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雪組「エリザベート~愛と死の輪舞(ロンド)~」東京公演

2007年08月12日 | 観劇日記、宝塚、ミュージカル、芝居


宝塚歌劇雪組「エリザベート~愛と死の輪舞(ロンド)~」東京公演が6日、
東京・日比谷の東京宝塚劇場で始まった。8月12日まで。


全組での公演が一巡し、これが6度目になる。宝塚大劇場公演中に
のべ観客動員数が150万人を超え、宝塚歌劇の代表作のひとつになっている。

新トップコンビ、水夏希と白羽ゆりの大劇場お披露目公演でもある。

19世紀末。ハプスブルク家が支配してきたオーストリア・ハンガリー
二重帝国が崩壊してゆく姿を、自由を求めてさすらう美貌(びぼう)の皇妃
エリザベート(白羽)と、死を擬人化したトート(水)の愛憎を交えて描いた、
ファンタスティックな歴史ドラマ。
セリフを歌で綴る音楽(シルヴェスター・リーヴァイ)の魅力も圧倒的だ。

水トートの素晴らしさに始まり、新生雪組のアンサンブルの良さが非常に
レベルアップされていて、素晴らしい作品を感動を私達客席に与えてくれた

(つづき観劇の感想、後日アップします






オーストリア=ハンガリー皇后エリザベート暗殺から100年が過ぎたが、
煉獄の裁判所ではいまだに暗殺者ルイジ・ルキーニ(音月桂)への尋問が
続いていた。暗殺の動機は何か。ルキーニは「皇后が死を望んだのだ」と答える。

証人としてハプスブルク家の人々の魂を呼び出す。



そして黄泉の帝王トート(水夏希)が現れ、「死」と皇后の数奇な愛の物語を
語り始める。



転落し仮死状態のエリザベート(白羽ゆり)は、冥界でトート(水夏希)と
出会う。トートは生気あふれるエリザベートの瞳に激しくひかれ、恋に落ちる。
トートはエリザベートを生き返らせ、生きている彼女の愛を勝ち得ようと
決意する。愛と死の輪舞は、こうして始まったのだ。



そんなエリザベート(白羽ゆり)のおおらかさに、もうひとりの人物が強く
ひかれた。ウィーン皇帝フランツ・ヨーゼフ(彩吹真央)だ。フランツは
エリザベートを妃として迎える。



エリザベート(白羽ゆり)とフランツ・ヨーゼフ(彩吹真央)の挙式。
陰の司祭トート(水夏希)が不気味に笑う。きょうからハプスブルク家の
凋落が始まるのだと。




披露宴のワルツ。エリザベート(白羽ゆり)は気づくとトート(水夏希)と
2人で踊っていた。再会。トートは「おまえが最後のダンスを踊る相手は
おれなのだ」とエリザベートを引き寄せる。かつて自分を助けてくれた記憶の
相手の正体が死であることに衝撃を受けたエリザベートはフランツの庇護を
強く求めるが…。



結婚生活はエリザベート(白羽ゆり)には、束縛の日々だった。発言力をもつ
フランツの母、皇太后ゾフィー。フランツが自分よりもゾフィーの言葉を
支持することには激しく絶望した。絶望の淵で死を選ぼうとするエリザベート
だが、彼女は苦境の中でむしろ、より自分らしく生きていこうと目覚める。
自分の命は自分だけのものだと。



宮廷での苦しい日々が過ぎ、エリザベート(白羽ゆり)は、ついにフランツに
“最後通牒”を伝つきつける。自分とゾフィーのどちらをとるのか。一方、
エリザベートはトート(水夏希)の死の誘惑をも敢然とはねのける。
トートもまた、愛に煩もんする。



トート(水夏希)は、ハプスブルク家崩壊への罠を着々と仕掛けていた。
革命である。国民にはミルクの供給すらままならなくなっていた。
不満は頂点に達しようとしていた。トートは不満分子を巧みにあおった。



一方、夫婦の溝を埋めるべくフランツ(彩吹真央)は、
エリザベート(白羽ゆり)の主張を受け入れる。エリザベートはいまや
生命の輝きに満ちていた。
そんなエリザベートをトート(水夏希)がみつめる。



エリザベート(白羽ゆり)はまた、おのれの美ぼうが政治にも利用でき
、かつ夫フランツをつなぎとめるためにも有用であることに気づく。
エリザベートはハンガリー王妃にも就く。民衆はその美ぼうをたたえるが、
革命分子はいよいよ危機感を募らせる。その背後にはトート(水夏希)がいた。



力強く生きようとするエリザベートだが、周辺に謀略が張り巡らされている
ことを知らなかった。トート(水夏希)は、皇太子ルドルフ(冴輝ちはや)の
寂しさにつけこみ、近づく。皇太后ゾフィーは、美ぼうで台頭する
エリザベートに一矢報いようと、フランツ(彩吹真央)に踊り子マデレーネ(
愛原実花)を近づかせる。



