浜松開誠館『中村ノリ型』攻撃的野球で春夏通じて初の甲子園 元中日・佐野心監督「ノリも喜んでいるでしょう」【高校野球静岡大会】
2023年7月29日 19時27分
春夏通じて初の甲子園出場を決め喜ぶ浜松開誠館ナイン
◇29日 全国高校野球選手権静岡大会 浜松開誠館12―8東海大静岡翔洋(草薙)
上位打線も下位打線も関係ない。2点リードの4回、浜松開誠館は7番鈴木の中前打を皮切りに猛ラッシュ。相手が次々とマウンドへ送り出した3人の投手に計5安打を浴びせ、打者一巡の猛攻で4得点。右前適時打の2番広崎は「近藤が不調だった分を打線でカバーできた」と胸を張る。プロ注目の149キロ右腕・近藤は8失点したが、先発全員の18安打、12得点で十二分に補い、創部初の甲子園を勝ち取った。
元中日の佐野心監督(56)は「近藤は全然ダメ。選手たちは『エースがノーガードで真っすぐ勝負をするなら、俺たちが打てばいい』と言っていた」と笑う。
2021年まで非常勤コーチとしてチームを指導した中日・中村紀洋打撃コーチ(50)の教えは、今も息づいている。決勝で3安打した右の大砲・新妻は「バットが出やすいように、顔とバットの距離を開けるよう教わった。手が伸びて長打が出やすくなった」と語る。ノリ理論をベースに成長した3年生が、強力打線の中核だ。
加えて昨冬には、チームとして浜松市内のジムでフィジカル強化に注力。打球スピードも上がった。「この結果をノリも喜んでいるでしょう」と佐野監督。2007年センバツを制した常葉学園菊川(現・常葉大菊川)で、部長を務めていたのが佐野監督だった。当時と重なるような攻撃型チームで、甲子園に旋風を巻き起こす。