永井豪記念館全焼、軍艦島は崩落…能登の観光名所大打撃
1/10(水) 16:14配信
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地震直後の火災で焼け落ちた永井豪記念館=石川県輪島市で2024年1月5日午前7時半、幾島健太郎撮影
能登半島地震で、石川県内の観光業が深刻な打撃を受けている。震源地となった能登地方では観光名所や集客施設が被災し、休業を余儀なくされている。大きな被害を免れた地域でも温泉旅館などは影響の長期化を懸念している。 【写真まとめ】老舗旅館「加賀屋」も…被害を受けた能登の観光名所 輪島市の観光名所「朝市通り」は火災で焼け野原になり、一角にあった「永井豪記念館」も全焼した。同市生まれの漫画家・永井豪さんを紹介するため2009年に開館し、館内で代表作「マジンガーZ」の大型フィギュアなどを展示していた。市によると、借りていた原画も焼失したとみられる。SNS(ネット交流サービス)上には「お宝がたくさんあったのに非常に残念」などとファンが書き込み、永井さんは10日、「みなさんが早く元の生活を取り戻せるよう、少しでもお手伝いができればと思っております」などとするコメントを発表した。
能登のシンボルとして知られる観光名所で、独特の形状から「軍艦島」の別名を持つ見附(みつけ)島(珠洲(すず)市)は土砂が崩れ落ちた。高さ28メートルの岩は22年と23年の地震でも一部が崩れ、崩落がさらに拡大した。 元日から営業していた「のとじま水族館」(七尾市)は臨時休業中。水をろ過・循環させるパイプにひびが入り漏水でポンプが水没し、ろ過できなくなった。ヒーターの故障で一部の水槽は水温が下がった。飼育していたジンベエザメのハチベエ(雄、体長4・6メートル)が9日に、ハク(雌、同4・9メートル)が10日に死んでいるのを確認した。通常25度の水温が17度に下がり、水も濁るなど環境が悪化していた。ゴマフアザラシなど他の海獣や魚も、県内外の施設に順次移送を始めている。 和倉温泉(同)にある旅館22軒でつくる和倉温泉旅館協同組合によると、加盟する全旅館が当面休業という。温泉の湧水(ゆうすい)に影響はないが、外壁にひび割れなどが出ている施設があり、宮西直樹事務局長は「(新型コロナウイルス禍で減った)観光客が順調に回復していただけに残念」。4館を運営する老舗旅館「加賀屋」の広報担当者は「建物にどれぐらいの被害が出ているか分からない。専門家に見てもらう予定だ」と話す。