静岡市が市内の高校生を対象に初めて企画した高山植物保護セミナーが18日、同市葵区の南アにある椹島(さわらじま)ロッジで始まった。関係機関が取り組む自然保護活動を現地で実体験してもらうのが狙い。
県立静岡東、同清水東、静岡聖光学院の3校から山岳部や登山部の生徒計16人が参加した。ロッジで講義があり、ニホンジカによって高山植物が食い荒らされている被害状況を学んだ。19日には千枚小屋周辺の高山植物の群生地を訪れ、シカの侵入を防ぐ柵を設置する。
講師は静岡大の増沢武弘特任教授と環境省や県の担当職員ら。増沢さんは、南アの高山植物が約2万年前の氷河期に北極点周辺などから分布した貴重な植物であると説明し、「長い歴史を耐えてきた植物を将来に残したい」と呼び掛けた。環境省の中村仁南ア自然保護官は、シカの食害は3千メートル級の山々に及び、捕獲や防護柵の設置など、さまざまな対策を講じていることを説明した。
県自然保護課によると、シカは1頭が1日で重さ1〜3キロの高山植物を食べてしまうという。南アの高山植物群落はほぼ全域で衰退や消失が進み、ライチョウやチョウなど、高山に生息する動物への影響も懸念される。同課の山崎由晴主任は生徒に「現地に行ってしっかり見て、考えてほしい」と呼び掛けた。
受講した聖光学院山岳部の杉浦健太郎部長(17)は「高山植物保護の大切さを学んだ。シカがなぜ増えたのかも知りたい。現場をしっかり見たい」と話した
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