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今回の衆院選の選挙分析 ~マスコミとネットは影響したか~④

2009-09-08 09:32:39 | お知らせ

ここは(その4)~(その6)まで 

  今回の衆院選の選挙分析 ~マスコミとネットは影響したか~ その4

    ● さて、ここからは元気が出る話 ●

    もし仮に、マスコミの出した支持率が正しかったと仮定しよう。

    そうなると、次の2点の分析が出てくる。

    ■その1 ネットの力

    解散後も「アレだけ逆風が吹いていた」さらに「300議席というバンドワゴン」まで
  飛び出した、形振り構わないマスコミの状況であったにも拘らず
    ネットやポスティングなどの草の根運動で「20%の国民を自民支持に鞍替え
  させた」ということになる。

    もちろん私自身、現実的に国民の20%もネットが動かしたとは思っていないが
  (それでも10%以上は動かしたかなとは思う)、
    それだけの影響力は確かにあった。

    そしてそれだけの影響力があるゆえに「ネットの影響力が下がるようなネガキャン
  を、マスコミは選挙後に始めた」といえる。
  一連の動きや、選挙後もネトウヨネガキャンが2chで行われているのは、そういう
  ことだろう。

    ■その2 麻生執行部の選挙戦略

    その1のネットの力も「そんな訳が無い。現実的じゃない」と仮定しよう。
    解散後も「アレだけ逆風が吹いていた」さらに「300議席というバンドワゴン」まで
  飛び出した、形振り構わないマスコミの状況であったにも拘らず

    たった一ヶ月で(しかも毎日逆風の状態で)麻生執行部は「20%の国民を自民
   支持に鞍替えさせた」のである。
    どんな手品だよという話になる(まぁ元が低すぎたってのもあるが)
    マスコミでさえプラス方向に20%も移動させるのが困難であるから、これは大変
    なことである。
    タラレバの話になるが、もし、選挙戦が2ヶ月あったら民主は勝てていただろう
    か?得票率10%は持っていかれたのではないだろうか?

    それだけ、自民党は何をやるのか、民主党政権はとんでもないという意識が浸透
    したわけだから麻生執行部の選挙戦略は、それほど間違っていなかったというこ
    とになる。

    その証拠が、今回激戦区となった選挙区が多いということである。
    郵政選挙のときより、遥かに僅差選挙区が多かった。
    「支持率の通りなら圧倒的に負けた選挙区が多いはず」だが、蓋を開けると
    2000票差のようなデッドヒートの選挙区が結構あった。

    小選挙区で激戦区を集計してみた。
    対象は、得票率の差が10%以内or票差23527(総票数の10%/300議席定数)
    以内で民主が勝った、接戦地区。(カッコ)内は選挙区番号

    北海道(5.12)岩手(2)秋田(2.3)宮城(3)山形(1)福島(1.2)新潟(5)富山(1)石川(1.3)茨城(2.7)群馬(1.2.3)千葉(7.10)埼玉(2.8)
    東京(1.4.5.9.10.13.14.15.16.24)神奈川(1.4.13)長野(5)静岡(1.4.8)愛知(13)岐阜(1.5)三重(1.4)奈良(2)和歌山(2)大阪(15)京都(1)
    広島(4.5.7)山口(2)香川(1)徳島(2)福岡(4.5.9.10)佐賀(2)長崎(2.3.4)大分(2.3)熊本(2)鹿児島(1.)沖縄(1.4)

    計68議席

    ifの話だが、おそらくこれらの選挙区は勝てると計算していたと思われる。
    予想としては小選挙区の議席は「自民130前後 民主160前後」と睨んでいたので
    はないか?