エリザベート(白羽ゆり)は美ぼうの維持のため無理なダイエットや
運動を続け、倒れてしまう。
そんなエリザベートにトートは、フランツの不実の姿を収めた
写真を見せて追い込む。フランツのお前に対する愛などはこんなものだと。
だが、それでもエリザベートは「あなたに頼ることはできない」と死を拒絶する。



母の不在は皇太子ルドルフ(凰稀かなめ)の心に孤独という大きな空洞を作った。

そこにするりと入り込んだのがトート(水夏希)だった。
トートのささやきによりルドルフはハンガリー独立運動に大きく荷担し始める。
闇が広がる。人はなにも知らない。



トート(水夏希)にあおられた革命勢力はいよいよ蜂起しようとするが、
政府の知るところとなり一網打尽にされる。その仲間であったことが判明した
ルドルフ(凰稀かなめ)は、父フランツから皇位継承は難しくなったと告げられる。
そこへ帰国した母エリザベートは、しかし、すがりつくルドルフを突き放す。
ルドルフを絶望が襲ったとき、そばに寄ってきたのはトートだった。



ルドルフ(凰稀かなめ)を失ったエリザベート(白羽ゆり)は虚脱状態に陥り、
ついにトート(水夏希)に救いを求める。だが、トートは気づく。それは
愛ではなく、現実からの逃避に過ぎないと。「死は逃げ場ではない」。
トートはエリザベートを突き放す。



ルドルフを失ったエリザベート(白羽ゆり)は旅を続けた。レマン湖畔。
フランツ(彩吹真央)がエリザベートを訪ね、ウィーンに戻ってほしいと
懇願するが、2人の心はひとつになることはなかった。まるで夜のボートの
ように、近づいても通り過ぎていくだけ。



場面は再び煉獄の裁判。最終答弁だ。トート(水夏希)がルキーニ(音月桂)に
ナイフを渡す。かつて、エリザベートが自らののどをつこうとしたナイフだ。



1898年レマン湖畔。ルキーニ(音月桂)は、エリザベート(白羽ゆり)に
ナイフを向ける。トート(水夏希)の存在に気づいたエリザベートは、自らの
体を刃のほうに向ける。エリザベートがトートの愛を受け入れた瞬間だ。



トート(水夏希)とエリザベート(白羽ゆり)は、天空へと昇っていった。



フィナーレ
ひとりの青年が「愛と死の輪舞」をうたいながら銀橋をわたる。



フィナーレ
紳士S(水夏希)と紳士たちが「闇が広がる」で踊る。



フィナーレ
デュエットの男(水夏希)とデュエットの女(白羽ゆり)










情感とロマンチックさたっぷりと

宝塚歌劇で6度目になる「エリザベート~愛と死の輪舞(ロンド)~」は、
観客動員数が150万人を超えた(5月24日)。今回はウィーン・
オリジナル版の来日公演に続く雪組公演で、新トップ・コンビ、水夏希と
白羽ゆりの宝塚大劇場でのお披露目でもある。改めて、この海外ミュージカルが
日本で大ヒットした大きな要因は、主役をトート(黄泉の帝王)に変えて
大胆に潤色・演出(小池修一郎)した宝塚版にある、と確信できた。

19世紀末。ハプスブルク家が支配してきたオーストリア・ハンガリー
二重帝国が崩壊してゆく姿を、自由を求めてさすらう美貌(びぼう)の皇妃
エリザベート(白羽)と、死を擬人化したトート(水)の愛憎を交えて描いた
ファンタスティックな歴史ドラマ。セリフを歌で綴る音楽(シルヴェスター・
リーヴァイ)の魅力も圧倒的だ。

歴代トップがそれぞれに工夫してきたビジュアルを、水はシルバーと
グリーンをベースにして、クールで凄(すご)みのある力強いトート像に
作り上げた。白羽のエリザベートは若いころの愛らしさと艶のある美しさが
際立つ。皇帝フランツの彩吹真央は歌も受けの芝居もうまく、説明役を兼ねる
暗殺犯ルキーニの音月桂は明るさを秘めた無頼漢で新境地をみせた。

皇太后ゾフィーは男役の未来優希が歌唱力を生かして大きさと迫力を出し、
皇太子ルドルフの凰稀かなめは繊細な悩める貴公子役にぴったり。
全体に歌唱力がアップしており、それぞれの役柄の理解も深くなって、
再演を重ねるよさが出ている。

歌のバトルのような激しさがあるウィーン版とは違って、トートと
エリザベートがスモークの中を抱き合って昇天する宝塚ならではのソフトな
フィナーレ。情感とロマンチックさをたっぷり加えた仕上げ方が、日本人の
琴線に触れるたまらない魅力になっているのだろう。


  by ENAK

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