMSTに採用されています。
そしてスーパーフレックスチューブについてですが、下記のページに詳しく解説が載っていますが、要するに4種類のチューブ型の架橋(チューブ架橋・ダブルチューブ架橋・クロスチューブ架橋・パラレルチューブ架橋)からいくつか選んで、その物件に最適なものを採用するというものです。こちらの技術が採用されている既物件は「ルネッサンスタワー上野池之端」「D'グランフォート神戸三宮タワー」になります。この技術によって、従来のラーメン構造に比べて内部の梁を少なくすることが可能となり、自由度の高い住戸設計が可能となりました。
http://www.takenaka.co.jp/news/pr0407/m0407_01.html
さらに竹中工務店は、スーパーフレックスウォールという技術も開発し、赤坂タワーレジデンスTop of the Hillで採用されています。こちらの技術は、梁の少ない高さのあるワイドビューが可能になるのが大きなメリットとなり、外観もガラスを多用したスマートなものにすることが可能となります。
http://www.takenaka.co.jp/news/pr0603/m0603_02.html