    確かにこの議席数だと、得票率4:5の結果に限りなく近い。
    返せば、実際は僅差でも議席数では大差になる小選挙区制度の特徴が出た
    証左ともいえる。
    勝てる選挙区を落としたと言う点では痛いが、得票率と支持率の比較をすれば、
   選挙戦がもう少し長かったら?
    どのみち、民主が失策して衆参同時選挙などの事態になれば、確実に勝てる場
   所でもある。

    ■上記結論
    つまり、ネットが現実に効果があった・いや現実に効果は無かった、どちらに転ん
   でも、マスコミにとっては都合が悪い「現実」しか残らない。
    マスコミの支持率が「正」だとした場合、笛吹けども踊らない、
   印象操作出来ない層が20%も存在していた。

    それは「捏造のできない数字」が証明しているのである。


今回の衆院選の選挙分析 ~マスコミとネットは影響したか~ その5

    ● その上でマスコミの報道を振り返ってみる ●

    さて、ここからはマスコミ報道を振り返ってみる。面白いことが判る。
    前回の郵政選挙は「劇場型」と評され、世間の追い風を得た自民党が大勝したと
    言う風に語られる。
    同じように、今回の選挙は、世間の追い風を得た民主党が大勝したと言う風に
    語られる。
    「郵政民営化」「政権交代」共にワンフレーズポリティクスが選挙を動かし、
    議席も同じように動いた。

    確かに、表面の動きは全くその通りである。では視点を変えてみよう。
    変える視点は「風の吹き方」だ。郵政選挙の時と風の吹き方は同じだったのか?

    ■郵政選挙 マスコミの論調

    ・郵政選挙のとき、テレビ週刊誌新聞と総力をあげて小泉劇場を宣伝していた
     が、決して一方的に小泉を持ち上げる展開ではなかった。
     あくまで自民党内の政争を、面白おかしく報道していただけで、どちらかと言うと
      批判も結構あった。
      郵政民営化の賛成反対意見どちらも取り上げられ、朝日毎日はむしろ小泉を
      叩いていたぐらいだった。
     また、郵政改革で郵便配達が終わるとかも言われていた。

    ・対して民主党は、いわゆる小泉政権への抵抗勢力として期待され擁護されてい
      た。特に批判されることもなく、むしろ「小泉劇場に埋もれたままで、
     存在をアピールできないのではないか?」と叱咤されていたぐらい。

    まとめると
        「自民党↑age↓sage 入り混じり・民主党↑age→埋没懸念 ややage向き」
                 という論調だった。その論調で実際の投票はどうだったか?

    自民党↑↓ 選挙区32,518,389 47.7% 比例区25,887,798 38.1%
    民主党↑→ 選挙区24,804,786 36.4% 比例区21,036,425 31.0%

    そして、選挙後のマスコミの論調は、選挙結果に対し“数の暴力”や“少数意見を
    尊重せよ”だった。

    ■今回の選挙 マスコミの論調

    ・今回自民党に対しては、徹底的なネガティブキャンペーンと劣勢であると言う
     印象操作、自民党に有利なことは「報道しない自由」戦術を駆使して徹底的
    に叩いた。
     判りやすいのは漢字の読み間違いで、間違ってない旧仮名遣いまで取り上げて
     叩き狂っていた。

    ・対して民主には、徹底的な擁護がついた。
    基本的に財源などの弱点はぼかし、TV討論会で不利になるとCMなどで遮り、
    フリップは使用不可になり民主党に対して不利なことは「報道しない自由」
   戦術を駆使して徹底的に擁護した。
    まさに戦前の大翼賛会状態。最後にはバンドワゴンでダメ押し。

    まとめると「自民党↓sage↓sage・民主党↑age↑age」という論調だった。
   その論調で実際の投票はどうだったか?


    自民党↓↓ 選挙区27,301,982 38.6% 比例区18,810,217 26.7%
    民主党↑↑ 選挙区33,475,334 47.4% 比例区29,844,799 42.4%

    そして、選挙後のマスコミの論調は、選挙結果に対し“コレが国民の選択”
    だった。

    ■上記結論
    これだけの逆風が自民に吹いていたにもかかわらず、選挙区では得票率が
   10%しか下がらなかった。
    (しかも選挙区得票数だけだと2003年の43回衆議院選挙より多い)
    マスコミが最も多く影響したのは、実は「比例票」である。

