黄昏のかりんとう

日々黄昏ていく自分と向き合う日記

白いカーネーション

2018年05月03日 | 日記

5月の第2日曜日は《母の日》

小学生の頃、学校から赤いカーネーションの造花が配られたことを覚えている

全国的なことだったのか、私の小学校、あるいは地区、県、などの括りの中で行われたことだったのか分からない

母の日は母に感謝する日、家に帰ったら“おかあさんありがとう”と言ってカーネーションを胸につけてあげましょう

というようなことを言われて手渡されたと思う

カーネーションが配られた日は、赤いカーネーションを胸につけて下校した

強く印象に残っているのは、お母さんのいない人は白いカーネーションだったこと

通学班が一緒でクラスも一緒だったT君はお母さんがいなかった

T君のおかあさんは病気で亡くなった、と母から聞いた

T君はいつも白いカーネーションを先生から受け取っていた

私は子ども心に、T君の白いカーネーションを見るのが辛かった

どうして全員赤いカーネーションにしないの?

あー、お母さんがいないから“おかあさんありがとう”って言えないものね

やっぱり赤じゃダメなんだ

と自分の中で自問自答したことを覚えている

母の日って(T君にとっては)悲しいなと思った

T君本人はどう思っていたのか聞いたこともないけれど

 

数年前、同窓会でT君と会った(卒業以来!)

普通のおじさんになっていて安心した

私が密かに白いカーネーションを見て心砕いていたことはもちろん内緒

私は小学校の時から既にお節介BBAの素質があったのだ