雲外蒼天（うんがいそうてん）

多摩爺の「時のつれづれ（睦月の２８）」
雲外蒼天（うんがいそうてん）

文字通り・・・　雲の外（上）には、青空が広がっているということであり、
頑張って困難を乗り越えた先には、明るい未来が待っているとの意味が、
この四文字に込められている。

令和に入って５年目で、４度の正月を迎えたが、そのうちの３度はコロナ禍であって、
ずっとそうだったと言えば、確かにそのとおりなんだが、
せめて正月ぐらいは、そんなストレスから開放されたいと思うのは、私だけではあるまい。

だからといって・・・　今年はきっと良い年になんて、過度な期待をするわけでもない。
可もなく不可もなく、普通に過ごせることが、どれほど素晴らしいのか、
この３年間で、骨の髄まで学ばせてもらった。

私にとっての最悪で最大の困難は、コロナ禍に陥って直ぐに女房を襲ったコロナ鬱だった。
１年と８ヶ月かかったが、一昨年の暮れから昨年の正月にかけて、驚くほど回復し、
昨年一年は口が達者に戻り、随分と文句を言われ、絡まれもしたが、
結構毛だらけ猫灰だらけであり・・・　楽しく毎日を過ごすことができている。

いまとなっては、そんなこともあったかな程度で・・・　全く気にもならないが、
おかげさまで、朝起きると洗濯から始まり、干したら直ぐに掃除に取りかかり、
夕方にはお風呂の準備をして、洗濯物を取り込み、畳むまでが、すっかりルーチンワークとなり、
時計を見ないでも、体が勝手に動くんだから、
家事手伝い見習いから・・・　見習いの３文字は、とっくに卒業させてもらっている。

いまのところ、今年の楽しみと言えば・・・
今夏６歳になる上の孫に、好きなランドセルを買ってやることと、
母には内緒だが、母の実家の墓に一緒にお参りに行こうと思ってることぐらい。

９３歳になる母と、ドライブに出かければ、
なんども聞いた昔話の繰り返しだから、いささかまいってしまうが、
美味いものでも食べさせてやりたいし、思い出もたくさん作ってやりたい。

あとは家族、親族が健康でいること、
正月なのに、ちょっとばかり辛気くさいが、
欲を言い出せば切りがないので・・・　それぐらいで良い。

そうそう忘れていたが、今夏で６９歳を迎えることになる。
一昨年９１歳で亡くなった父より、１年ぐらいは長生きしたいと思っているので、
目安となる９２歳から逆算すると・・・　今年は、第３クォーターの最終年であり、
いよいよラストの、第４コーナーが目の前に迫ってきている。

そっか、もうそんな歳なのか・・・　そう思えば、
なんだか寂しくもあるし、感慨深くもあるが、それが現実である。

昨年までは、ずっと先を見て、計画を立ててから歩んでいたように思うが、
今年からは、しっかり足下を見て、１日１日を大事にしていこうと思う。

下り坂を歩き始めたら、
上り坂を歩いていたころには見えなかったものが、たくさん見えるようになってきた。
いまさら、丸くなるつもりはないが、焦らず、慌てず、ちょっとだけ我が儘に、
今年もまた・・・　思ったことを正直に綴り続けたい。

明けましておめでとうございます。
今年もまた「時のつれづれ（北多摩の爺さん）」を読んでいただき、
笑っていただければありがたいと思う。
拙い文で申し訳ないが・・・　本年も宜しくお願い申し上げます。

令和５年　元旦　　多摩爺


東京の郊外、北多摩の初日の出は・・・　０７時０２分だったかな？
毎年恒例で、すっかり葉っぱが落ちた玉川上水緑道の枝の合間から、覗き込むようにと上ってきた。
空を見れば、雲外蒼天どころか雲一つない蒼天だから、今年は困難なしということだろうか？
だったら、ホントに嬉しすぎるんだけど・・・　。