  今回の衆院選の選挙分析 ~マスコミとネットは影響したか~ その6

    ● まとめ ●

    今回の選挙、確かに自民党は多くの議席を失って大敗しました。
    4対5という得票率にもかかわらず、小選挙区の魔術で大差になったのは、
   先の郵政選挙と同じです。
    しかし、その取り巻く状況や実際の票を見ると、優勢選挙とは挙動が異なること
   が理解できると思います。

    民主党は大勝しました。しかし勝ちすぎました。
    フリーハンドを与えられたということは、すべて民主党の責任にされるというのと
   同義でもあるからです。
    彼らの前には、これから世界経済や国内経済問題などで「一歩対応間違えたら
   即終了」の案件が山積みになっています。
    短期政権どころか、これからの対応次第では、かつての社会党・自由党のように
   民主党の終焉の可能性もあります。

    しかも今回の選挙で、元々自民党支持(潜在的含む)ながら「自民にお灸」や
   「一回自民以外にやらせてみれば良い」という世論は、大勝したことで見事にガス
  抜きされてしまいました。民主党は『切り札を2枚も失った』状態になりました。

    メディアは必死に国民の選択といっていますが、先のデータでも上げたように

    国民は先の選挙で、郵政民営化は半分の国民しかYesと言いませんでした。
   4割は郵政民営化にはNoと言いました。

    そして国民は今回の選挙で、政権交代に半分しかYesと言いませんでした。
   4割は政権交代にNoと言ったのです。

    ここ数日の、民主議員の発言で、色んなところで綻びが出始めています。
    私の周りの例から言えば、民主に投票した人たちが皆「民主は大丈夫か?」と
    口に出し始めました。

    ある人は「ネットで言われてるのはどうせ嘘や悪意的だろうと思っていたが、
    本当な気がしてきた」とまで言い始めました。

    今はまだ組閣前です。それでも過去の発言修正や前言撤回が目立ちます。
   そしてコレからどんどん明るみになってくるでしょう。

    マスコミが「幾らでも隠して礼賛記事を書く北朝鮮や中国のような状態」になったと
    しても、日本が貿易に頼っている資源の無い国である以上、必ず外からの情報
   が入ってきます。

    国民が民主の欺瞞を目の当たりにしたとき

    「政局より政策」と言っていたのは誰だったか
    「実行力・責任力」と言っていたのは誰だったか
    「日本を守る」と言っていたのは誰だったか

    これらが初めて、威力を発揮し始めるでしょう。
   積み上げたボディーブローが効き始める訳です。



    チラ裏では『メガンテ』と呼ばれていた言葉、
    今は私は次のように解釈しています。
    麻生太郎と言う政治家が、日本国民に投げかけた『戦後民主主義の幻想』を
   ブチ壊すためのものではなかったのか、と。

    「政治は誰がやっても変わらない」「お上が勝ってにやるから庶民には関係ない」
   「争いの無い世界がくれば上手くいく」
    こういった戦後民主主義の幻想を全てぶち破るために、
   今後の『メディアリテラシーを国民が身につけるために』
    負け戦と判っているがゆえに、
   『次の一手』を打って戦術的撤退戦をやっていたとしたら?

    『戦後民主主義からの本当の脱却』お上と庶民から、
   国民一人一人が我が事と思って政治に興味を持つ本当の民主主義へ。
  その為の前哨戦。

    ネットを見れば、(良い意味でも悪い意味でも)麻生太郎という一人の総理が
   きっかけで、政治に興味をもった方が結構います。
    少なくとも4割の国民が、本当の意味で「政治に興味持つことの大切さ」を知った
   のではないでしょうか。
    少なくとも4割の国民が、本当の意味で「政治と政策を知ることの大切さ」を
    噛み締めたんじゃないかと思います。

    そういう風に、私は今回の選挙を捉えています。

    来年参院選が行われます。これからの民主のやり方によっては、衆参同時選挙
   どころか年内衆院選挙も起こりそうな状況ではあります。
  そう、まだ戦いは終わっていないのです。

    皆さんには、この分析から、今後の目星がつくようなことがあれば幸いです
    (私に動画製作の技術があれば、BGMクリティウスの牙で、
      この選挙分析動画作ってみたかったんですがorz)

                                *******************************引用ここまで



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